- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794965752
作品紹介・あらすじ
「エイリアン」「大脱走」「北北西に進路を取れ」などハリウッド映画の物語分析を通じて、ラカン、フーコーら現代思想のエッセンスを伝える、極上知的エンターテイメント。大人なら映画はこう読む。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
『哲学』というのはほんとうにヤなものだ。
死にものぐるいで見栄はって、いったい何冊の本を読んだ(ふりした)だろう。
内容は面白いほどに忘れ切っているのに…。
でもやっぱり「思考」という過程を分析的に見るのは(その時だけは)面白いと思うのだ。
で、この本はそのネタを映画に求めている訳だから面白くないはずがない、と思ったわけね。
『エイリアン』『大脱走』『ゴーストバスターズ』、それからマイケル・ダグラスの女殺しもの。
これらのロールプレイや設定の状況などがどんな根源的状況のメタファーとなっているか、それらをひもといていくのは確かに面白い。
ただなぁ…自分で見るだけだとここまで考えないだろうな~~~~、とも切実に思う。 -
前書きでは、「できるだけ簡単に、だれにでも読みやすくを目指した」と書かれていたけど、それなりに難解な個所もあった。(内田さんのせいじゃなくて、ラカン自体が難解なだけかもしれない…)
全体としては面白かった。 -
図書館より。
有名ハリウッド映画の構造を分析し、解説された本。
本の中で出てきた映画をどれも見ていなかったので、映画の視点の話が少し分かりにくかったですが、構造分析の話はどれも興味深い。『エイリアン』の裏に隠された性の話だとか、『大脱走』とそれぞれの人種の話などなど。
こういう話を読むと、それって深読みのしすぎじゃないの? と思うこともありますが、それであってもこういう風に構造分析するのはいろいろ楽しそうだなあ、と感じました。
今度は取り上げられていた映画を見てから再読してみたい。 -
文庫もあった。
-
(※2010年手帳より)
-
有名どころのエンタメ作品を題材に、思いもよらぬ観点から分析を試みる。良くも悪くも内田樹らしい映画論であります。
読み物として非常に面白い。
しかし、あまりにも無鉄砲な切り口は映画評としてどうかとも思うが、実はそれらすべてを否定するような前置きを前段で語ってたりもする。
そんなのもまた内田樹らしくて面白い。大人しく煙に巻かれておこう。