最上階の殺人 (新樹社ミステリー)

  • 新樹社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787585080

作品紹介・あらすじ

最上階のフラットに住む女性が殺され、室内が荒らされた。裏庭に面した窓からはロープがぶら下がっていた。スコットランドヤードの捜査に同行したロジャー・シェリンガムは、警察の断定に数々の疑問を持ち独自の調査を開始する。

感想・レビュー・書評

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  • スコットランドヤードと懇意にしている作家シェリンガムが、たまたま臨場した事件。
    手口から容疑者が絞れたのに、思わぬ苦戦を強いられる。
    シェリンガムもの第7弾。

    相手をうけいれつつも、自分たちの仕事に自負を持ち、一方で作家の意見に耳を傾ける柔軟さもある。
    警察が道化で作家が名探偵、というわけではなく、バランスのいい関係性。

    なにに疑問を抱き、どのようにつきつめていくのか。
    ユーモアのある思考がおもしろい。
    折に触れ疑問点をまとめてくれるのも、わかりやすい。

    キャラもはっきりしていて、特に秘書ステラとのやりとりはテンポがいい。
    ラストのオチが意外で笑った。

  • 中盤辺りから「神作品では?」と意識し始める。ハードルを上げすぎると、いいことはないだが。
    本を閉じた瞬間「紛れもない神作品であった」そう思える満足感でみたされた。

    マンションの最上階で起きた強盗殺人。名探偵シェリンガムは、警察に依頼されたわけではなく『警察のお仕事体験』といわんばかりのお客様ぶり。シェリンガムの扱いといい、彼のお邪魔具合といい、微笑ましい。

    疑問を抱いたシェリンガムは、独自の捜査をはじめる。
    これがまた口八丁手八丁で痛快爽快なのだ。マンションの住人を手あたり次第に調査。嘘を重ねまくりの名探偵は、他愛もない会話から事件の糸口を見つけようとする。
    被害者の姪であるステラを秘書においてからの捜査は、さらに爆笑である。
    シェリンガムという特異な名探偵を、相棒には程遠い彼女のキャラクターが、特有のある性質を大いに引き出している。

    全うな?捜査の先に訪れる解決。衝撃は計り知れないものがある。この計り知れないというのが普通の名探偵ものとは一線を画くのがまたバークリー。
    2017年に読んだベスト「第二の銃声」のアレを上回ってくるとは。

    笑撃ともいえるこのエキセントリックなラストの心地よさと肩を並べる作品は他にあるのだろうか?おそらく未読のバークリー作品にしかないのだろう。
    オールタイムベスト。といってもいいくらい私の中で完全無欠の作品であった。

  • アントニー・バークリー。ロジャー・シェリンガム。
    マンションの最上階で老婦人が殺された。警察は手口からプロの盗人と目当てをつけるが、ロジャーは同じマンションの住人と推理する。また捜査の過程で被害者の姪を秘書にする。
    主人公のロジャーやヒロイン役の秘書から聴取対象の住人まで丁寧にキャラ付けされており推理だけでなく、小説としても面白い。しかし創造力豊かすぎるロジャーの迷推理ではなくきっちり決めた推理を読みたいひとも多いはずだ

  • 登場人物表あって助かる。文中にも要点まとめがあってわかりやすかった。

  • 中盤からラストに向けての展開、ツイストの効かせっぷりがお見事。アパートの各部屋の住人のえがき分けから素人探偵のオリジナリティ溢れる捜査っぷり、美人と認めながら「でも惹かれない」と断言するシェリンガムと秘書ステラの駆け引きも面白く、探偵小説でありながらロマンス小説に英国コメディといった複数要素が楽しめるとても贅沢な一冊でした。
    最後まで読み終わった後に反芻すると、冒頭からのアレコレ描写が無駄なく見事に活かされて、かつ、シェリンガムの想像力により展開される推理のアレコレがさらにそれに折り重なり、感嘆の溜息が出るしかない見事な探偵小説になっておりました……。

  •  久々のロジャー・シェリンガム。小金をためている老婦人の殺人事件に首を突っ込んで相変わらずの見当はずれの探偵ぶり。手口からケチなコソ泥の仕業とにらむスコットランドヤードを向こうに回して独創的な推理を繰り広げ、真相に迫るいいところまでたどりついたのはいいが、最後の最後に道を踏み違えてあらぬ方へと突き進む。今回は秘書に雇ったステラがなかなかの傑物で二人のやりとりのおかしさだけで十分楽しめる。もちろん最後のどんでん返しもうまく着地が決まってまさに練達の技。

  • 著者の『地下室の殺人』を読んだ勢いで、翌日に一気読み。刊行は、『最上階の殺人』のほうが一年早いよう。
    『地下室』はモーズビー主任警部を中心とした警察小説の印象なのに対し、『最上階』はシェリンガムの個人的な調査を描いた探偵小説。タイトル・内容ともに対称的。

    この作品単体でみると、キャラクターの魅力が素晴らしい。特に、探偵役シェリンガムと秘書ステラの会話が愉快。ステラさんが登場するシーンは、ほぼノンストップで読んだ。
    物語としても、本格ミステリでありながら、ロマンスあり、ユーモアあり、コメディかと思わせる結末もありと、非常に面白かった。
    海外ミステリはまだ30冊程度しか読んでいないが、今はこの作品が最も好き。

  • [ 内容 ]
    最上階のフラットに住む女性が殺され、室内が荒らされた。
    裏庭に面した窓からはロープがぶら下がっていた。
    スコットランドヤードの捜査に同行したロジャー・シェリンガムは、警察の断定に数々の疑問を持ち独自の調査を開始する。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 再読。ステラたんが可愛すぎて本筋がどうでもよくなる勢い。そして笑撃のラストへ。

  • コメディミステリーですね。

    バークリー作品の中では個人的に一番だれてしまった。

    まだ、試行錯誤とヴェインとパニパーが未読だが。

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