新装合本 牙王物語

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  • 新評論
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794811073

作品紹介・あらすじ

本書は、1956年から毎日新聞に連載された『山のキバ王』を、小・中学生から読める挿絵入り小説として新たに書籍化したものです(国土社刊・二分冊の旧版を新装合本)。60年以上前の作品ながら、一向に古さを感じさせないストーリーで、まさにいま読むべき小説と言えます。
 当初、連載は100回の予定でしたが、大好評を博し、一年以上にわたり351回まで続きました。その後、漫画家・石川球太さんの作画で『少年マガジン』(講談社)に一年以上連載されたほか、1978年にはアニメ『大雪山の勇者 牙王』として放映されました(フジテレビ)ので、現在50歳以上の方々には馴染み深いかもしれません。本書が若い読者を得れば、三世代にわたって読み継がれることになります。
 このたび本書の刊行にあたり、北海道上川郡東川町のご協力を得ることができたのは、物語の主たる舞台が大雪山連峰だからです。その主峰旭岳(二二九一メートル)の麓で繰り広げられたキバと殺人熊ゴンとの戦いをはじめ、すべてはこの町で起こった出来事なのです。
 『牙王物語』には、作家・戸川幸夫が生涯大切にした生き方が強く投影されています。人間に一番近しい動物、素朴で純真な犬の姿を借りて、人がその一生を尊く、強く、堂々と生き抜いていこうとする際に体験するであろう喜びや悲しみ、そして苦しみや怒りが、全編を通じて生き生きと表現されているのです。キバの気高い姿は、発表当時の読者の心にずしんと響いたのでしょう、その後長らく愛され、60年の月日を超えてここに再生します。今後も老若男女を問わず、心に響く作品として読み継がれていくことでしょう。(編集部)

感想・レビュー・書評

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  • 「大雪山連峰を舞台に繰り広げられる自然・動物・人間の壮大な物語。読む者の心を捕えて離さぬ動物文学の最高峰が再生!本書は、1956年から毎日新聞に連載された『山のキバ王』を、小・中学生から読める挿絵入り小説として新たに書籍化したものです(国土社刊・二分冊の旧版を新装合本)。」

  • もう 中年を通り過ぎて読んだ本。
    とてもよかった。
    厳しい自然
    野生の本能
    人間との絆
    みんな同じ地球の仲間
    こんなの小中学生にぜひ読んで欲しい。
    高安犬物語もぜひ読んでみたい。
    作者の意思を継いで活動している次女さまも尊い。

    戸川幸夫さんにわたしを繋いでくれたのは
    知床旅情を歌った 加藤登紀子さん
    戸川幸夫さんの絵本
    オホーツクの海に生きるを著書の中で教えてくれた。

  • 忘れていたけれど、多分、昔読んだ気がする。
    私の狼好きの原点の一つになった作品だった。
    そして、「ゴールデンカムイ」を読んだときに感じた懐かしさはこれだったんだ!
    キバの哀しい、変転してく生涯。そこに垣間見えるアイヌの人々。
    大雪山という絶対的な自然の厳しさと隣り合わせの人間の身勝手な社会。
    そして、ヒグマとの死闘はその迫力と哀しさに心打たれる。

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著者プロフィール

1912年、佐賀県生まれ。東京日日新聞社(現・毎日新聞社)に入社後、1955年に小説『高安犬物語』で直木賞を受賞。作家専業となり動物小説を次々と発表、「動物文学」をジャンルとして確立。多数の小説や児童文学作品を手掛ける。

「2018年 『新装合本 牙王物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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