- Amazon.co.jp ・マンガ (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784785954321
感想・レビュー・書評
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久しぶりにゾクゾクする終わり方をする漫画を読んだ。読了直後の余韻と、物語の続きが二度と読めないことに対する寂寥感が凄まじい。音大オケものとしては、国民的大ヒットとなった「のだめカンタービレ」が終わって間もなく始まった漫画なので、差別化が色々大変だったと思うし、クラシック音楽というジャンル特有の難しさもあって、作者はとても困難な連載を強いられたと思う。「のだめ」のように不条理系のトリッキーな人物描写で読者を惹きつけるのではなく、恥ずかしいくらいに直球一直線のアプローチでここまで描き切ったことに拍手を送りたい。(別に「のだめ」が嫌いなわけではない。念のため)
掲載誌「ヤングキングOURS」の筆谷編集長の目利き力も見逃せない。筆谷氏はコミックマーケット準備会の幹部を長年務めているだけあって、ジャンルや表現手法・媒体などの表層面に惑わされることなく、漫画作品の本質をよく見極められる編集者だと思う。
年に数百冊の漫画を読んでいても、ここまでの作品に出会えることは稀である。物語の中の人物は、物語が終わった後もそれぞれの歴史を歩み続けるのに、私は彼らと時間を共有することができない。とても寂しい。そのように読者に思わせることができた作品が、いつまでも名作として記憶に刻まれるのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コミック
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この最終巻が欲しくて中古ですが
全巻揃えました。
待っていたんですよね。 -
秋央を残して、あっという間にその先への世界へと旅立っていったひびき。そして、数年後に、日本に忘れ物をしてきたとふらりと戻り、コンサートしようという申し出に即決でOKを出す秋央。そこからはワクワクの始まり。今まで関わってきた人を総力で集めての日々。マーラー「大地の歌」。こういうことがやりたかったんだということの結集と、別れの音楽。しかし、それが誰に向けられてのものだったかは...。そしてまた数年後の日々。どこへ向かったのか、何がしたかったのか、最後に出てきた子供は、帰ってくるのは、プロポーズするのは、と含みを持たせ、読み手に委ね、良い音楽を聴いた後のような余韻を残して。/指揮者はいつもそばに自分の楽器があるわけじゃない でも、だからこそ、強く強く、自分の中に音楽を奏でていなくちゃならない(1巻、ひびき)/「少しでもオケに自分のやってることへの迷いや弱みを見せちゃ駄目なんだよ、全部わかった上でこの曲を指揮してる!そう思わせなくなちゃならない そうしなきゃ奏者はついてこないよ」「どうするかは自分で考えて自分で決めなきゃならない 出した答えが正しかろうが間違っていようが 誰に頼ってもいけないのさ」(梶原,5巻)/どうせ絶対なんてもののない未来なら、自分が本当に価値があると思えるものに賭けるべきだって(梶原,3巻)/3巻のショスタコーヴィチのバイオリン協奏曲、イザイの無伴奏ソナタ第6番、7巻のブラームスのバイオリン協奏曲第一番、2巻のハイドンの交響曲100番、は聞いてみたいと思った。
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ダンナが買っていたのを借りて読む。
終わり方が意表をつかれた。確かにカップルになるのとも違うけど?
おもしろさはのだめカンタービレの方が上かなー。