お金の学校

著者 :
  • 晶文社
3.93
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本棚登録 : 410
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794972538

作品紹介・あらすじ

お金に関する今世紀最大の発見(!?)
「流れ」とは何か。 

noteでの無料公開時に30万PVを超え、圧倒的熱狂の1週間を
作り出し、その後完全予約制のオリジナル出版で初版5000部
を売り切った「お金の学校」が普及版として満を持して登場。

流れがあれば、お金も人も仕事もすべて動き出す。
鬼才、坂口恭平がすべてをさらけ出して伝える「幸福」への道。

【著者より】
お金をみなさん毛嫌いしているところがあります。
明晰な方でも、お金は疎くて、みたいな感じで敬遠してしまう人もい
ます。それではいつまでたってもお金との関係が良くなりません。

ここはお金の学校です。
まずはお金のことを大好きになってください。
大丈夫、きっとうまくいくよ。

【目次】
1:オリエンテ―ション
2:入学金について
3:まずは企画書を書く
4:お金とは時間である
5:僕の印税についての楽しい話
6:経済=「大丈夫、きっとうまくいくよ」と自分に声をかけること
7:頭の中(お花)畑だよねあんた
8:文藝春秋にとっての王とは何か?
9:模倣を三つ揃えると経済になる――坂口恭平の経済史①
10:健康という経済――坂口恭平の経済史②
11:卒業式:祝辞 たかちゃんへの返礼

感想・レビュー・書評

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  • # 感想
    この本はお金というか、自分の価値基準を持って生きていこうという本なのだと思った。

    海外にバックパッカーとして旅行しているときに学んだことの一つに、これいくらと聞かずに、値段をこっちから提示して購入するというものがあった。だいたいぼってくるから、最初からこのぐらいだったら買うかと決めておいて、購入するのである。

    これって当たり前のことのように思えるが、日本だと基本お店が提示した金額でしか買わないので、こういう考えは出てこない。つまり他人の決めた価格の上で動いているのである。偏差値や受験、給与や評価、諸々同じである。

    自分の価値基準を持つには、自分ができることを見つめて、その範囲を広げていくしかない。その影響範囲が広い人もいれば、狭い人もいるし、日本円に変換できるものもあればできないものもある。ただそれは結果論であって、自分の価値があることがわかっていれば、その中で生きていくことで、倒れずに済む。そういうことなのかなと思いました。

    # 抜粋
    - 8万円だったらどうかな。三割は僕と付き合ってるギャラリーにあげます。ということは5万6000円です。一枚描いてそれだとあんまりテンション上がらないな。そんな簡単なリアクションで十分です。
    いつも自分に聞いてみてください。10万円だと7万円。うーん。一枚売れたら、10万円以上入ると嬉しいな。じゃ、額装までしてあげて、でも15万円にしたらどうかな。10万5000円です。うん、なんか嬉しい。ということで、絵の値段を一枚15万円にしました。20万円にはしませんでした。もらい過ぎの感じがあったからです。
    大事なことは、これが新しい独自の自分の経済ということです。(P.139)
    - 油断しちゃダメです。慣れたら終わりです。常にドキドキワクワクの世界に連れ込んでください。(P.141)
    - 自分で無理だって言うと、それはそのまま制限かけることになるんよ。だからこういう時にはパパは自分で自分に大丈夫、きっとうまくいくよって声をかけてるよ(P.177)
    - 図書館に行けばいいんですよ。図書館は死んだ人の言葉だから嘘つかないっておじいちゃんに教わったので(P.256)

  • 一見はちゃめちゃなようで、実は論理にかなっているせいかぐいぐい引き込まれる独特な本。
    言いたい事は、経済は流れ。お金は流れを作ることが大切。
    それをひたすら説いている。

