惑星のさみだれ (10) (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
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本棚登録 : 768
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785935184

感想・レビュー・書評

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  •  雨宮夕日が朝日奈さみだれを止める騎士であろうとしている姿を見て、最初の頃からの成長を感じられて良かったです。

     最終話では10年後の皆んなの姿がまた見れ、朝日奈さみだれと雨宮夕日の2人も成長した姿になっていて嬉しく思いました。

  • 完結!!
    素晴らしかった!!!
    あの時代の空気と面白いものを詰め込んで、凄まじい精度で描き上げた傑作でした。
    というか、これほど完璧な作品を連載でやってたとか凄すぎない?
    楽しい体験を、ありがとう。

    ◆未来と大人
    「未来は無限の可能性に満ちている」
    よく聞く言葉だし、これだけだとひどく薄っぺらい響きです。
    しかし、本作には実感を伴ってそう信じられるものがある。
    本当にその実感がある、稀有な体験でした。

    また、本作で度々出てくる「大人」というキーワード。
    これまたテーマとしてはありふれているもののように感じられますが、やはり本作には凄く実体を持って、そしてかっこよい「大人」の姿がある。

    どちらにも、希望がある。
    無論今子供だったり、学生でモラトリアムな日々を過ごしている人たちにとっても、この未来と大人の姿は希望になると思う。
    しかし、今社会で生きる我々にとってもそう映るはずだと感じました。

    ◆セカイとの繋がり
    世界との繋がりが希薄で、自分の終わりと世界の終わりが一足飛びに結び付いてしまう。
    さみだれをはじめとして、本作にはそういった人々が何人も出てきますね。
    しかし彼らは誰かと繋がりを持って、自分が何を好きか知って、あるいは大切なものを作って、自分と、世界を知っていく。
    世界との繋がりを、生きる動機を得て、彼らは成長していく。
    続いていく。
    ここの見せ方が本当に完璧で、素晴らしい作品でした。

  • >あんな凄い物語があったのに
     それが終わったのに
     ぼくらの人生は10年たった今でも
     相変わらず続いている


    という00年代最高の少年漫画のひとつ、その最終巻。
    ジャンル的にはSF青春超能力バトル。

    全10巻の作品は名作というのが漫画界の通説ですがご多分に漏れず素晴らしい作品。
    著者のその後の作品も名作ぞろいで大好きです。
    背景のSF設定がいつもいいんですよ。

    DLsite comipoで明日まで無料。本棚に手を伸ばすより気軽に読めてしまいますよ!

  • さみだれと雨宮の関係がとても好きです。
    最初に比べていろいろな経験を経た、雨宮がどんどん大人びていって、最初から最後まで素晴らしい漫画でした。
    ラストのエピローグは、感動して泣いてしまいそうでした。
    悲しい事、辛い事、絶望しても今の当たり前のようにある幸せを大事にして子供に笑顔を見せれるような大人でいたいと感じさせてくれました。

  • 遂に物語は最終巻。と言ってもラスボスは前巻で倒したからこの巻で描かれるのは裏ボスとの戦い、そしてそれらを倒した後の物語

    まずはアニムスの死に様から。
    院長先生の「神様」発言から暴走を始め、誰にも止められないまま地球を壊し続けたアニムス。そんな彼はアニマによって地に縫い付けられようやく暴走を止める
    このシーンでの注目ポイントはやはりアニムスの転生先についてか。これまでの描写、そして前世の業を償うのに500年掛かるというアニムスの発言。つまりはそういうことだよね
    転生先でアニムスは望んだ通り全てを知る者になったというのに、そこで知ったのは全知など下らないということだった
    稲近が遺言としてアニムスへ「私達は人間だ」と届かないと判っている言葉を送った背景を考えると、どれだけ稲近が前世の業を悔いているかが伝わってくる。死に際にアニムスが言った通り、稲近は500年掛けて自分が全知の神ではなく無知の人であると悟り、前世の業を償ったのだろうね


    アニムスが消えた後から始まるのは物語の裏に隠されていたもう一つの物語。
    仲間たちの前で地球をぶっ壊すと宣言したさみだれ、それを支える夕日。これに対し、南雲と八宵が立ちはだかるのだけど、二人はアニムスを相手にしたように倒すつもりはない。止めるつもりで居る。対する夕日も二人を倒すつもりはない。力を使い切らせれば良いと考えている
    何故なら夕日は自分一人でさみだれを止めるつもりで居たから。ここに来て夕日の真意が明かされ、さみだれ視点で夕日の心情変化が語られるシーンは鳥肌モノだったな

