現代思想 2022年12月号 特集=就職氷河期世代/ロスジェネの現在

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791714407

感想・レビュー・書評

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  • ロスジェネは終わったのか?実はロスジェネではなく、「クリエイティブ」が突飛でなくなった以降のことを指しているのではないか?

    就職氷河期とかロストジェネレーションという言い方が、ことを見えなくしているように思えた。キャッチーではあるが、核というよりも部分をとらえた表現だと思う。就職で見た場合はそうだろう。いや、世間はそこを考えたいんだから、ということなのかもしれないが、数値の回復が条件の回復とは限らない。職場もなにか失われている。

    熟読ではなくさらっと目を通しただけで、なんでここまで言えるのだろうと自分に不思議になる。喚起される部分が多かったのかもしれない。

    勉強会で話をするとき、僕は先に準備していたものは突飛で面白いと言われる。それと最後まで話を聞いて、全体が感じられてから考えたときに面白いと言われる。(←でもタイミング的に遅い) 流れに喚起されて思い浮かぶタイプではない。

    提出型の方が自分を出せることもあるし、そういう人もいる。リーダーの条件“も”持っていたならそれでもいいようだが、僕は残念ながら。今はとにかく対面で話をすることが良いとされる。ここは今も昔も組織は変わらないのではと思う。しかし突飛な者は組織不適合になった。僕は整う前に話し出すと乱れる。自分でも支離滅裂だと思う。だけどどの話の場でも、整うまでを待てない。合理的というとき時間がハカリになっているのではと思う。

    「マニュアルの時代」

    それに沿う主だったものには気付けるが、「見える人には見える」ものが見えなくなったか、見過ごされるようになった。ひとつとして「いるはずだった妻子と出会えなかった人の悲しみ」は具体的なロストではなく、よく見えない。

    「マニュアルの時代」は続く。今もマニュアル内にのる能力が目指されている。燃やさないことには、枠外の声はノイズキャンセルされる。法を、マニュアルを、アルゴリズムを、効率基準にするのか。多分歪む。その時代はより進む。

  • 【特集】就職氷河期時代/ロスジェネの現在

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著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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