- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794225078
作品紹介・あらすじ
「お金」のかたちを根底から変えた「フェリカ」の技術は、
ソニーの技術者・日下部進氏によって開発された。
だが、ソニーはフェリカが持つ無限の可能性を理解できなかった。
失望した日下部氏は退社し、社会を変える新しい技術開発に挑戦する。
今回新たに書き下ろされた新章では、日下部氏がフェリカを超えた
新しいアイデアと仕組みを考え、その実行を担う房広治氏とともに
仮想通貨ブームに背を向けて新しいデジタル通貨の普及に踏み出すまでを描いている。
社会も経済も人びとの暮らしも大きく変える「フェリカ」の真実をとらえた
渾身のノンフィクション作品。
▼2010年刊の『フェリカの真実』を改訂し、
新たに書き下ろされた3章でその後の状況と現状を詳述した「増補新版」。
感想・レビュー・書評
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大企業あるある、日本システムの弊害がここにもあったか。とてももったいないこと。いつまで同じことを続けるのだろうか。あと2.30年は変わらないなぁ。ただただ、残念だ。
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Suicaができて、もう20年以上経つんだ。コード決済を含めれば電子決済の乱立ぶりはひどいものだが、Suicaは古びないどころか、今もなお使い勝手は群を抜いているように思う。
本書はそんなSuica誕生を巡る技術者の闘い、その後を描いたノンフィクション。今回の増補版で新たに書き足した章よりも、NHKのプロジェクトXの題材にもなったという前半部分が圧倒的によかった。
Suicaの元になっているのはフェリカでソニーが作った程度は知っていたが、Suica、PASMOなどの交通系、おサイフケータイ、Edyなどがどんな関係なのか、タバコ販売の認証やGoogle Payなどもあやふやだったが、よく理解できた。
優れた技術があっても、仕組みを作って大きな分野に育てていくのは別。残念なことだが、今も変わっていないような気がする。 -
日下部進さんの伝記のようなストーリー。
エンジニアとは信念をつらなぬきながらも、ビジネスの行く先を見据えないと成り立たないことが、ビットワレットの勃興によってわかる。 -
新技術の開発自体が目的化すると失敗するといういい教訓。目的のための手段として新技術を開発するべきで、その目的はグローバルな大局観をもって定めることが必要。それがよくわかった。
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FeliCa(フェリカ),ソニーが独自に開発した非接触ICカード技術。その技術開発をめぐる,約30年にわたる技術者の挑戦と苦悩のノンフィクション作品です。スイカ,エディなどの電子マネー,デジタル通貨が普及した現代,さらなる夢への挑戦ストーリーは続きます。
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増補版 原盤は2011に呼んでいた
p73 タバコ taspo 非接触ICカード マイフェア オーストラリアのミクロン社 中国系エンジニアが設立したベンチャー 現在はフィリップスの一部門
p89 日下部は世界標準をつくったが、欧州の半導体メーカでは同様の性能を出せない。欧州で製造できないものは標準化できない
p150 技術屋は開発したものが収益に貢献しだした頃には、そのビジネスには関係していません
p163 マイフェアとか中国や韓国の製品にもピーマネという非接触ICカードがある それに比べフェリカは3,4倍高い
p164 TASPO(マイフェア)type A 住民基本台帳カード(eLWISE) type B マイフェアは欧州に強い 両者とも国際標準規格
p184 フェリカはtype F SUICAをapplePAYに対応させる
p239 仮想通貨 経済状況に応じて発行枚数をコントロールできない
p243 デジタル通貨 EXコイン ネパール
GVE社 法定通貨のデジタル化(CBDC)のプラットフォーム開発とその運用
日下部進のアイディアを房広治が引き継ぐ