一分間だけ

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796657747

感想・レビュー・書評

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  • 泣いた。久しぶりに本を読んで涙を流した。

    この世に小説というものが生まれてから、幾度となくテーマとなってきただろう、至極平凡なストーリー。
    そんなありきたりな内容にグッとくるときもある。

    読んでいる最中、ずっと「果たして自分はどうなんだろう???」とそんな想いを抱きながら読み進めた。
    (大切なものを)疎かにしていないか?!軽んじていないか?!当たり前と思っていないか?!
    自分の立場に置き換え、そして考える。

    すごく大切なものなのに、それが当たり前のように傍らにあると、ついつい蔑ろにしがち。
    何気ない存在がとてもありがたいはずなのに、それにさえ盲目となり、自分の傍若無人ぶりばかりが肥大する。
    自然体でいれば気が付く些細なことさえ何ごともなかったようにスルリと両手からこぼれ落ちる。

    失ってからでは遅い。
    一緒に歩く、立ち止まってみる、ときには振り返ってみる。
    そうして、どんなに大切なものなのか、きっとあらためて気付くはず。

    話はそれるけれど、結局のところ、自分の人生(恋愛)を退屈でつまらないものにするか、しないかは自分次第なんだと思う。
    平凡と思っているものの中に、実はたくさんの非日常が溢れ、新発見が埋もれている。
    そこに気が付くのか、気が付かないままなのか・・・

    ねえ、いっしょにあるいてる?

  • 明日も明後日も、当たり前のように一緒に過ごせるから、「今この時間を大事にしよう」なんて考えた事がなかった。

    あと1時間だけあったら色々してあげられるけど、あと1分間だけなら何をしてあげられる?

    涙なしではとても読めない…。
    どっぷりはまってしまいました。

  • 号泣…
    ペットと過ごした時間を知る人にはたまらないかと…

    ファッション誌の編集者、バリバリ働く藍
    主夫でコピーライターの浩介
    仕事の企画先で出会ったゴールデンを譲り受けリラとの同居生活が始まる
    犬友の心優しい友里、敏腕編集長の北條さん、癌が発覚してからのタクシー運転手の斉藤さん。出会った人々との優しい触れ合い、マハさんの小説は本当に心温まる。
    人間模様がリアルで出会いもあれば別れもあるが、でも根っからの悪はなく、心根の優しい人が描かれて、また今回は犬を愛する人々、そりゃ泣けるはずだわ…

    とても良かったです!

  • 犬を飼っている人は、被るのではないだろか。涙涙で感動しました。トイレは躾させないと、犬が可哀想。

  • もうダメだ。

    まだ3分の1も読んでないのに。
    読みきってないのに、レビュー
    書きたくなった。飼い犬の話。
    ゴールデンレトリーバー。
    多分居なくなっちゃう話なんだと
    思うんだけど、もうその子との
    出会いのくだりで泣きそう。

    ちっちゃい頃に飼ってた犬のこと
    思い出したり、嫁さんの実家の
    老犬を思い出したり。

    果たしてリラとの生活はいかに?!

  • リラを飼うことは幸せだったはずなのに、仕事との兼ね合いや浩介とのギクシャクもあり、負の連鎖に陥る様は動物を飼うことの大変さや責任を改めて考えさせられる。あと一時間だけ、藍にあげたかったなと涙ながらに思った。

  • すべてを失ってしまった。
    失う前に気づくことができたら…、何かが変わっていたかもしれない。

    これから藍は成長した女性に様変わりするだろう。でも大切なもの、かけがえのないものがすぐ近くにいたということをもっと早く気付けていたら…。

  • 2014.6.16 読了

    これって こんな話だったんだ。。。

    ずーっとネコ本は読んでましたが、
    イヌ本でした。

    表紙とタイトルだけでは
    どんな話か わからず、
    確かに 表紙にイヌはいてるけど、
    こんな話だったなんて。。。

    前半。。。
    浩介と藍の 同棲生活に
    ゴールデンのリラを飼うことになる。

    かなり いい感じなカップルで
    読んでて 楽しかった。

    中盤から リラに起こること。。。
    二人の関係。。。

    どうなるの??と もう夢中でした。

    最後は 久々に 大泣きしました。
    もう そうなる(大泣き)しかないよね。。。



    けど、読後感は スッキリでした!

    オススメです!

  • 2012 12/1

  • たくさんではないけれど、しっかりとした愛の物語でした。
    中に入り込んで私も愛おしんだり怒ってみたり。

    犬が好きな人はもちろん、そうでない人でも心打たれる作品です。
    飼い主を一途に愛する犬と愛しながらも時にうっとおしくなる飼い主。
    子供への気持ちもこんななんだろうな(子供いないから知らないけどw)

    最初からボロ泣きでした。

    ほっこり

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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