スイカのタネはなぜ散らばっているのか: タネたちのすごい戦略

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 123
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794222985

作品紹介・あらすじ

すべての植物は、子孫を残し、繁栄していくために「タネ」に秘密を持っている。綿毛で上空1000メートルを浮遊するタネ、時速200キロ超で身から噴射されるタネ、殻に守られ数千年後でも発芽可能なタネ……。台所で捨てられるスイカやリンゴのタネにだって、子孫繁栄のための秘密がある。さあ、種の不思議な世界をのぞいてみよう!美しい細密画、約60点収載。

感想・レビュー・書評

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  • お馴染みの稲垣栄洋さんのいろいろな植物のタネについての愉しいエッセイだ。「風で旅するタネの話」「動物に運ばれるタネの話」「まかれるタネの話」「まかれないタネの話」「時を超えるタネの話」「食べられるタネの話」「豆と呼ばれるタネの話」「芽生えで食べられるタネの話」「油を取るタネの話」「果実のタネの話」「野菜のタネの話」「植物にとって種子とは何か?」「番外編 すごい種子」とまあ盛りだくさんである。タネというのは何て上手く仕組みができているんだろう、それにしてもバラエティーに富んでいるなあと感心しきりである。いつものユーモアはちょっと控えめかな。

  • それぞれの植物の「タネ」の特徴から、各植物の生態や特性を紹介している本です。
    全体として、何か確固たる主張をもって論じているものではなく、雑学豊富な植物図鑑、というイメージでしょうか。
    それぞれの植物について、精緻なイラストが描かれていることに加え、ひとつの植物について2~4ページで簡潔にまとめられていること、また身近な植物が多く取り上げられていることなど、とても読みやすい構成になっています。

    特に夏の時期によく飲む麦茶の原料である「オオムギ」の特徴や「六条麦茶」の”六条”の意味、「モヤシ」という野菜について、「モヤシ」という名前の植物はなく、タネを「萌やし」たものが「モヤシ」であり、流通しているモヤシの多くはリョクトウ(緑豆)やダイズ(大豆)であることをはじめ、知らなかったことにも多く触れることができ、楽しく読むことができました。

  • タイトルは、カボチャやメロンは中央部の一か所に集まっているのに、なぜ?という内容。
    植物の種戦略。
    豆類の種は双葉をしまい込んでいる。
    「う」の字のように苗が伸びてくるのは頭を守って背中で土を押しのけるため。
    大根、したと上で味が違うのは、下が「根」。上は「胚軸」だから。
    ソラマメの「お歯黒」は人間でいえばヘソ。栄養をそこからもらっていた。
    落花生の種は豪雨時の濁流で水に浮いて移動して繁殖する?
    ハス、雄しべとめしべがごちゃごちゃしている古代植物。
    植物は進化の過程で花弁や雄蕊・雌蕊の数を整理した。

  • タネたちはがんばっている。。。
    台所で捨てられるスイカやリンゴのタネにだって、子孫繁栄のための秘密があるのです♥

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/watermelon_seeds.html【書評】『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』 : なおきのブログ

    <目次>
    風で旅するタネの話
    動物に運ばれるタネの話
    まかれるタネの話
    まかれないタネの話
    時を超えるタネの話
    食べられるタネの話
    豆と呼ばれるタネの話
    芽生えで食べられるタネの話
    油を取るタネの話
    果物のタネの話
    野菜のタネの話
    植物にとって種子とは何か?
    すごい種子

    2018.07.27 借りる
    2018.08.05 読了

  • スイカのタネが散らばっていることと、スイカは中心に近いほど甘いことには、つながりがあります。
    中心に近いほど甘くすると、その途中を食べてもらえます。
    つまりは、スイカは、タネを食べてもらうために、中心部が甘く、そして、その周りにタネが配置されているわけです。
    食べられたタネは、消化されることなく、どこか遠くに運ばれて、糞として排出され、そこで発芽して育って、新たな実をつける、というわけです。

    うまくできているものです。

    ちなみに、この本は、スイカ以外のタネの戦略についても、いろいろ紹介しています。
    著者の生物観には、若干違和感がありますが、ネタはなかなか面白かったです。

  • 表題のスイカに目を引かれたけれど
    飛ばしたり、食べられること前提でとか、すぐには発芽しないように殻に閉じこもったり
    …と諸々の種の戦略(?)がわかります。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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