ネガティブな感情が成功を呼ぶ

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794221384

作品紹介・あらすじ

怒りは想像力の燃料となる、罪は改善を促す、自己暗示こそがパフォーマンスを向上する、わがままは勇気の源だ、非情(マインドレス)がよりよい決断につながる̶̶。ポジティブ心理学の若手精鋭研究者による、心のネガティブな面がもたらす効用に関するユニークな論考。どのような状況にも素早く対処できるように、あえていろんな感情に目を向ける力を持つこと、ありのままの自分と付き合うことの大切さをわかりやすく説く。

感想・レビュー・書評

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  • たぶん思春期頃から、自分は人一倍ネガティブな人間なんじゃないか、と思うようになりました。
    祖母が赤ちゃんの時、彼女の母親(私の曾祖母)が自死したので(竹内結子さんと一緒)、遺伝的にメンタル弱いかも…と。
    病気になったら嫌だから、たくさんその関係の本を読んできました。

    それで、だいたい方向は決めていたのですが、
    この本は180度とまでは行かないけど
    ちょっと考え方を変えるべきーという内容。

    ・「快適中毒」になると、ネガティブ経験に対する免疫力が低下する
    ・ネガティブな感情も資源であることが顧みられていない
    ・幸福を追求することが人を弱くしかねない
    ・マインドレスな心理状態には利点がある。マインドフルネスと交互に活用すればなお有益だ
    ・困難複雑な対人関係においては、マキャベリズム、ナルシシズム、サイコパシーなどの特質が有利に働く
    ・ありのままの自分の少々不快な部分を、わずかの間でも、単に受け入れるだけでなく、積極的に活用すれば、真の成功と「ホールネス」を手に入れるチャンスを最大にできる。そうやって得られるものは本物の幸福であり、弱々しいハッピーな状態ではない。

    確かに振り返ってみると、ネガティブな経験があったからこそ、上手くいったことは山ほどあります。
    しかし、だからといって、今後ネガティブなことを積極的に利用していこう、というのは自分にとっては違うかなと思いました。

  • 目からウロコ。ホールネス、すなわちマインドレス、ネガティブ、マキャベリズム、ナルシズム、サイコパシー、怒り、恐れ、罪悪感をうまく活用する方がうまくいくことも多いことをしめしている。
    本書がしめすのは、マインドフルネス↔︎マインドレス、ポジティブ↔︎ネガティブをうまくその状況に合わせて選択できた方がパフォーマンスが上がるということである。
    自分もそうなのだが、こういう本を読むと「ポジティブ」な言葉のスローガンばかりに目がいく。無意識でポジティブは正しく、ネガティブは悪いというレッテル張りをする。そもそもそれが認知の歪みを生み、我々を真実から遠ざける。
    本書でも言及しているのだが、コンフォートや状況になればなるほど、その精神的な耐性は下がる。若い頃の苦労は一生の宝だというが、苦労はすればするほど成長の糧になる。「可愛い子には旅をさせよ」とはよく言ったものである。
    幸福を追求すれば逆効果になる。自己中心的な思考に陥れば、他者との関係性が悪くなるからである。
    恥を感じるよりは罪悪感を感じる方が良い。自責であることを素直に認める方が対処も正しくなるからである。
    ヘリコプターやモンスターな親が多くなったと言われるが、悪いものを認めないから悪くなる、の典型なのだと思った。
    定期的に読むべき本である。

  • ネガティヴ感情は抱いて当たり前と言う
    事実を、論議的に記されている。

    「不快情動耐性」心理的不快感に耐える能力
     「ホールネス」結果的に幸福
     良い感情、悪い感情を行き来する
    「アダプティブ・アドバンテージ(変化に適応するための優位性)」
    ・一つに固執するのではなく、さまざまな感情に目を背け、有用性を考え、良いところ取りをする能力

  • まず認識して、あとは無意識にまかせる

  • ネガティブな感情は力になる!
    これだけで勇気が湧いてきますね!

    途中、ちょっと中弛みのある内容だったけど、特に最終章はとてもよかったです!

  • ネガティブな感情の良い側面と活用法を知れて良かった

  • レビューはブログにて
    https://ameblo.jp/w92-3/entry-12733032733.html

  • 最終的にはマインドフルネスと同じことを言ってそうだったが、ネガティヴとの向き合い方、というところが参考になりそうかな、と思った。

  • ネガティブな感情も大切です。無理に抑え込もうとするものではありません。

  • ネガティブな資質などに気づき、価値を理解し、ここぞというときに活用すればよい。それによって幸福を手に入れる可能性は広がる。

  • 結局、たどり着くところは自己肯定感を良しとする内容(本)と一緒かな
    バランスを言っているだけで。

  • P272
    子どもが自由に行う遊びは、情動的、社会的、精神的な敏捷性を発達させるという点で、大人が指導して行う計画された活動よりはるかに優れている。

  • ネガティブ感情は無条件に悪いものと思いがちだったが、この本を読んで使いみちを知れて良かった。

  • ネガティブだと言われる感情も良いことにも悪いことにも転ぶ事がある
    感情のラベリング、言葉は大事。

    退屈は洞察や発見の前段階と見るヒンドゥー教や仏教の考えは面白い

  • この本に出会えてよかった!