    騎士としてさみだれに最も早く出会った夕日。9巻では過去にも出会っていたことが明かされる。更にこの二人は一緒に成長してきた。というより、夕日はさみだれと過ごす内に少しずつさみだれの為のヒーローになっていった。思い悩むさみだれに言葉をかけたり、さみだれの願いを叶えるために共に行動してきた。それでいて、さみだれが母との距離に悩み逃げようとした時には彼女と同じ距離を飛んだ上でさみだれが家へ帰れるように手を繋いであげた
    思い返してみると、夕日は時間を掛けて少しずつさみだれに相応しい男になっていたのだと判る。ただ、そんな夕日でもあまりに強すぎるさみだれを止めることは叶わなくて

    元から地球所有の願望が有ったさみだれ。それだけであれば別の幸福を与えれば彼女は止まったかも知れないが、却ってその幸福感が病によって人生が早く終わると決まっている残酷さをさみだれに突きつけてしまう。余計にさみだれは止まれなくなってしまう。
    だからさみだれを止めようと思えば、それは物理的な強さではなくて、単純にそれらの残酷さを越えても手にしたいと思えるような幸福をさみだれに示すことだったのだろうね
    夕日がどれだけ強くなっても、ノイが黒龍を継いでもそれだけではさみだれの孤独に届かない。だからこそ他の騎士達が力を合わせて更に夕日が高く飛べるようにする必要がある
    さみだれよりも高く飛び、その上で「ぼくがついてる」「一緒に生きて一緒に死のう」と夕日は優しく告げる。誰にも手に出来ない地球の所有を望んださみだれは、地球よりも大切だと思える夕日を手に入れることでようやく止まるわけだね。この一連の流れは二人の関係の集大成と言えるもの

    こうやって美しく纏まったのだから、物語としてはここで終わって良い筈なのだけど、63話から始まるのはアフターストーリー。それも何年か経ってとかではなく、戦闘直後の後日談
    他の騎士達はパートナーの獣との別れを悲しんでいるというのに、それ以上に夕日と三日月が望むのは最高潮に到達した自分たちの強さを確かめ合うこと
    ラスボスも倒して、裏ボスも止めて、間髪入れずに男同士の殴り合いが始まる展開は斬新すぎる(笑) しかも何時間も続くものだから、他の騎士達は終わるのを待たされるというちょっと間の抜けた光景。と言うか、三日月勝っちゃったよ、物語の主役に。
    まあ、そんな光景を見たことで太陽は「大人になれば楽しいことがあるんだ」と気づけたから良い…のか…?

    そして、それらの遣り取りが終わった後は解散となるのだけど、未来を手にした彼らが約束するのはお花見をしようとのこと。また、解散時の遣り取りが普通に日常のワンシーンのようにもなっているのに加えて、夕日が自宅に帰って寝るまでの工程が描かれている。
    ラスボスを倒した後の光景としては珍しいものだが、これによって夕日達がかけがえのない日常や未来を取り戻したのだと変則的な方法で伝わってくる。また、ノイやアニマ達が居なくなった喪失も同時に伝わってくるというのがまた……


    そうして最終話で描かれるのは本当の後日談。
    アニマによる幾つかのネタバラシ、騎士達のその後の姿、そして奇跡を越えて病を治したさみだれ。それらの光景はとんでもなく幸福な未来に彼らが辿り着いことを示していると同時にやはりかけがえのない「日常」を手にしたことを表しているようで、穏やかな感動をこちらに伝えてくる

    数年振りに読み返したけど、やはり良い作品だな。また何年か経ったらもう一度読み返そうと思えるくらいに自分の中で人生レベルで思い出の作品となっているように思う

  • これで完結。 みごとに王道の少年漫画をやってくれた。 アニムスを倒して、最後の戦いとして五月雨との戦いがあり、そして戦いを終えた後の物語。3年間続いた物語を締めるのにふさわしいものすごくいい終わり方だった。

  • 大好きです。
    ありがとうございました。

    同時期、発送されてきた、特別小冊子も大満足でした。


    ありがとうございました。

  • コミック

  • 絵は好き嫌い分かれると思うんですが凄く丁寧に作られてるように思えます。
    意外と急に出てくるシリアス感にラブコメに戦闘、パワーアップと男子が好きな要素がたっぷりです。

  • 友達に貸してもらって読んだ漫画。
    結果、自分でも全巻買うことに。

    こんなにベタで王道で完璧な漫画は初めて。

    キャラクターすべてを好きになれて
    伏線の回収もあって
    笑って泣ける
    本当に最高な漫画。

    この漫画の大人論はずっと
    心に置いておきたいと思う。

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