- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788516113
作品紹介・あらすじ
母国語とアイデンティティ、歴史と境界線。芥川賞候補、日本エッセイストクラブ賞受賞の台湾生まれで「中国語がへたくそ」な日本語作家のライフワークを、今この国に生きる若い人たちに。「日本語は日本人のためだけのものじゃない」。
感想・レビュー・書評
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台湾語を話す両親、日本で日本語を母国語として育った著者、中国人。
アインシュタインの言葉
「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかったことに気付かされる。自分が何も知らなかったと気づいたら気づいた分だけまた学びたくなる。」
高校生の温又柔。友達とアンキパンがあったら!とかコンピューターペンシルが欲しいとか言いながら勉強しているが、それは本当の勉強ではないことを知っていた。丸暗記に何の意味があるのか。
国語とは何か?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは「外国人児童生徒教育」に思いはあるけど何もできてないような気がして悩んでいる若い先生に読んでほしい! 温さんが小学校時代に出会う先生、教育実習生、の姿に、ちょっと励まされると思います
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背ラベル:914.6-オ
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台湾生まれ、日本育ち。中国語は苦手。という作者の母語とはなにかについて書かれたもの。最近はいろんな国のミックスやダブルのこどもたちが増えているけれど、こういう思いをもっていたりするのかな。
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幼い頃より日本で育ち、日本語はぺらぺらだけど中国語はちょっと下手だという台湾人の著者によるエッセイ。日本で生まれ、日本で育った日本人の自分は考えたことのないアンデンティティーの葛藤。「国語」「日本語」について考えてしまう。作中に出てきた「ことばの杖」という言葉が素敵だと思った。
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二つの(あるいはそれ以上の)言語のそばで育つことは想像以上に難しいんだなと思う。どちらも中途半端になったら困る、と言って、日本にいるのだからと日本語を優先してくれたご両親はすごいな、自分の母語を子供にも母語として持っていてほしいと思っても当然なのに、今の環境でより生きやすいほうを選ぶことを支えてくれたのを見ていると、なんとなくほっとする。
両方話せないのはもったいないという気持ちも理解するけれど、それってきっととても難しいことで、いかに両立するかというのは自分が思っているよりもずっと多くの人が抱えている、ありふれた、難しい問題なんだろうな。 -
言葉に対する気持ち、自分自身の存在に対する気持ち。いろんなことに思いを巡らせながら読んでいて、よくわからないけど、温又柔さんをぎゅっと抱きしめたくなった。
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子供の頃に台湾から日本に移住した著者による、幼少期からの言語体験についてのエッセイ。日本語で日本の教育を受けて育ったから、台湾の中国語も大陸の中国語もうまくない著者は、高校、大学と進んでいく中で自分のルーツと日本・日本語の間でアイデンティティが揺らいでいく。「国語」って何だろうと考えさせられる。
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まさに日本語、日本人という固定された環境で育った人間にとっては新鮮な内容だった。ここ最近の多様化社会においてもはや日本自体が日本人だけのものではないていう認識を持たねばならないなと。
中国や韓国の文化をもっと知りたいとも思った。