    自分で作れる人は強い。


    ・まずは企画書を書いてみる

    ・人は、才能の問題に逃げてしまう癖がある。この人は才能があるからうまくいってる、自分は才能がないからうまくいっていない。成長しようとしない人の口癖


    ・究極の贅沢はなんでも自分で作る

    ・大丈夫、きっとうまくいくよと自分に声をかける

    ・セックスは過程を楽しみたい

  • 経済を「愉快な流れ」として捉えた、一風変わったお金の本です。
    経済とは全てがお金に関するものではなく、お金はあくまでその一部。お金が発生しなくても、楽しくて、流れていれば、それは経済です。
    自分の経済を見つけましょう、というのが本書のメッセージ。

    全く考えたことのない視点から経済を捉えていて、斬新だった。お金は必ずしも必要なものではなく、人はお金がなくても生きていける。必要なのは楽しい流れ。それさえあれば、生きていけるし、自然とお金も発生する(こともある)。
    気が楽になるし、色々挑戦してみようという気にさせてくれる本だった。

  • かなりスピリチュアル系に偏った「お金」の指南書。ネット記事で無料でも読めるんだけど、本になっていた方が読みやすいのでまとめて一気に読む。

    しかし節約術・貯蓄的な物は苦手なので、自分に合っているし、読み物としてもとても面白く、感動的な部分もある。

    実践的な手法があるわけではなく、お金に対する新たな考え方、マインドを教えてもらえる本。

    坂口恭平氏の本は好きで何冊か読んでいるが、高校時代からかなり頭が良かったらしい(いわゆる学校の成績としての頭の良さ)その点はやっぱり自分と違うので再現性がないんじゃ、とも思うので多少マイナス。

    最近特に、お金の多寡だけで人間の価値を測る様な世界の有り様に、疑問超えて嫌悪感すら持っているので痛快だった。

  • やられた

    ここまでわかりやすくお金の話をされたら、もう実行するしかないじゃないか。

  • 家族、旧友、祖父、恩師たち、そして坂口さんの愛情が流れとなった一冊(経済)だと思う。再現するのは多分難しいけれど、坂口さんが実体験で体得してきた内容で真理に溢れていると思う。

  • 経済とは「流れ」、流れるためには楽しくないとダメ、ということでスラスラ読める。しかも音読すると楽しくなってゲラゲラ笑ってしまう。

    読み終わって、では何が学べたか?というとよく分からないのだが、体の中を爽やかな風が通り抜けたような気持ちになっている。
    「それでいいんです!」という著者の声が聞こえた気がした。

  • 自殺願望のある人への電話相談ボランティアをしていたりするのでリスペクトするが、その一方でパリピ感溢れる努力の末の運の良い人自慢の様でもある。良かったね、というケースのエッセイ。

  • 私には無理でした

  • ・どうしても自分の様なタイプの人間には「お金」という物に対して苦手意識がある。何かあまり考えたくない、というか。でもいつかは向き合わなければいけない、とも思っている。
    ・なので坂口さんのこの本を見つけた時、マジか!と思った。この作家のこのテーマなら俺、読まなきゃじゃん、と思った。
    ・結果から言うと、(当然)ビジネス本の様な現世利益を得られる様な物ではなく、ただ「お金」(を考える事)に対する罪悪感は無くなり、読み終わった後にはちょっとした感動があった。
    ・実に坂口さんらしい本だし、「お金」「経済」の考え方だった。

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著者プロフィール

1978年、熊本県生まれ。料理家、作家、建築家、音楽家、画家。2001年、
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年、路上生活者の住居を収めた写真
集『0円ハウス』を刊行。2008年、それを元にした『TOKYO 0円ハウス 0円生
活』で文筆家デビュー。2014年『徘徊タクシー』で三島由紀夫賞候補、『幻
年時代』で第35回熊日出版文化賞、2016年『家族の哲学』で第57回熊日文学
賞を受賞。著書に『cook』『自分の薬をつくる』『お金の学校』『ゼロから
始める都市型狩猟採集生活』『現実宿り』『よみぐすり』など。

「2022年 『中学生のためのテストの段取り講座』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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