パースペクティブキッド

  • 青林堂
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本棚登録 : 39
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784792602345

感想・レビュー・書評

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  • ひさうちみちおの処女作「パースペクティブキッド」完全版。私はガロを購読していなかったので、ひさうち氏の作品に初めて触れたのはJUNE誌で、非常に強い印象を受けたのを覚えている。JUNE誌の掲載作で未だに覚えているのはこれだけかもしれない。超能力者キッドを巡る追いかけっこの物語である。あとがきでひさうち氏が「絵が稚拙」と言っているのはまったくどういう意味なのか、と訊いてみたいほど精密な絵がすばらしい。わたしはあれ以来、ひさうち氏をずっと追いかけているかもしれない。

  • ひさうちみちおのデビュー作らしい。
    自分は恥ずかしながら、これが初ひさうち作品だった。
    大戦前のヨーロッパが舞台。不思議でなんかカワイイ。

    絵がデザイン系の絵の上手さなので、もう一々全部が本当にカッコいい。古い作品を読む時って大抵の場合こちら側が歩み寄る必要があると思うけど、何故だろう、この系統、その必要があまり無いような…。
    お話は耽美BLみたいな話だったが、割と抵抗なく読めた。エログロな部分もあるけどクールだし、なんなら、ちょっと毒々しいほどにクールで、マジックリアリズムな感じがした。

  • 上等で上質でメランコリックでリリカルな映画を見終えたときの気分。
    そして香り高いお酒を過度に飲み過ぎず適量にすんなり落ちた感じ。
    あらすじを書き記せばそれまでになる、すれすれのところに踏み止まって、作品の質を高めているのは、紛れもなく絵、画、コマ、言葉、動き、すなわち漫画的な表現すべてだ。

  • テレビでひさうちさんのことはよく見ていたけれど、作品は初めて読んだ。絵も細かく描かれていてキレイ。物語りも幻想的で少し不気味で楽しめた。

  • 「ガロ」と「JUNE」で連載されていた、20世紀初頭のパリが舞台のBL漫画(?でも一応ジュネだし)。
    でもひさうちなだけあってBLとかは割と話の印象としてどうでもよく、まあやっぱり緻密な時代描写と絵です。とにかく。
    実はこれが内容を全く知らず何気なく買った最初のひさうち作品で、当時は全く良さが理解できませんでしたが不思議な引力で決して売らないまま今に至る一冊。
    ひさうちファンとなった今となっては、売らずに大正解だった一冊。

  • 本能と理屈は相容れないと思っているなら、読んでもつまらない。
    ひとはどんな行動にでも、理屈をつけずにはおかない生き物なのだと思うのなら、面白い。
    動きがある画面なのに、ごく静かな画面とタッチは、やっぱり独特。
    伊藤潤二の描く、コマ落としのような動きが好きなひとは気に入るかもしれない。
    にしても、絶版か。ひなびた本屋で買っておいてよかった。

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著者プロフィール

1951年11月17日生まれ。京都府出身。漫画家。1976年に漫画雑誌「ガロ」でデビュー。代表作は漫画「托卵」(青林工藝社)、「パースペクティブキッド」(青林堂)や、エッセイ、コラムの「妄想辞典」(河出書房新社)、「性少年時代」(チャンネルゼロ)、「日本人の営み」(KKベストセラーズ)、「ひさうちせんせの人生ノ相談」(アスペクト)など。京都精華大学非常勤講師。

「2005年 『色単 現代色単語辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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