中国との付き合い方はベトナムに学べ (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797381535

作品紹介・あらすじ

久米宏氏絶賛!

●大国にさえ決してひるまず、戦争に一度も負けたことのないベトナム
ベトナムとい国は実は大国相手にひるまず、外交戦略に長けていて、ベトナム戦争でも国際社会を味方につけて終結に導いたことで知られる。
また中越戦争でも中国の侵略軍を撃退。最近でも中国によるパラセル諸島近海での侵奪についても、国際世論をうまく導いている。

●ベトナムがわかると、国際世論を味方にし国際交渉を有利に導くすべがわかる
ベトナムとの交渉ごとは、外交にしてもビジネスにしても、中国よりもずっと複雑である。
ひとことでいえば、相手から妥協案を勝ち得るためには粘り強く二枚腰で、ということになる。
このベトナムの粘り腰には、地政学的に見れば北から南まで何千キロもある半島国家であるゆえに、北からも南からも攻められやすい運命にあった背景がある。
攻められれば攻められるほど柔構造の守りを得意とするようになった。外交的には敵の弱みと脅威を読み切って、うまくかわすような術も身につけたと考えれている。
そのような大国の圧力にさらされる運命のベトナムに、日本も学ぶことは多い。「ベトナム的発想」を持ち込めば、日本も個人レベルからビジネス商談レベル、外交レベルで「お人好し」などと呼ばれることが少なくなるかもしれない。さらには中国とのつきあいを考えるうえで非常に示唆に富むのは間違いない。

●レアメタル王としてアジア各地で活躍し数多くの交渉事に携わってきた著書が教える「ベトナム」に学ぶ中国(や大国)との付き合い方
「山師」「レアメタル王」として著者は中国やベトナムなどアジア各地で交渉事を行い、ときには失敗をしながらもタフな交渉術を見つけると同時に、交渉という局面における日本人に足りないことを日々痛感。
日本人に必要なのは、多様性のある見方や考え方を受け入れ、「蛸壺状態」にならないようにすることだ。異質を排除せず、安易な妥協文化とは決別する。それが中国人、ベトナム人云々よりも、日本人が、交渉に強くなる第一歩ではないか。
そして、国際社会でサバイバルすることを肝に銘じて、中国人に負けないように、したたかに日本人魂を発揮していくべきである。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがまんま時々聞く話でもあったので興味を覚えて購入。
    著者はレアメタルビジネスに長年関わっており、中国やベトナムをはじめ世界中でビジネスと展開してきた方のようだ。

    タイトルの割にはベトナムに関する内容は少なめで、京都人の習性やら、言語を習得しろ(おれはこうやった)、雑談しろみたいな本人の経験からくるやるべきこと、自分はこうして成功した、日本人はこうあるべき的な内容となっていく。

    経験からくる結論だとは思うが、断定的な語り口が少しひっかかる。

    P.49
    ベトナム人は中国人の言うことを額面通りに受け取らない。過去の歴史を考えれば当然である。
    彼らからすれば、中国人は「わざと小さな嘘をつく」というのは常識である。その嘘が通ってしまうと、また次にそれよりも大きい嘘をつく。そうこうするうちに、いつの間にか嘘が本当のことになるのだ。

    P.64
    中国三千年、あるいは四千年の歴史は、本来、外敵からの侵略の歴史であるが、そうした歴史は塗り消して、その上に新たに「中華思想」による歴史を描いて国民に教育してきたのが中国である。
    たとえば、ある時期から中国の教育部は、民族の英雄とされてきた南宋の武将「岳飛(ユエ・フェイ)」の名前を教科書から抹殺した。中国では漢民族の元(モンゴル)などの北方異民族に対して命を懸けて戦った人気の高い英雄だ。
    しかし、岳飛を英雄扱いすることは、そのまま中国が抱える国内問題の火種である少数民族問題を煽ることになりかねない。そのため、中国を侵略してきた少数民族に対しても同化政策の一環として「同じ一つの中華民族」という中華思想を植え付けることになったのである。

  • ベトナムについて知りたくて読書。

    ベトナムについて知りたかったが、著者はベトナムより中国との関わりのほうが深く中国を中心に展開する。

    日本は、稽古していた合氣道の根本の1つであった孫子の兵法「戦わずして勝つ」を交渉や外交で実践していくためにも、もっとベトナムのしたたかな交渉術をから学べるのではにかと主張している。

