舌の先まで出かかった名前

  • 青土社
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本棚登録 : 44
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791756070

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ4冊のキニャールの中でいちばん難解だった。前半の物語は楽しめた。けど後半の論証的エッセイになると意味が上滑りしてほとんど何もわからないまま読み止め、もう一度最初から今度はゆっくり読み返した。それでもテキストひとつひとつ咀嚼するには相当難しい。言葉がシャープな切れ味で貫くから感覚的に痺れる。六感に委ねて読むのが精一杯だ。だから感想も覚束無いけどともかくキニャールかっこいい。

  • 6月9日 感動をテーマにした日比谷図書館ちゃんぷるでお借りしました!


    フランス文学。
    童話を間にはさみ、ひとつの短編とひとつの小論から構成された一冊です。

    舌の先まで出かかった、、、たまに体験しませんか?
    まるで絵画を見ているかのように進んでいくお話しは、興味本位で紛れ込んだ美術館のようでした。

    さすがフランス文学、と言いたくなるように、神話が交わるところもあり、さも哲学を構成してるよう。


    抽象的ですが、オススメします!

    Toshi

  • キニャールの作品「辺境の館」よりもさらに短い短篇。

    村の仕立て屋の男に恋をした女が、結婚をする条件に、複雑な模様の縫いこまれた帯を作り上げるよう課題をだされる。
    女は帯を縫うことができない。
    そこに、ある地位の高い領主がたまたま立ち寄り、帯を与えられる。
    そして、その帯を与える条件として領主の名前を忘れないこと。
    ヘイドビック・ド・ヘル…。
    名前の通り、彼は地獄の領主であり、女は結婚に成功するが
    どうしても名前が思い出せなくなてしまう…。

    作者いわく、言語の失調から、繰り出される物語。
    古典的な寓話のようでもあり、うさぎに連れられて地獄の国に行くエピソードはルイス・キャロル。エイに連れらて地獄の国に行くエピソードは浦島太郎を彷彿とさせた。

  • 「メドゥーサについての小論」未読

  • キニャールさんの中では言語学に焦点をもっていった本?なのか?雰囲気はこう…表紙の通り中世風です。しかし高橋さんは相変わらず訳がうまいな

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著者プロフィール

1948年、ノルマンディー地方ユール県に生まれる。父方は代々オルガン奏者の家系で、母方は文法学者の家系。レヴィナスのもとで哲学を学び、ガリマール社に勤務したのち、作家業に専心。古代と現代を縦横無尽に往来し、時空を超えたエクリチュールへ読者を誘う作品を精力的に発表しつづけている。

「2022年 『楽園のおもかげ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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