文庫 去りゆく星空の夜行列車 (草思社文庫)

著者 :
  • 草思社
3.33
  • (1)
  • (2)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794221056

作品紹介・あらすじ

豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」がまもなく引退、「北斗星」も姿を消す見込みとなった。夜汽車にゴトゴトと揺られて、日本列島を旅する――憧れの存在として、あるいは長距離移動の手段として長く愛されてきた夜行列車。だが、いまやその体験は幻になりつつある。失われた旅情を求めて、すでに姿を消した「富士」「さくら」などの伝統あるブルートレイン、青春18きっぷで乗れる快速「ムーンライト」シリーズ、そして憧れの「カシオペア」最高級スイートの一夜まで、著者が体験した19の夜行列車の旅を綴る。路線図や時刻表をたどりながら、去りゆく夜汽車の紙上乗車体験を。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  ブルートレインという夜行列車が走っていたころの話である。全国の夜行列車の乗車レポートを中心としたエッセイだ。私はかろうじていくつかの列車に乗車した世代だが、いまは新幹線などの高速鉄道や格安の高速バスに代替されてなくなってしまった。
     寝台特急は料金的にはそんなに安くはなかったが、それでも航空料金よりは安かったのと一泊代減らせるのが魅力だった。ただ、揺れと列車音のなかではなかなか寝付けず、深夜に何度も目を覚まして車窓をみると、知らない駅の名前が書かれたホームだったりした記憶がよみがえってきた。
     ハイケンスのセレナーデのオルゴールがあったこともこの本を読んで思い出した。いまは客車を牽引する列車自体がほとんどなくなってしまった。銀河鉄道999どころか地上を走る客車列車に出会うことがSFのように感じてしまう。

  • 夜行列車の雰囲気って、うまく言えないけど独特な感じがして、それがよく伝わってきました。

  • 寝台列車にはいまだに乗ったことがない。「サンライズ瀬戸」が登場したころに、乗ろうと思い、チケットも取ったのだが、事情によりキャンセル。夜行列車は大学時代に新宿から松本方面への普通電車に乗ったのが唯一の体験。
    そんなことを思い出しながら、この本を読了し、確かめてみると、もうこの本に登場している列車はほぼ存在していないのであった。夜行バスには勝てません。

    最近、スーツ姿の若き乗鉄くんの動画をよく見かける。そこで「サンライズ」が出てくるたびに、何とか乗りたいものだと思う。

  • 20150621読了
    #鉄道

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

昭和50年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒業、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻博士後期課程単位取得退学。日本及び東アジアの近現代交通史や鉄道に関する研究・文芸活動を専門とする。平成7年、日本国内のJR線約2万キロを全線完乗。世界70ヵ国余りにおける鉄道乗車距離の総延長は8万キロを超える。平成28年、『大日本帝国の海外鉄道』(現在は『改訂新版 大日本帝国の海外鉄道』扶桑社)で第41回交通図書賞奨励賞を受賞。 『鉄道と国家──「我田引鉄」の近現代史』(講談社現代新書)、『旅行ガイドブックから読み解く 明治・大正・昭和 日本人のアジア観光』(草思社)、『宮脇俊三の紀行文学を読む』(中央公論新社)、『アジアの停車場──ウラジオストクからイスタンブールへ』(三和書籍)、『「日本列島改造論」と鉄道──田中角栄が描いた路線網』(交通新聞社新書)など著書多数。日本文藝家協会会員。

「2022年 『アジアの一期一会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小牟田哲彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×