生と死を分ける数学: 人生の(ほぼ)すべてに数学が関係するわけ

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794224705

作品紹介・あらすじ

感染症の蔓延から検査の偽陽性・偽陰性、
ブラック・ライブズ・マター運動や刑事裁判のDNA鑑定、結婚相手選びまで。
重大事のウラに、数学あり。

数学は、あなたの人生のそこかしこに入り込んで、生殺与奪の権利を握っている。
生きるも死ぬも、数学次第なのだ。
実際、数学を知らないために、あるいは数学を誤用したために、
命を落としたり、財産を失ったり、無実の罪を着せられたりした例が、どれほど多いことか。
逆に、簡単な数学を少し使えるだけで、マスコミや政治家の嘘を見破ったり、
詐欺に巻き込まれるのを防いだり、健康診断の結果を正しく理解したりできるようになる。
さらには、理想の結婚相手を選ぶのにも役立つかも……。
数理生物学者でもある気鋭の数学ライターが、数々の事例を紹介しながら、
あなたの人生と数学の関係を解説する。


○乳がん検診で「再検査」と言われたら心配すべき?
○蔓延を抑えるワクチン。人口の何%に打てばいい?
○「加工肉で大腸がんリスクが1.2倍」心配すべき?
○最良の相手と結婚するなら何人目まで見送るか?
○2進法と10進法の変換による「丸め誤差」で戦死
○DNA鑑定の一致確率「300万分の1」は信頼性十分?
○実は、平均寿命よりも長生きする人のほうが多い
……内容より

感想・レビュー・書評

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  • 理系的な概念はなじみが薄かったり、学校を出ると忘れてしまうもののようで、身の回りの物理現象を解説したり、科学的知識が生活にどのように応用されているのかを書いた一般書が増えてきているように感じる。その手の本では数式が苦手な人でも分かるようにアナロジーによって説明をしているが、この本でも図や表が多くある一方で数式はほとんどないので、とっつきやすいと思う。

    内容について、指数関数的変化(原子核反応や放射線年代測定)や記数法・単位換算(メートル法とヤードポンド法)などはこの本でなくても耳にする機会があると思う。この本が差別化されているのは、偽陽性・偽陰性の概念や数理的な病理モデルの説明に紙面の多くを割いており、新型コロナウィルスの拡大前に書かれている(言語版の出版は2019年)にもかかわらず、本の内容に現実が大きく関係しているところにある。それだけでなく、メディア上で使われる統計値の解釈や、ネットショッピングのお勧めなどに関係する最適化問題などにも詳しく書かれている。ニュースでよく耳にしても、文字情報として解釈しなおすと腑に落ちるところが多くある。個人的には、P=NP問題について書いてあるところが一番の収穫だった。

  • もうちょい読めるかと思ったけど、思ったより頭に入ってこなかった…
    例としての具体性は高いのだが、数値を恣意的に騙らせるというメソッドについて学ぶには感覚的には紙面が分厚い。

  • [雑に要約]
    実験や調査結果に基づいて数字で示された定量的なデータは、一見信頼性が高く見えます。しかしそのデータは、データを用いている人物の都合の良いように編集されているかもしれません。示された数字を鵜呑みにするのではなく、数字が導き出された過程を理解することで、適切な判断を下して行動できます。
    [感想]
    最近数学的リテラシーの重要性を感じて読みました。身の回りの出来事に隠れて存在する数学の有り難みを理解できました。難解な数式は出ないため文系人間にも取っ掛かりやすかったです。ただ文章だけだと上手く飲み込めない部分もあり、途中で引っ掛かることもありました。しかしながら数学との距離を縮められた感覚はあります。ページを跨ぐトピックでは、前のページと同じ図を載せてくれている配慮が地味に嬉しかったです。

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC02895308

  • <学生コメント> 
    物事にからんでくる「数字」。これを正しく見抜いたり、使えることで人生は大きく変わると数理生物学者である作者は言います。詐欺を防ぎ、大衆向けの言葉の欺瞞をしり、理想の結婚相手を選ぶために(!)
    数字の視方を学べる本です。

  • The Maths of Life and Death:
    Why Maths Is (Almost) Everything
    http://www.soshisha.com/book_wadai/books/2470.html

  • 数学が社会がいかに関わっているかを、さまざまな視点から説明している。数学に依存する社会で様々な数値まみれの情報に曝されることが多い中で、数理的な視点で説明していて数式はあまり登場しないが、当方の前提知識がないためか内容は難しく感じしました。

  • 数字は盛りやすく、その真偽を確かめている時間はたいていの人にはない。言いたいことはわかるのだが、その計算過程をじっくり読まねばならず、いささか疲れた。こんな本を読もうと思った自分でもそうなのだから、たいていの人は数字を疑わないだろうな。

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著者プロフィール

キット・イェーツ(Kit Yates)
英バース大学数理科学科上級講師であり同大数理生物学センターの共同ディレクター。2011年にオクスフォード大学で数学の博士号を取得。数学を使った彼の研究は胚形成からイナゴの群れ、睡眠病や卵殻の模様の形成にまでおよび、数学が現実世界のあらゆる種類の現象を説明できることを示している。とくに生物におけるランダム性の役割に関心を持っている。その数理生物学の研究は、BBCやガーディアン、テレグラフ、デイリーメール、サイエンティフィック・アメリカンなどで紹介されてきた。研究の傍ら、科学や数学の記事も執筆、サイエンスコミュニケーターとしても活動する。『生と死を分ける数学』が初めての著書。

「2020年 『生と死を分ける数学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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