メッセンジャー 緑の森の使者

  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794809773

作品紹介・あらすじ

★ギヴァー4部作/第3弾!!今夏全米映画公開『The Giver』続編
原作1000万部(各国語翻訳含む)・不朽の名作『ギヴァー 記憶を注ぐ者』続編,待望の邦訳!
◎あらすじ…主人公は,第2弾『ギャザリング・ブルー』でも活躍したやんちゃ坊主・マティ(幼少時の名はマット)。15歳くらいに成長し,相互扶助の平和な〈村〉で暮らしています。夢は,伝言や使い走りの仕事を担う〈メッセンジャー〉になること。マティも,ジョナスやキラのように不思議な力をもっています。でも,彼自身はまだそれに気づきはじめたばかりです。
 あるとき,〈トレード〉と呼ばれる未知の風習がもちこまれ,〈村〉とその外に広がる〈森〉に不吉な変化が生じます。〈森〉をよく知るマティは,事態を打開するため旅に出ます。目的は,遠く離れて暮らす幼なじみのキラを〈村〉に連れてくること。しかしその前途には,想像を絶する困難が待ちうけていました。はたしてマティは,キラをぶじに連れ帰ることができるのでしょうか…?
◎読みどころ…何と言っても,『ギヴァー』の登場人物に再会できるのが最大の魅力です! そして前二作と同様,子どもの未来,平等,共生,「交換と犠牲」など,深いテーマを含んでいます。また,マティの成長をつうじて人生を深く考えさせる教養小説の要素も有しています。前二作と比べて,ファンタジー性とスリルが増しているところも大きな魅力です。
◎映画化速報!! 
映画『The Giver』(原作:小社刊『ギヴァー 記憶を注ぐ者』)は、8月全米公開予定(日本公開の詳細は未定)! 監督:フィリップ・ノイス/出演:ジェフ・ブリッジス,メリル・ストリープ,ブレントン・スウェイツ,テイラー・スウィフト  *詳しくは小社サイトをご参照下さい

感想・レビュー・書評

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  • 新評論版「ギヴァー 記憶を注ぐ者」https://booklog.jp/item/1/4794808267のシリーズ、第3巻です。
    今まで語られてきたディストピア社会とは違い、1巻の主人公ジョナスが<指導者>として治める寛容な村が舞台です。
    2巻からの登場人物も重要な要素となり、全ての村やコミュニティが絡み合うことで世界観が広がっています。
    ジョナスが故郷から逃げ出した後の世界がどのように変化したのか、気になっていた点が明らかになりました。
    しかし、トレードという文化が村を蝕み、森の様子に不穏なものがあり、新たな謎が残りました。
    完結となる4巻にも期待します。

  • 2021.01.13 読了

  • 『ギヴァー』と『ギャザリング・ブルー』の登場人物が一緒に活躍する第3部。
    前二作は閉鎖的で冷酷な社会だったが、こちらは多様性を受け入れ、教育もある理想的社会である。1作目は近未来、2作目は原始的社会、これは、理想的なのでこういう社会が成立したことは人類史の中でほとんどないのではないかと思うが、技術レベルなどからは2作目よりは後の社会のような気がする。青がこちらの世界からもたらされたことを考えても。
    ジョナスが指導者となり、平和で幸せな村ができるが、トレード・マスターという人物がトレード・マーケットを支配するようになってから暗雲が立ち込めるようになる。
    これも読み終わって、まだ謎が残るのだが、4作目で明かされることを願う。前二作はそれぞれ単体で読めるが、これは前二作を読んでいないと楽しめない内容。
    前二作同様、寓意に満ちている。
    YAだから、思春期の子どもたちが共感できるように書いてあるが、満ち足りた暮らしをしていても、欲望の無くならない人間の弱さや、他者への不寛容がどのように生まれるかが描かれていて、子ども向けだからと言って甘くはない。
    やもめながら、立派な教師として尊敬されていた中年男が、寂しさ、人恋しさから、自分にとって大切なものを手放してしまうところが若くない者としては、リアルでゾッとした。

  • トレードしたのは
    大きな存在と、わずかな猶予。

    人知れず犠牲にしている われわれ。



  • 自然の力が人の心の鏡になっていて『黄色い雨』のように森を試練の如く畏れる。“哀叫“の文字を読むのは辛く大地にあてた掌が愛おしくてたまらない。ことの始まりから全てのものが道を歩んでいた。命と自由に思いを馳せた。

  • 怖かった

  • RPGの続編でよくある、前作主人公がそこにいるのに、色んな障壁が存在してガッツリ関われない、あのもどかしさが。
    それにしても悪意の正体はなんだろう。
    人々の利己心を増大させ、自らの考える力を奪い、時には命まで奪っていく悪意の数々。
    これまでの作品に共通している謎の悪意としか呼べない何か。
    結局何もわからない。
    でもなんというか、そんなのないよ。
    もともとここで完結予定だったのよね。
    それはなんとも、やりきれない感がある。

  • SL 2022.4.20-2022.4.21
    ギヴァー3作目。
    ジョナスがたどり着いた<村>、キラのお父さんとマティが住む<村>。他のコミュニティで排除され生きにくくなった人たちがたどり着き、受け入れられ、幸せに暮らす場所だった。その理想の<村>にさえ悪い変化が訪れて森も人もどんどん変わっていく。でも、それはさながら現実世界が立ち現れるかのよう。
    この作品で完結のつもりだったけど、読書の求めで4作目が描かれたらしい。
    たしかにこれで終わりでは切ない。

  • 前2作は途中からある意味安心感を持って読めたが、これは、逆に前半が穏やかに進み、後半不安になった。息子が中学校のとき、学級文庫にあったという。これだけ読んでもそれなりにまとまった話だが、やはり4作まとめて読んでほしい。

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著者プロフィール

1937年ハワイ生まれの児童文学作家。アメリカ陸軍の歯科医だった父について各地を転々とし、11才から13才までを日本で過ごした。現在はメイン州在住。1990年に『ふたりの星(Number the Stars)』(童話館出版)、1994年に『ギヴァー 記憶を注ぐ者(The Giver)』(新評論)で、ニューベリー賞を二度受賞する。「ギヴァー」は大人気シリーズとなり、世界累計1200万部を超える。他にも『モリーのアルバム (A Summer to Die)』『Windeby Puzzle』など多数。

「2023年 『水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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