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- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794210944
感想・レビュー・書評
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挑発的なタイトルだけど、中身は中世に生きた人の紹介。教科書には載っていない、エネルギッシュな人が居たことを知れて良かった。
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先年に新書のヒットこそあったが、そう聞いて下手するとヨーロッパが連想されるほど、地味な(日本)中世史。本書は、その時代に生きた人たちを、かの時代の専門家が取り上げたものである。
これがなかなか読みやすく、わかりやすく、元の掲載誌では原文を引用していたところを「読者の便をはかるため、一部は思いきって意訳した」という親切設計。マイナージャンル(失礼)の一般書は、こうでなければ。
主人公たちは以下のとおり。
法印尊長:後鳥羽上皇側近。承久の乱のブレーン。
京極為兼:伏見天皇の腹心。持明院統の浮沈に翻弄された名歌人。
雪村友梅:紆余曲折の末に来日した元朝の高僧の薫陶を受けてかの地への憧憬を募らせ、弱冠十八歳で海を渡るが…ここまでで、起承転結の「起」にすぎないのが凄い。
広義門院:後伏見上皇(譲位後の婚姻)の女御。当時六十を超えた女院が、「治天の君」となった経緯とは。
願阿弥:著者いわく「室町のマザー・テレサ」(でも男)。
足利義植:第10代将軍。私は初名しか記憶していなかった。その後、ここまでいろいろとあったとは。
歴史好きなら、日本中世史に暗くとも楽しく読めるだろう。おすすめ。
2018/10/29~11/1読了
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