私: 谷川俊太郎詩集

著者 :
  • 思潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784783730439

感想・レビュー・書評

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  • 京都のある古書店で出会った一冊。
    装丁がお気に入り。

    詩集はおもしろい。色んな楽しみ方がある。

    目で読んでもいいし、
    声に出して読んでみてもいい。
    突然何ページも戻ってみたっていい。

    目で読むと深く読み込みたくなるけれど、

    何となく分かったようなふりをして
    音を楽しむのも、またいい。

    何回も何回も進んでは戻って、
    自分のお気に入りの詩を見つけるのが、すき。

    今週末はずっと俊太郎と過ごしてた
    あんた、いいね!

    相変わらず、ペニスめっちゃ出てくるけど

    「二×十」と「おばあさんが言ったこと」が特に良かった

  • 少年のシリーズが好き。
    なかでも少年8の「おばあさんが言うこと」と「《夢の引用》の引用」が好き。

  • 詩というものを初めて読みました。正直、あまりよくわからなかったけど何となく何かを感じるところがあって、また詩を読みたいと思いました。

  • 私は私が可愛いあまり、
    これまで散々甘やかし、
    あれもこれもと

    (どうか幸せになりますよう…)
    (毎日をただ楽しく暮らせますよう…)

    にと、与えるだけ与え、
    「私」がそれで喜んでいるのなら、あぁ幸い。と、

    本来の「私」を全く顧みる事も無く、知る努力もせず、
    ただ表面だけをなぞるように、付き合ってきたのではないか?

    ・・・と、言う思いに駆られ、背筋がぞくっとした。

    谷川俊太郎さんが見た「私」の心は
    方向性を持っていなかった。

    あるがままをあるがままに捉え、
    捉えるだけで、揺らぎはしない、この不思議な落ち着き。

    今に留まり、小さく振動しているだけの「私」には到底わからぬ、
    言葉と言うロープを自在にあやつり、
    過去や未来へ神出鬼没の奇妙な技の使い手は
    今にこだわらず、
    あらゆる可能性を楽しんでいる。

    谷川さんの「私」は
    谷川さん自身の良いパートナーなんだな、と思った。

  • 第23回 2008(平成20)年 受賞作
    請求記号:
    資料番号:

  • 突き刺さる。この人の言葉は本当に。「私」なんて、詩で自己紹介とかかっこよすぎる。

    生きていくこと、あるいはその先の死ということを、人間の善し悪しをきれいな詩でつむいでいく。すてきだ。

    個人的には「少年」の連作が好きです。とりわけその中の「泣いているきみ」が。

  • 羅臼、湯河原などを舞台とした作品です。

  • もう一人の『私』に行き会える。

  • ――少年という言葉が似合う谷川先生が、老いを感じる瞬間を切り取った本。そこに在るものは美しさあるいは真っ白な灰、あるいは死への準備と許容と深み。
    上記は、つい先刻私が「読書メーター」さんのほうに投稿したコメントだ。私は「読書メーター」に読んだ本すべてを記録し、コメント機能は備忘録のようにして活用している。
    こちらに登録する本は、その中でも感銘を受けた本だ。少し判断は甘くしている。けれども、少しでも感銘を受けたら、その時の興奮を残しておきたいと考えて。
    『私』は間違いなく、たくさんの感銘を受けた本である。本を見た瞬間にほれた。私は一目ぼれをしたことがないのだが、少なくとも本ではありえる。今回は多分、表紙や背表紙にたくさん文字が書かれていたからほれたのだと思う。図書館で谷川俊太郎のあたりをうろうろしていたら、まず『私』という簡潔な題名が目に飛びこんできた。少し手にとってみたら、表紙に印刷されている、「書き継ぐ」の一節を目が勝手に追った。

      意味よりも深い至福をもとめ
      私は詩を書き継ぐしかない

    それに心を射抜かれた。
    時は移る。
    読み終えてから、溜め息と共に本を閉じた。すると今度は背表紙に印刷された一節が目に焼きついた。

       一語の深度を辞書は計れない
      知性の浅瀬に語彙が散らばっている

    すぐさま本を再度開き、それを探してみた。見つけた。「二×十」私は既にその詩を書き写していた。それなのに取りこぼしていた一節があった。

      一度の深度を辞書は計れない
      知性の浅瀬に語彙が散らばっている

  • 詩集を読んだのは久々。★つけてないけどこれはなにを感じるかはほんとに人それぞれだと思うから。私は「さよならは仮のことば」という詩が心に残りました。リズムも、ふるいにかけられた贅肉のない言葉たちも、谷川さんが意図した意味とは違うのかもしれないけれど、なんか奥のところに染み込んできます。小説と詩って、浸透圧が違うのかもしれない。声に出して音読してみると、また深いところに届くと思うので、手に取った方はぜひ音読されてみたらいいとおもう。それにしても音読してたら、読めない単語や意味を知らない単語がけっこうあった(^┰^;)ゞ そのなかのひとつの「螺鈿(らでん)」 あの高級な漆器によくある貝細工みたいなアレのことらしいんですけど、らでんの「でん 鈿」 の金へんをはずして逆にしたら 田螺(たにし)になるよね!!!ちょっと発見!!!いやそれはともかく、手に取る機会があればぜひ。な一冊です☆

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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