- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797387629
作品紹介・あらすじ
21世紀の戦争は「お金を得るための戦争」だった?
これまで誰も指摘してこなかった、「資本主義社会における“戦争”の位置づけ」に池上彰が切り込む!
「なぜ、世界から戦争がなくならないのか?」
世界の戦争史を振り返っても、侵略のためだったり独立のためだったり、宗教による争い、資源の独占、内乱などなど、その要因はさまざまです。
しかし、21世紀に突入してからの戦争に目を向けると、「お金儲けのための戦争」、すなわち「戦争ビジネス」という側面が浮かび上がってきます。
そう、世界には「戦争」によって生活が成り立っている大勢の人々がいるのも真実なのです。
本書では、戦争がなくならない原因に向き合うことから、戦争に対する解決の糸口を探ります。
「戦争が世界のビッグビジネスである」という新たな切り口から、資本主義社会における「戦争」を客観的にとらえることができる1冊です。
2016年2月12日にフジテレビで放送され、大反響を呼んだ「金曜プレミアム 『池上彰緊急スペシャル』」を書籍化!
「素晴らしい内容」「戦争に対する心ある警鐘」「あらゆる世代に見てほしい」「ぜひ再放送を!」などの視聴者からの声も多数寄せられた、高視聴率番組。
感想・レビュー・書評
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世界各地で戦争が起きている。誰しも平和な世の中をのぞんでいるにも関わらず。
なぜなのか?
この本を読むと「戦争はいけない。やめよう。」と単純に言うことはできず、利権が絡んでいたり、ビジネス、メディアの影響、国家戦略と様々なものが絡んでいる。
ただ、自分は知らないことがたくさんありすぎる。
もっと学ばないとなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ロシアによるウクライナ侵攻が続く今だからこそ、あらためて生徒にも紹介したいと思います。
「戦争は悪いことだ」「平和は尊い」ということは自明の理ですが、また戦争が始まってしまいました。それはなぜなのか。
「始まってしまったのであれば、勝たなければしょうがない」と国民の中で戦争を推進する雰囲気が醸成されることや、戦争によってもたらされる「利益」のために戦争へと世論を誘導する者がいることが、中学生にもわかりやすく解説されています。
とくに後半の、ドイツで行われている歴史教育(戦争責任の自覚)やメディアのあり方への検証は、これからの国際社会の中で日本がどのように歩むべきなのか、一人一人がどのように考え、行動すべきなのかを考えるきっかけになると思います。
いざ戦争(戦闘行為)が始まると、自軍を応援するような愛国心を鼓舞する報道が心地よく感じられ、そのまま国全体が戦争継続の方向に流れてしまうということはこれまでの歴史が証明しています(アメリカのCNNによる湾岸戦争のニュース報道や、FOXニュースが米軍に帯同して「我が軍」の活躍を紹介することで視聴率を上昇させたことなど)。一方で、本書の最期に紹介されているフォークランド紛争の際のBBCのように、客観的な立場を保つ報道もありました。
政治家やマスメディアが発信するメッセージにどのような意味が込められて(隠されて)いるのか、そこを読み解くことが必要ですし、そのためには世界全体の動きを正確に把握し、自分の頭で考えることが不可欠なのだと改めて感じます。 -
2016年に放送されたテレビ番組の内容をまとめたもの。池上さんらしいわかりやすい文章。欲を言えば書籍化にあたりもう少し掘り下げてほしかった。戦争で生計を立て、バンバンお金を儲けている企業や国がある限り、戦争がなくなることはないと改めて実感し、悲しくなる。
クウェートの少女ナイラの虚偽証言がかなり衝撃的だった。おかげでニュースを見ていても、ロシア・ウクライナどちらの証言も「これがフェイクの可能性もあるのか」とぼんやり考えるようになった。早くウクライナに平和な日常が戻ってきますように。 -
池上彰が戦争について語った一冊。
ヒューマニズム的に反戦が訴えられる反面、戦争によって潤う戦争ビジネスがあるという実態。
元々TV番組だったこともあり、わかりやすかった。 -
2023/12/17
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メディアが煽るような報道を鵜呑みにせずに、その背景にある歴史を学ばないと、人間はまた同じことを繰り返す。
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戦争に負けた国は反省するが、買った国はまた始めてしまう、直接ではなく間接支援が戦争を大きくしている…いろいろな事象が重なり合って戦争がなくならない
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ドイツの高校では、半年、40時間かけて、第二次大戦について学ぶ。戦争はヒトラーと、彼を選んだドイツ国民の責任であるという自覚をベースに、二度と戦争を起こすまいという信念を、学生に引き継がせる。
日本の教育現場ではどうなのだろう?中国では?という新たな疑問が湧いた。 -
テレビ放送の書籍版なので内容はシンプル、体系的で読みやすい。これを読んでからまたより深い書籍など読むとなお理解が深まると思う。利権、思想、経済、地政学、宗教、ビジネスなど様々な角度から戦争はなくならないことがわかる。コレといった結論がいまいち感じ取れなかった。まだまだ疑問に思うことは多い学ばなければならない。
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私はこの本を読むまで、戦争をしていいことはないのにどうして戦争をするのかと思っていた。しかしこの本を読んで、戦争をすると国にものすごい利益が出ることを知った。政治家が政治で自分の利益を得ようとしなければ、戦争はなくなると思う。ただし、戦争の原因はその時の国のリーダーにだけあるのではないことを忘れないようにしたい。