知識人として生きる ネガティヴ・シンキングのポジティヴ・パワー

  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791765218

作品紹介・あらすじ

スペシャリストからジェネラリストへ。混迷の時代、求められているのは、科学者・哲学者のように唯一の真実のみを追求することではなく、社会における「真実全体」を見極める、知識人的な態度である。

感想・レビュー・書評

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  • 陰謀論に対したときに、知識人が取る最悪の行動は陰謀への加担を辞任していると思われないようにそれを無視すること。

    知識人は抽象概念についてはそれがまるで大陸であるかのように論証とイデアについては戦略と戦術であるかのように話す。

  • 一体いつから誠実に示された誠実な経験が詐欺的な弁論術に変わったのだろうか。
    人間が二項対立で描きがちな、そして単純に善悪投影してしまいがちな光と影、双方が必要。

    ベイトソンのダブルバインド、抑えている欲望の方に転んで見る。

    社会工学から生まれるタブー。知性の高さは人種によるというような人種差別。世の中の生命のパターンは宇宙デザインを強力に示しているというような創造論。

    平等主義、世俗主義の建前にぶつかるようなどんな研究の方向性も排除しなければならない?
    ーこれは持てるものをの理想論のような気もする。

    本当に重要でないならばそれほど悪者呼ばわりされる必要もない。


    遺伝的多様性と人種差別。知的デザインと創造論。

    大抵の人々は何を信じるか自分で決めるわけではない。出来合いの信念でこの世を渡る方がはるかにラク。知識人は反抗のための機会を全人類に提供することで人類の意識を高める。

    消極的責任の大きさが知識、権力ある者の上にかかってくる。

    自分が自分の中に見て最も軽蔑しているものーを他者の中に見出す時-自分が体現しなければならない理想を何であるか理解-偏執狂の内在化。

    自分の中の強欲さ、攻撃性、下品さ、傲慢さ、ずるさ、差別意識、思いやりのなさ、単純化、視野の狭さ。

    パラノイア--二つの分裂した心。


    他者の中の正当な論理の理解。その人なりのその人の正当性。



    科学者や哲学者と対立するところの知識人について。
    簡単に言えば絶対的真実を求めているのか相対的、ホーリスティックな全体の真実を求めているのかという違い。
    知識人について語っている本なので、知識人に視点が偏っている事は当然なのだが、ちょっと(知識人にあるまじき)レッテル論がおおいのであまり好きでない。
    ただ知識人的な全体像を俯瞰できる人は本当に必要だし、そういった教育も必要とされていると思う、直感的に。
    思考の転換みたいな者をいくつか与えてくれる箇所がある。
    しかし二項対立のバランスをどうつなぐかという話に収束しがちで、そこからの自分自身の思考停止を打破できる訳ではない。

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