野宿入門

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794217769

感想・レビュー・書評

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  • 野宿入門
    ちよっと自由になる生き方

    かとうちあき著
    2010年10月1日
    草思社発行


    「29歳、独身、女。風呂は、まだない。」
    これがこの本の書き出し。出版は2010年だから、今はアラフォーのはず。まだ、風呂なしの部屋住まいだろうか。

    初めて野宿をしたのは15歳らしい。中学生の時から憧れていたとのこと。
    野宿には終電を逃すなど「しょうがなしにやる野宿」と、積極的に行い愉しむ「野宿旅行」などがあるが、「しょうがなしにやる野宿」からはじめ、ステップを踏んで「野宿力」を高めてゆくことを薦めている。

    こう書くと、バックパッカー的な貧乏旅行風の野宿を連想しがちだけど、そうではなく、近所の公園へ出かけて野宿するなどの計画的、積極的野宿もある。現に、最後、母親を実家前の公園で野宿しようと誘うと、「近いし、いいわよー」とあっさり母親が乗ってきた思い出が書かれている。母親と近くの公園で野宿とは、楽しそう。

    野宿の楽しさや意義なども書かれているが、野宿の具体的なノウハウもいっぱい書かれていて役立ちそうである。
    まず、終電を逃すなど、準備をしていない野宿においては、下に敷く物が一番大事だと書かれている。新聞紙、段ボール。
    次に大事なのがトイレ探し。寝入る時はいいが、寝ている途中でトイレに行きたくなることをしっかり想定しないといけない。ど深夜のトイレ探しは大変。
    公衆トイレはその周辺の治安をあらわす、らしい。例えば、「夜露死苦」などと落書きしてあると、ヤンキーが出没する危険性がある。
    「トイレを制すものは野宿を制す」だそうだ。

    映画館のレイトショーでよく顔を合わせる男性と飲みに行き、終電を逃したことがあるらしい。結局、2人は公園で野宿をし、その後、恋に発展してしばらく続いたとのことだ。

    野宿中に警察官に見つかると、家出少女と疑われて警察に連れて行かれて家に連絡させられる時期があった。しかし、交番が近くにある公園で、警察官にあそこで野宿しますと断っておくと、夜中の見回りで異常かないかどうかちゃんとチェックしてくれることがあったとも書いている。巡回中の警察官がライトでさっと照らし「よし」と確認するのを薄目で見ていたとのこと。

    四国巡礼の旅では、野宿のほうが宿を使うより大変だからご利益がある」と野宿遍路をしている人がいる。

    コインランドリーの閉店時間に野宿させてもらうという意外な選択肢もある。もちろん、経営者に許可をもらってのこと。

    なかなか野宿も奥が深い。

  •  野宿をするために必要な道具や、どういった場所を選ぶべきなのかなど、野宿初心者に向けて、作者の実体験を交えてフランクに野宿が進められている。
     イラストはあるが少ない。

  • 計画的な野宿と、仕方なくな野宿。 2種類あるそう
    野宿でサバイブする知恵を求めて読んだのですが、ハウツーよりも、野宿の良さを語った本でした。
    【メモ】
    雨が降った時のシェルターはバス停、駅(駅での野宿をSTBというらしい)、寺、神社が良い。
    寺より神社の方が忍び込みやすい。けど神社は山中に多くあるので怖いらしい。

  • これからちょうど良い季節ではあるな…

  • おもしろかった~。(^w^)
    野宿ってなんだ?って感じで読み始めたんですが おもしろかった~。
    野宿を通して自分を再確認したり 人間観察したりできるんですね。消極的な野宿は 笑ってしまいました。飲み過ぎて終電逃したのに寝袋持参だ? 可笑しすぎます。
    野宿をする予定はないけれど 野宿をした気分になれました。

  • 「人生をより低迷させる旅コミ誌」がキャッチフレーズのミニコミ誌『野宿野郎』編集長(当時)のゆるゆる野宿エッセイ。
    ※この本は2010年刊です。

    女子高生の頃から家出と間違われつつ野宿する変わり者はアラサー(当時)になっても野宿好き。
    野宿っていいじゃないか!野宿も選択肢に入れてくれたっていいじゃないか!
    とにかくもうなんでもいいじゃないかやってみれば!
    という、途中から説明するのはめんどくさい感じすらするゆっる~い文体でサクッと読み終われます。
    場所は選んでるとはいえ、犯罪に巻き込まれなくてラッキーだし、場所を選べば大丈夫って日本マジ安全……とか思いました。
    『酔って記憶をなくします』と同じ引出しに入れといた。

    装幀 / 小栗山 雄司

  • 終電がなくなるまで仕事をしたり、酒を飲んだりしたら、私の場合はだいたい職場に泊まることが多かったです。あとは、ホテル(カプセルホテル)に泊まるかタクシーで帰るか・・・。若い頃ならオールナイトの映画館ってありましたがw。漫画喫茶やカラオケ、24h営業の店で過ごすオプションは考えなかったです。著者のかとうちあきさんは野宿を楽しんでいらっしゃいます。高校の時、15歳で野宿デビューし、それから10数年、趣味としての野宿をされてるそうです。グッズや心得など書かれてますが、安全な場所でしないと危険ですね。

  • 20170501

  • 内容紹介
    お金がなくても休みがなくても大丈夫! 話題のミニコミ誌『野宿野郎』の編集長が、日常を「非日常」に変える野宿の魅力を、これまでの野宿エピソードを交えつつユーモラスに綴る。

    前に「あたらしい野宿」を買って、とりたててなんという事も無かったのですが、こういう本は本棚に有る事が重要なので満足でした。野宿を楽しむ入口としてというよりも、こういう事を楽しく真剣にやっている人とは美味しいお酒が飲めそうだなあと思います。実際野宿飲み会やってみたいなあと常々思っているのですが、そういう人は山で飲み会やっているのかも。この間低山で飲み会やっている人がTVで出ていましたので。

  • 野宿用の寝袋の買い方には
    笑えます
    店員さんに 素直に言わないと
    山登り用の高いやつ
    勧められちゃうんですね
    見え張ったらアカン
    野宿はここから始まってるんだ

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著者プロフィール

1980年、神奈川県生まれ。人生をより低迷させる旅コミ誌『野宿野郎』編集長(仮)。著書に『野宿入門』(草思社)など。好きな盆踊り会場は「錦糸町の河内音頭」、好きな音頭は郡上おどりの「猫の子」

「2015年 『今日も盆踊り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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