コールダー・ウォー: ドル覇権を崩壊させるプーチンの資源戦争

  • 草思社
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本棚登録 : 72
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794221315

作品紹介・あらすじ

東西冷戦をしのぐ米露の熾烈な戦いが始まっている。プーチンは今、膨大なエネルギー資源を武器に強力な資源外交を展開している。狙いは資源取引のドルベース・ルール(ペトロダラーシステム)に変更を迫り、アメリカ覇権を転覆させることだ。その長期戦略はもはや経済制裁や原油安では阻止できない。米国有数のファンドマネージャーが資源開発現場で得た最新情報をもとに、ドル崩壊の危機を予測した全米ベストセラー!

感想・レビュー・書評

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  • ぷーたんの経歴や貨幣史、石油産業史、ペトロダラーとドル基軸通貨システムまで盛り込んでるのでかなり書き飛ばし気味だが自分の知識の範囲ではそんなぬ間違いはないかなあ。学術書ではないし。詳しくは各テーマの専門書読めばよか。

  • プーチンがとち狂ってからやたらこの本のコマーシャルが入ってきてつい借りてしまいました。わりとロシアン寄りの人がお薦めしているような気がするの不思議。まあ読むと8割方プーチンさんの話で写真のオバマさんなんてぜんぜん出てこない。

    ウクライナ問題! ぜんぜん知りませんでした。1000年くらい前から揉めているらしいですが、近いところの話としてはノータリン・スターリンのホロドモールが分断を呼んでいるっぽい。そこにロシアンの石油を欲したナチス・ドイツが攻め込んできたので「行けヒトラー!」となっちゃったウクライナ人もいて今に至ると。

    でもどうなんだろう? 戦争中だぁなにがホントかわからない。ただ間違いなく言えることはエネルギー問題。ロシアンたくさん持っているわけでねぇ、余裕あるはずなんだがなあ。この本が書かれた2014年までのプーチンさんは「世界制覇」できそうなんですよ。頭脳明晰の国益主義者でね。ヒーロー扱いしたくなっちゃう人がいても不思議じゃない。が、どっかで蹴躓いちゃった。体調問題からくる焦りなんでしょうかはたまた西側諸国による工作が効いたのでしょうか。いずれにしても酷い結末になりそう。

    とかいってぜんぶ終わったら日本ひとり負けとかありそうで怖い。だってこの本ったら日本のことなんてあんまり書いてないけれど、こないだの我孫子さんの『少年時代』を『壮年時代』に書き換えたって感じなんだもん。つまりは核とエネルギー資源を持たなきゃ国として無理ってお話。食糧までも他国に頼る日本つらい。今こそお米と塩とジャガイモたくさんつくって備えて欲しいっていうのがあたしの正直な気持ち。

  • プーチンの戦略を分かりやすく示している良書。西側諸国から見るとロシアは一見不気味な資源国というイメージがあるが、社会主義が崩壊したのち強いリーダーシップでロシアを再現したプーチンには一貫した戦略があった。アメリカを最強たらしめているペトロダラーシステムを、アメリカ自身の制裁によって弱めているというのは皮肉だ。中東でのロシア外交の考え方、根底にある思想を理解した上で日々のニュースを見るとまた違った視点で世界を見ることができる。

  • ★ロシア・中東情勢を資源を補助線に読み解く★単に資源を持つものが強いのではない。米国はサウジを守る代わりに、ドルで決済させることで、基軸通貨国として通貨発行益を享受できる仕組みを築いたを指摘する。それを奪い返すためにプーチンは資源戦争に乗り出しているのだと。

    エネルギーという切り口から読み解く世界情勢は非常に明快。長期で政権を握るプーチンだからこそ、長期的な戦略を立てられるという。シェールガス・オイルへの言及が少なかったが、米国が巨大な輸出国になるわけではないので、イランやCIS、アフリカとつながりを強めるロシアにとってはそこまで大きな問題ではないのか。

    足元の原油安の影響はどう分析するのだろう。中東の産油国の混乱は米離れの契機となりうる点で、お膝元のロシア経済の低迷を耐えられれば、レジームチェンジの可能性が高まっていると見るべきか。

  • 貧しい子供の多くがそうであるようにぷーちんあhスポーツに打ち込んだ。エリツィンがプーチンを後継に指名したことは誰もが驚いた。
    プーチンの外交は強引であるが、柔軟な態度も見せ、無用な対立を避けている。

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著者プロフィール

マリン・カツサ(Marin Katusa)
ケイシー・リサーチセンター・エネルギー部門主任研究員。エネルギー産業に特化した投資ファンドマネージャーとして大きな成功を収める。世界各地の資源開発現場に飛び、第一線の最新情報を持つ。「ケーシー・エネルギー・リポート(Casey Energy Report)」を執筆、多くの講演をこなす。『フォーブス』、ブルームバーグ、CNBCなどへの寄稿多数。ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)卒業。

「2022年 『文庫 コールダー・ウォー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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