- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784787292551
作品紹介・あらすじ
映画、マンガ、アニメ、ゲーム、テレビドラマ、ウェブサイト――活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。多様な表現ジャンルの価値がフラットになるいま、小説にはどのような可能性があるのか。
現代の小説の枠組みを確認するために、マンガやアニメ、ゲームなどのサブカルチャーを雑食的に取り入れて発展・成熟を遂げてきたライトノベルの方法や様式を検証する。そのうえで、ジャンル間を越境してコンテンツを接続するメディアミックスのあり方、図書館や教育での小説の位置、ジェンダーや2・5次元との関係性などを照らし出す。
小説が現代の多様な文化のなかで受容者を獲得し拡張する可能性、サバイブする戦略を、多角的な視点から解き明かす。
感想・レビュー・書評
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ライトノベルやメディアミックスを、このような切り口(視点)で捉えることができるのかと目から鱗が落ちる思い。広め方の指針になります。
学校図書館との関係、ジェンダー観での捉え方など興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2021年12月13日読了。『ライトノベル研究序説』など90年代から継続的にライトノベルを研究してきた著者の面々が最新のラノベの変化・世論の状況と特筆すべき事件などをアップデートする論考を寄せた本。非常に興味深く読んだ、10年代の最も大きな変化は『小説家になろう』などのサイトで読み手と受け手の垣根が低くなった、が、それは多様性の増加というよりかえって「異世界転生」などの流行が固定されてしまう状況を生んだのだろうか…。扇情的?な主にラノベの表紙の扱い(店頭で平置きしてよいのか・図書館においてよいのか、等)に関して、ジェンダー・経済・表現の自由など様々な利害と観点がありゾーニングですべて解決できる問題でもないと思うが、そもそも「クールジャパン」と称揚されるコンテンツって結構作成者と鑑賞者のリビドーが狂気の作り込みを産む側面が強いと思うので、万人向けにマイルドにすることは解決策ではないはず…どうなるんだろうね。
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樋口康一郎(2020) 「ライトノベルは「性的消費」か」が収録されている。
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CiNii Booksから引用
内容説明
映画、マンガ、アニメ、ゲーム、テレビドラマ、ウェブサイト—活字で書かれた小説でなくても、現代文化では様々なメディアを通じて物語が発信され、受容されている。多様な表現ジャンルの価値がフラットになるいま、小説が受容者を獲得し拡張する可能性やサバイブする戦略を、多角的な視点から明らかにする。
目次
第1部 拡張する現代小説(現代文芸とキャラクター—「内面」の信仰と呪縛;キャラクター化される歴史的人物—「キャラ」としての天皇・皇族の分析から;霊感少女の憂鬱—ライトノベルと怪異;「太宰治」の再創造と「文学少女」像が図示するもの—『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ)
第2部 創作空間としてのメディア(遍在するメディアと広がる物語世界—メディア論的視座からのアプローチ;三つのメディアの跳び越え方—丸戸史明『冴えない彼女の育てかた』を例に;学校図書館とライトノベルの交点—ライトノベルは学校図書館にどのような可能性をもたらすのか)
第3部 文化変容とジェンダー(ライトノベルは「性的消費」か—表現規制とライトノベルの言説をめぐって;「聖地巡礼」発生の仕組みと行動;少女小説の困難とBLの底力;繭墨あざかはなぜゴシックロリータを着るのか—衣装で読み解くライトノベルのジェンダー)
座談会 ライトノベル研究のこれまでとこれから
「BOOKデータベース」 より -
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