シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫 C ま 1-1)
- 宝島社 (2009年6月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796669030
感想・レビュー・書評
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こぉわぁぁぁぁ〜!!
ギンコ、こぉわぁぁぁぁ!!
ヒグマ三作品目にして、最強に怖かった。
本を読んでるだけなのに、軽くパニックになった。
私が道民だったら、もう全てを投げ出し引っ越ししちゃいそうな勢い。
まさに、解説の作家さんが書いてる状態。
『九州はツキノワグマすら絶滅』っていうのを、ネットで何度も確認しながら読んだ。
マンションの上階だけど、ベランダの窓の外にヒグマが居そうで、夜相当怖くて眠れない眠れない。
何がって、あり得る恐怖だから。
実際、ちょっとネットで調べたら、事実として同様の事柄が沢山出てくるから。
三毛別然り、福岡大ワンゲル部然り。
ロシアの母親に電話しながら然り、数年前の秋田のクマ牧場然り…。
自然では当たり前かもしれない、生きながら時間をかけて食べられる恐怖。
その呻き声を聞き続ける恐怖。
助かっても、手術痕とかと違って生々しく残るであろう傷跡と、心的外傷後ストレス障害。
あぁ、もう、本当怖い。
物語の途中で出てくる、シャトゥーンの性質の一つ一つが、恐ろしい方向に回収されて行って、物語を読みながら耐えられなくなりそうになった。
西が高橋と追わなければ、手負いにならなければ、車は無傷で食べ物も着いたかもしれないけど、床下に遺体が埋まってたら、もしかしたら遅かれ早かれ狙われたかもしれないし。
あぁ、もうほんと、こぉわぁぁぁぁ!! -
北海道の奥地でヒグマに襲われる話。
そんな危険な動物が出る所でなんで対抗できる武器を一つも持ってないんだって突っ込みは置いといて・・・(一応、普段は出ないって設定っぽいし)
襲われるときの描写が生々しすぎる。
襲われたーでも間一髪助かったー恐かったー全員無事ー
とかいう話では全然無い。
容赦なくヒグマに喰われます。
幸せな新婚生活も、長閑な田舎での研究も、母子の営みも、全て喰らい尽くすようなクマの獰猛さが半端ない。
ちょっとした暴露とかストーリーもあるけど、それよりクマに襲われるシーンがすごすぎる。
そしてそれが何度も何度もやってくる。
クマに外で会ったことは一度も無いけど、その恐ろしさがしかと感じられた。
なんとかだクマーとか冗談じゃない。
逃げ切れる自信も闘える自信もない。出会わないのが一番。 -
【OSO18がもし人の味を知ってしまっていたら】
読むスピードが遅い私だが、この一冊は2日で読了。
とにかくヒグマの恐ろしさ、尋常ではない身体能力、そして過剰なまでの執念深さを描いている。
OSO18の討伐までの経緯などを
まとめ動画などで見聞きしていただけに、
本作は過剰な描写などとは思えなかった。
結果として、登場人物7人中5人がヒグマに文字通りズタズタにされ食い殺される。
その描写に余念がない。
映像化なんて絶対にムリだろ。
書きたい物を書くんだ、この題材でやると決めたなら徹底的にヒグマの恐ろしさ、狡猾さを、執念深さを、北海道の自然の厳しさを描き切るんだ。
この初志貫徹具合がひしひし伝わってきた。
このミステリーがすごい大賞は、
とにかく当たり外れが酷すぎると個人的感想なのだが、本作はしっかり大当たり。 -
マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。
そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、飢えて凶暴化した手負いの巨大ヒグマ、“シャトゥーン”ギンコが襲いかかる!
次第に破壊される小屋。
電話も通じない孤立無援の状況下から抜け出すことは出来るのか!?
第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作の文庫化!
……はい。パニック物、好きですw
これ、ギンコも凄いけど、ギンコと戦っちゃう薫も相当なもんだし、娘の美々ちゃんも血は争えないわね……って感じで、現実味ないくらいwww
親しい人達が、生きながらバリバリ喰われちゃうのは、かなり怖いんだけど、やっぱ人間同士が殺し合う方が怖いな……。
とはいえ、今後、ヒグマの出没するような場所には、絶対行きたくありません!
というわけで、高みの見物、楽しませていただきましたー!! -
怖すぎる…。
ホラー小説が子供だましに見えるくらい怖い。北海道の山間部にはもういけない。
まさしく弱肉強食。ヒグマの前では人間なんてただの食糧かよ。
フィクションとわかっているけど、可能性としてはある。速攻で食い殺されると思うが…。 -
この人の作品を読むのははじめてです。
いつものBOOK OFFの100円コーナーで、何気なく手に取った作品です。
手に取って、裏に書いてある宣伝文句を見て、買いました。
時々、新しい本を探してこういうのをやります。やっぱり新規開拓も必要ですからね。
動物パニック系の話です。
冬の北海道で、『穴持たず』『仔連れ』『手負い』『人肉の味を覚えている』羆に遭遇してしまった人々の話です。
『穴持たず』っていうのは、冬眠する穴を持たないで冬の間も少ない食料を求めて彷徨い歩く、最も危険な熊です。
それが更に『仔連れ』で、その上『手負い』になっている。
で、人を襲って『人肉の味を覚えている』羆といったら、最悪です。
人を襲ったことのある羆は、必ず仕留めないといけない、というのは、アイヌの昔からの掟で、そうしないと被害が拡大するだけになってしまいます。
そういう羆の怖さを、これでもか、これでもか!と、とことん描写していくのが、このお話です。
主人公は子供を連れている女性です。
北海道の自然のフィールドワークに慣れた女性が、子供を連れて、双子の弟がいる天塩の原生林に遊びに行ったら、そこで羆に遭遇してしまう、という話です。
天塩の原生林にある山小屋に双子の弟が住んでいるのですが、この弟も原生林のフィールドワークのプロです。
他にも密猟者、他のフィールドワークのプロが滞在しているのですが、誰も車とか持っていなくて電話も通じない。しかもみんな、帰るのは6日後、と連絡してある。一種の密室状態です。
そこに現れる羆。
みんな自然には人並み以上に慣れた人々なのですが、想像を超える圧倒的な羆の力の前には、多少の経験・知識なんて全く歯が立ちません。
次々に羆に襲われていきます。
この描写がド迫力です。
冬の北海道の寒さの描写や羆の息を感じるような描写。
そこで追い詰められる人間の心理描写…、は、まだ少し足りないかな?とは思いましたが、それでも充分面白く読めました。
次回作が本当に楽しみです。 -
長い前フリなどもなく、最初から事件が起こるのでストレスがなくていい。
難しいウンチクもさほどなく、とても読みやすかった。先が気になってアッという間に読み終わったけれど、ちょっと都合が良すぎるかな……と思う箇所もチラホラ。
アッサリとやられる人と、まだ生きてるんかい!という人との落差が不自然すぎるような気がするけど、小説なんだからそれもアリか。
我ながら鬼かと思うが、全員やられるバッドエンドを期待してしまった。 -
これを読了後、あまりの怖さで
山に登ることはなくなった。
ヒトを咀嚼する描写。
気持ち悪くなった。