    日本にとってベトナムはネクストチャイナの側面よりも中国へ対抗するために組む異質なパートナーに近いようだ。

    個人的にはベトナム人の人的資源の低さが気になる。本書では、識字率が高く勤勉だと紹介するにとどまっている。

    日本人は人がいい点、長期的な視野に立てない点、性善説に立ちがちな点が欠点だという。

    京都出身の著者だからこそ書けるのが、「京都中華思想」。この発想、考えは面白い。確かに頷くことができる。

    現実的に中国で長く生活できる、適応力が高い日本人は、圧倒的に関西人だった。京都人へ関西人と聞くと激しく怒るので、京都人はさらに別格に中国とのシンクロ率が高いのかもしれない。

    今後は、訪日ベトナム人、ベトナムビジネスは増えていくだろうが、その時に賢く利用し、協同して、中国とのバランスが取れるようにする戦略を描く必要がありそうだ。

    おそらく、数年後には日本におけるベトナム人の犯罪の多さが社会問題になっていると思われる。今から先を見越して対策を考えておく必要がるのでは。

    読書時間:約1時間

    • だいさん
      ベトナムは流行の兆しがあるようですね
      ベトナムは流行の兆しがあるようですね
      2016/07/26
    • びあしん慶次郎さん
      だいさん、
      コメント遅れました。

      最大都市ホーチミン市、首都はハノイともに在留邦人の人数がここ数年2桁で増え、中国の主要都市を追い抜...
      だいさん、
      コメント遅れました。

      最大都市ホーチミン市、首都はハノイともに在留邦人の人数がここ数年2桁で増え、中国の主要都市を追い抜いています。

      実際に現地ではどこか懐かしい日本人ウェルカムな雰囲氣にあふれています。公務員は…ですが(笑)。
      2016/08/11
  • やっぱりベトナムってかっちょいいなあ・・・。
    めっちゃ強かで、いざというときに本気でキレられる国民性・・・。
    そりゃ日本は弱腰すぎだよなあ・・・って納得・・・外交とかやっぱりどこ行っても散々だもんなあ・・・。

  • 三現主義 現場、現物、現実をみる

    中国人 わざと小さな嘘をつく

    ベトナム 13世紀にモンゴルの来襲3度受けた
    1288 三度目の戦いで、バクダン川に罠をしかけて、400艘のモンゴルの軍船を動けなくしてから火を放ちモンゴル軍を退却させた歴史がある

    1274 文永の役 1281 弘安の役 
    同時期にモンゴルはベトナムを攻めあぐねていた
    中国の歴史書によれば、ベトナムを征服してから日本を再度攻める計画があった 
    ベトナムがモンゴルの主力部隊を壊滅してくれたおかげで3度めの日本来襲に使う予定の船がなくなった

    中国 拡張政策でなく、中華思想の中心である中原を守るのに注力している

    中華思想は以前からあったが、孫文が本格的に掲げた

    ロシア人 西洋的な文化や考え方のバックグラウンドがある 契約とは紙との約束であり、一度紙に書いたら基本的に守られる

    中国 契約とは紙との約束に過ぎない 中国人との約束は簡単に反故にされるのも少なくない

    国外に出た時は2枚腰、3枚腰の戦略を持った方がいい

    北京は愛国、上海は出国、広州は売国、(西安は天国)

    中国人 ルールは変えるためにある

    外国語の成り立ちの分類 屈折語、膠着語、孤立語

    屈折語 英語などヨーロッパの言葉大半 名刺形容詞の格変化と動詞の変化、活用変化あり ロジックが合理的で論理的な言い回し 結論を先行させてから説明にはいる

    膠着語 日本語、朝鮮語、トルコ語、ウイグル語、ウズベク語、、モンゴル語、フィンランド語、ハンガリー語、タミル語、エラム語、シュメール語 語尾をいろいろ変化させてつっつけていく言葉 最後まで聞かないと結論がわからない

    孤立語 中国語、チベット語、ベトナム語、ラオス語、タイ語 時制、格、数などによって言語の形がかわらない

    中国人のミクロの弱みは面子
     「あなたのような人が、どうしてそんなことをするのか?」
     「あなたほどの文化大国のひとが、なぜ割り込みなどするのか?」

    8割のひとが賛成するようなアイデアは失敗する

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著者プロフィール

京都府生まれ。大学院在学中に世界35 カ国を放浪。専門商社の蝶理に入社し、以後30年間レアメタル部門で輸入買い付けを担当する。2004年、部門ごとMBO を実施し、日本初のレアメタル専門商社アドバンストマテリアルジャパンの代表取締役社長に就任する。「レアメタル王」として、世界102 カ国で数多くの交渉を経験するなかで、ベトナム人の交渉術が日本人に参考になることを説く。著書に『レアメタル・パニック』(光文社)、『2次会は出るな!』(フォレスト出版)、『中国のエリートは実は日本好きだ!』(東洋経済新報社)などがある。

「2015年 『中国との付き合い方はベトナムに学べ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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