カッコウはコンピュータに卵を産む 下

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794204318

感想・レビュー・書評

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  • 終?

  • 著者のハッカー探しも、ようやくこの下巻で終わります。しかし、終わりではなく、新たな始まりでしかありませんでした。
    内容的には古くなった部分も多いですが、セキュリティに関する意識という点では、まだ学ぶところの多い本だと思います。

  • ■書名

    書名:カッコウはコンピュータに卵を産む〈下〉
    著者:クリフォード・ストール

    ■概要

    ハッカーはドイツから侵入して来ている。アメリカ各地の軍事施設
    にあきたりず、折り返してドイツ駐留の米軍基地に侵入したり、は
    ては太平洋を越えて日本の米軍基地にまで触手をのばしている。
    ハッカー本人は端末機の前から一歩も動くことなく世界を縦横に駆
    け巡り、自在にスパイ活動を行っているのである。FBIもCIAもあい
    かわらず犯人捜査に動こうとしないが、ドイツの捜査はもう一歩の
    ところまで来ていた。しかし逆探知を完了させるためには、もっと
    長時間、ハッカーを引きとめておく必要がある。そこでクリフたち
    が考えだしたのが「おとり作戦」、偽の情報をちらつかせてハッカ
    ーを釣りあげようというのである。どこのコンピュータもほとんど
    無防備だった。次々と明らかにされるハッカー侵入の手口。コンピ
    ュータ関係者必読のセキュリティ・マニュアル。
    (From amazon)

    ■感想

    ハッカー追跡ドキュメントの下巻です。
    上巻を読んでから少し時間が経ってしまいました。

    上下巻あわせて、相変わらずの面白さでした。

    本当にこの本をこの人が書いているのであれば、この人は、天文学
    者で、エンジニアでもあり、物書きという、かなり稀有な存在の
    ように思います。

    下巻はハッカーがどこにいるのか分かったあたりから始まります。
    が、上巻から引き続き、腰が重い各国家施設。この責任感の押し付け
    感はアメリカならではという気がします。
    今の日本もアメリカナイズされてきて、このような責任の押し付け
    が至る所でも見られるようになりましたが、この時代の日本であれば
    ここまで各機関が押し付け合いでもなかったように思いますが、実際
    に国家施設はどの国も一緒なのでしょうね。
    だからこそ、国家が運営している期間は、技術進歩が遅かったり、対応
    が遅かったりするわけで。
    勿論、国が運営すべきものはあり、それらは国がやるべきですが、それ
    以外は民営化するのが、文明の進歩には有意義なのかもしれません。
    ただし、日本は民営化のタイミングをおもっいっきり間違えていると
    お思いますが。。(需要と供給の問題で、民営化は供給を増やす事であり、
    デフレは供給が需要より勝っている状態。つまり、デフレ(供給過多)時
    に供給を増やしているんだから。)


    とまあ、本書と関係ない話になってしまったので、話を戻します。

    国家機関の腰の重さはありますが、根気よく追跡を続け、何とかハ
    ッカー逮捕まで行き着きますが、その終わり方も、インターネット
    犯罪ならではの終わり方という感じがします。
    (もやっと終わって、次巻が経過した頃に、事件の全貌がやっと見える
    という感じです。)


    少し昔のお話ですが、ネット犯罪の追跡方法や分析方法などは、普遍的
    であると感じます。
    (いつの時代のどんな場面でも有効なおとり作戦など)

    以前から読みたかった本なので、楽しく読ませて頂きました。
    ありがとうございます。

    ■気になった点

    ・肝心なのは、どちらのコンピュータが早いのか、優秀なのかでは
     なく、求める結果を得るにはどちらがいいのか?である。

    ・何でも見てやろうの精神である。これなくして進歩はありえない。

  • 信頼を壊すのは悪って覚えておこう

  • ハッカーの足跡を追い続ける著者。
    次第にハッカーが外国にすんでいる何者かであることまで突き止め、問題は国際的に膨らんで行く。
    ついにはCIAまで動き出し、著者個人の手を離れていく。
    ノンフィクションならではの、現実的な結末。しかし、それまでに繰り広げられたやり取りには、今の時代においても大いに役に立つ事柄が多く含まれている。

  • 26.物語としてはイマイチ。人物沢山。ネットワークはお互いの相互信頼に基づくものである。外部からのブロックがいくら出来たとしても、内部にもその信頼性は求められる。一つのシステムに依存する危険性も示唆。

  • 課題図書その2。

    ***********
    ①縦割り組織の弊害
     組織の立場、管轄にとらわれざるを得ない仕組み
    ②記録の重要性
     記録しておくことで、後で証拠になったり、検証する材料になる
     起こっていることを説明するのに役に立つ
     ⇒記録を客観的に分析して、構造を理解する必要がある
    ③多様性はウィルスに有効
    ***********

    上記①②はそのまま仕事に活かせますね。

  • IT技術者、あるいはSF好きであれば、より興味深く、味わい深く読むことができることは確かだが、それだけではない。一般の方にも十分に愉しむことができるだろう。
    何故なら、この話は事実であるということ、そして現在の社会において、ネットワークに関わらず生活することは、ほぼ不可能であるいじょう、私たちは皆当事者なのだから。

    技術者兼天文学者の著者のプライベートが垣間見えるエピソードも中々面白く微笑ましい。お二人末永い幸せをを心から祈りたい気分だ。

  •  アメリカ人天文学者、クリフォード・ストールによる作品。自らのハッカー追跡の経験を描いた、ノンフィクション小説。著者はユーモアたっぷりで、学者とは思えないほど文章がうまく、読者を作品の世界に引きこんでいく。
     ちなみに筆者はTEDにも出ている。
    http://www.ted.com/talks/lang/en/clifford_stoll_on_everything.html
    これを見ると、どのような人物か、わかっていただけると思う。

  • 上巻を読んだときからもそうは思っていたのだが

    この本はきっとノンフィクションではないのかな?

    と思わせるような展開が待っている。


    へたなスパイ小説よりワクワクドキドキする。



    事実は小説より奇なりを地で行くようなドキュメンタリーである。

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著者プロフィール

クリフォード・ストール(Clifford Stoll)
1950年、ニューヨーク州バッファロー生まれ。ニューヨーク州立大学を経てアリゾナ大学で博士号取得。天体物理学者。ローレンス・バークレー研究所のシステム管理者だった1986年、同研究所のシステムを経由して軍関係のサーバへの侵入を繰り返すハッカー発見、追跡。この事件は世界的に報道され、自身の体験をまとめた本書はベストセラーとなった。のちにハーバード・スミソニアン天体物理学研究所に勤務、現在はバークレーに戻って家族と三匹の猫とともに静かな暮らしを愉しんでいる。著書に『インターネットはからっぽの洞窟』『コンピュータが子供たちをダメにする』(ともに草思社)。

「2017年 『文庫 カッコウはコンピュータに卵を産む 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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