メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服

著者 :
  • 星和書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791109432

感想・レビュー・書評

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  • 幼少期の養育体験は大人になってからの生きづらさのクセになる

    この人は外傷的育ちを生き抜いてきた人かもしれないと想像し、その心をノックする

    幼少時に外傷的な養育環境にあるとメンタライズの力が育たない

    外傷的育ちによる心の傷は関係の中で治す病気

    メンタライゼーションとは、自己、他者の行為を心理状態基づいたものとして理解すること

    出来事→結果という直通特急を、顕在的、コントロールされたものに変えていく作業。すなわち、そのあいだにある感情が湧くこと、メンタライズ、歪んだメンタライズといった過程を取り戻す。

    限界まで私を大切に愛してくれている人さえ別の人間だという真実を受け入れる、分離の作業が凍結している

    100%の融合体験を探る旅をしてしまっている


    本人の自他境界傍に立って、そこから遠ざかりもちかづきのしない、あるべきラインを定める

    診察、相談の時間をきっちり定める
    今すぐの苦痛の除去よりも不安を抱える力を育てることの方が大切
    愛のある境界設定、できることは必ずやる、できないことはやらない
    境界は、本人にとって自己と他者、誰かに任せられる領域と、自分以外誰にも肩代わりしてもらえない領域の境界。その限界は、枠内では治療を提供するが、この範囲ですよと限界設定を示す

    限界のラインを示して、そこ越すとダメだはっきり伝える、100%信頼幻想を持つと試し行動がエスカレートし、不合理間を感じる

    限界設定、いくらでもと境界と限界を無視した支援者によって試し行動がエスカレートし、補償を際限なく求める。そうすると、関係を断ち切るなどするとギブアップ。すると、見捨てられ恐怖症が強化される
    →たぶん今の自分は、この境界設定がダメなんだろうな。過剰に引きすぎているんだと思う。父性が弱い。押すところや言うところ、言わないところ、どこまでいくと失礼かといった境界設定が、自分個性化を阻害する要因となっている

  • 分離うつが必然のように書いてあってなんか納得した。メンタライゼーションはそれなりにガイド下でやらないと危ないんだろうな。

  • 「今、ここ」を重視するアプローチ。
    クライエントが変化しても、それによって親、配偶者、他の人などの変化が必ず起こるわけではないし、それをコントロールすることもできないため、他者の変化ではなく自分自身と他者に対する反応の仕方を変えることによって解決しようとする、ということなのだと納得することができた。

  • 私自身外傷的育ちであるという自覚があるので読んでみた。
    非常に興味深い内容で、「100%幻想」や被害者モード、加害者モードなど、読んでいて身に覚えのある点が多かった。
    私は支援職や福祉職に就いている身分ではないが、読んでいて重要な気づきが多かった。この本の内容に沿って言うなら、私はまだ分離うつを経験していないのかもしれない。
    また理解を深めるために再読したいと思う。

  • 日々にじわじわ効かせられるよう精進したい

  • 最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00598972

  • メンタライゼーションの本の中では一番読みやすく、理解もしやすい。

  • 鬱で寝ているしかなかった時期に医者に勧められて購入したが、8ヶ月弱かかってやっと読めた。
    本当に読めてよかったと思う。

    引越しなどで通院が途絶えてなお、医者が残してくれた手がかりなどから何とか立ち直れたのも、この本があったからだと思う。

    この本は大事にカバーをかけ、ずっと家におきたい。それでたまに見返して、メンタライジングを定常化できているか確認して行きたい。、

  •  外傷育ちという呼び方を用いながら、対人面で傷つきやすさを持った人達が、こころと上手く付き合っていけるようにガイドする指南本です。専門用語でいえば、メンタライジングになるのでしょうが、難しい説明はなく、日常的な言葉や例えでわかりやすい本になっています。
     外傷育ちの人の抱える傷つきやすさの説明と、支援者向けの二部構成になっています。外傷育ちの人の抱える傷つきやすさの説明は、ご本人が読まれても参考になると思います。メンタライゼーションは専門ではありませんが、今後このエッセンスは日頃の面接に取り入れていきたいです。

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著者プロフィール

京都市生まれ。1995年,京都府立医科大学医学部卒業。
2004~2010年 京都府立医科大学大学院 精神機能病態学 助教。同大学附属病院精神科病棟医長。
2009年 ロンドン大学St. George校摂食障害部門留学。
2010~2013年 京都府精神保健福祉総合センター主任医師・京都府立医科大学大学院併任講師。
2013年~現在 いわくら病院。現在急性期治療病棟担当・診療科長,医学博士。


「2016年 『メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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