    ネガテイブ感情は悪いものではないという考えがあるのは知っていたが、具体的にどんな利点があるのかをまとめてくれている最高の一冊!
    それだけでなく、ACTにも似た考え方や自己受容、受け入れることの重要性を改めて実感させてもらった。
    罪悪感と恥、新規性と安定性、楽しさと意味、いろんな知識を持てた。
    是非読んでほしい一冊!

  • ポジティブ一辺倒だとネガティブ感情が生ずるのを恐れて動けなくなるし撃たれ弱くなるよ。
    ネガティブ感情はときに集中力を増したり、リスクを察知して対策を立てさせたりする機能があってうまく使えばとても役に立つよ。
    だからネガティブ感情も受け入れよう。

    わたしが重要だと思った知見は、感情は機能である。という発想です。おおむね幸福感は動機づけ、不安は回避や対策、怒りは要求をとおす…といった行動を遂行する助けとなります。
    これらは手段であって目的ではありません。ですから、「幸福になりたい」と思うのはすこしズレている。

    ほかには無意識の処理システムの再評価とか、ダークトライアドもたまには使えるよとか。

  • ネガテイブな感情は単に害ではなく、有効に使えば有益になるという言説は知っていたが、幸福も害になる場合もあるという事実は初めて知った。結局は、人間の感情もバランスが大切ということだろう。一つ気になった点は、やたらとナルシスト気質な人間を持ち上げていたことだ。ナポレオンやエジソン、カーネギーらは、ナルシスト気質の良い特徴である、リスクを恐れず創造的で魅力的な面を持っていたため、成功したとのことだ。しかし、現実的には、ダメなナルシストの方が圧倒的に多いのでは?と思ってしまった(笑)

  • やっと読み終わった。
    後半から難解だったので読むのに苦労しました。(^_^;)
    文章を何度も咀嚼して、飲み込んで、
    反芻したりもしてみたけど、
    果たして血となり肉となっているのか?
    .
    ただ一つ、分かったのは僕は割とネガティヴな感情を上手に使えてるって事。
    この本に書いてる用語を使うと、
    『テディ効果を使うサイコパスなナルシシスト』
    笑。
    .
    退屈な時間にどう向き合うか?
    むしろ『どう使うか?』と考えた方がいい。
    例えば、スマホがあればいつでもどこでも退屈を消す事が出来る。
    しかし、スマホに【遊んでもらう習慣】が付くと、
    退屈だけではなく何かにつけ情動経験を避けるようになる。
    分かりやすく書くと、
    不快な感情が生じそうになると防衛的になり、それから逃げるようになる。
    結果、それによって生じる成長のチャンスにも出会えない。

  • 幸福ばかりを追い求めない。

    ネガティブな感情を抑圧せず、正しく識別できるかが大切。

    今をしっかり生き、日々の生活の中で今の「楽しさ」を味わいつつ、「意味」ある未来に向けて踏み出す。

  • 「しかしお察しの通り、我々著者は、諦めること(強い不快感を伴う行為)が悪いことだという考え方に胃を唱えようとしている。(中略)イリノイ大学の研究者エヴァ・ポメランツは、何かの目標に努力や資金を投じすぎると、不安が急速に高まって、心理面の『生活の質』が損なわれると説明している。目標を達成できなかった時の悪い結果を想像して自分を奮い立たさせている人は、特にその傾向が強いという。」p.36

  • これを読むといかに自分が幸福ボケな人なのか思い知った。だから精細にかけ失敗が多いのだ。反省

  • ある意味、地に足がついた話だと思った。ネガティブな思考をネガティブだと捉えない。

  • ネガティブな感情、ダークな感情との付き合い方がイメージできました。

    読み終えた今、原題がしっくりきます。

    ネガティブな感情がもたらすことは何か、
    目を背けることで起こってくることは何か、
    向き合うことで得られるものは何か。

    ポジティブやネガティブに偏るのではなく、両方を活用すること、ホールネス(全体性)が大切であること。
    興味深い一冊でした。

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著者プロフィール

“ポジティブ心理学界のインディ・ジョーンズ” の異名を持つ。『ジャーナル・オブ・ポジティブ・サイコロジー』誌編集委員。Positive Acorn 社代表。著書に『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』(草思社)『勇気の科学』(大和書房)など。 

「2016年 『ポジティブ・コーチングの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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