- Amazon.co.jp ・本 (606ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791769094
感想・レビュー・書評
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結構ボリュームがある本であった。ネットを使う人はぜひ読んでおくべきである。付録が役に立つ。
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大抵のび太はドラえもんのひみつ道具を悪用する。即ち最新の技術は、それが便利であるほど悪にも応用できるという、表裏一体の関係にある。例えば現代社会に欠かせないクルマには殺傷能力があり、ゆえに運転免許が必要にもかかわらず、同じく生活に必須となったスマホを始めとするコンピューターには、クルマ以上の破壊力が秘められていながら、使用に何の制約も掛けられていない。無論この場合、免許とは知識という事になる。本書では、将来起こりうる大惨事や、"知られざる地下組織"、おぞましい事件など、IT革命の鬼子というべき事例が数多く紹介され、犯罪の陳列棚といった様相を呈している。けれどそれらは同時に、最新の技術レポートでもあって、読者はここから最先端の技師がもたらす豊かな未来をも覗けるのだ。主題はテクノロジーより、むしろ人の善悪なのかもしれない。
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膨大な情報量に圧倒された。しかし、現時点での対策は実にオーソドックスな方法しかないというのが現状だろう
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サイバーセキュリティの専門家が、サイバー犯罪の実態と未来像を語っている。なかなか分厚い本だが、まずは古今の事例が辟易するほど紹介される。日本ではあまり知られていないディープな事例も多々あって、さすが米国は、ダークサイドでも先進国だと思う。しかし本当にダークなのは米国にとどまらず、国境が無いことも心に留める必要があり、それがアナログ犯罪と大きな違いの一つである。一連の歴史を振り返った後、最新テクノロジーに基づいて、未来のサイバー犯罪像に迫る。ARやディープ・ラーニングという最新技術は、立場を変えれば、バラ色の未来が描けるものだが、この本では、敢えてブラックでセンセーショナルな記述をしており、憂鬱感を覚えながら読んでいると、SFかどうかの区別ができなくなってくる(実際、本文中では、Sience Fiction ならぬ、Sience Fact と言って読者を引き留めている)。過去と未来を見たのち、最後はいま何ができるかという提言である。政府ができること・市民ができること・官民でやれることなどが、大局的な視線で書かれているが、最後の最後は、UPDATE(Update/Password/Download/Admintrator/TurnOff/Encrypt)の注意事項という、語呂合わせ以外に面白みに欠けるありきたりの締めだった。
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戦慄の大著。
ネット社会の危うい現状。思ってはいたけど思っていたよりもショッキング。押し寄せる被害の実例に、パニックに陥ってLANケーブル引っこ抜いてスマホを捨てたくなるのをすんでで押しとどめる。
ハッキングによる金銭的リスク、無料サービスと引き換えの個人情報収集。
反物質のごとく、表と同じサービスが存在する裏のネット社会。この世の大半を占めながら未だ観測できないダークマター・ダークエネルギーのような、クライマゾン・ドットコム(Crimeazon.com)ともいうべき世界が広がっている。
検索ワード、SNS投稿はすべてデータブローカーに見られているだけではなく、それをネタに商売されている。 -
2016年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
通常の配架場所: 開架図書(3階)
請求記号: 368.66//G65