- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797670318
感想・レビュー・書評
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確かに痛快でした。「痛快!経済学」もまあまあおもしろかったのですが、憲法学はさらに痛快でした。現代の日本社会をズッタズッタと切り落としていくという感じです。日本の民主主義はいったいどうなってしまうのでしょう。最後はちょっと尻切れトンボで、天皇の権威を回復したほうが良いのか、それとも別の何かが必要なのか、それぞれ考えろということですが、うーん、どんなもんでしょう。さて、前半から自分の勉強不足で今まで知らなかったことが次から次から出てきました。憲法や刑法など法律はいったい誰に向けて書かれているのか。議会がどのような経緯でできてきたのか。予定説とは何か。契約とは何か。どうして民主主義や資本主義はキリスト教の社会から誕生したのか。そして、民主主義が当初それほど良いものでなかったのはなぜか。カエサル、ナポレオン、そしてヒトラーの共通点はなんなのか。田中角栄の位置づけは。もう一度しっかり読み直さなければ、他人に解説することはできませんが、自分なりには問題意識を持つことができたと思います。もう一度しっかり、日本国憲法も読んでみようと思います。
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民主主義(デモクラシー)、戦争、経済、宗教、議会の観点から各国で憲法が成立していく過程を、歴史を紐ときながら解説した名著。
日本で憲法議論が巻き起こる今だからこそ読んでおきたい。
・憲法とはそもそも国民のために書かれたものではなく、国家権力を縛るために書かれたもの。国家と国民との約束事。従って、憲法に違反できるのは国家だけ?
・国家をリバイアサンと捉えたホッブスに対いて、国家は国民を守ると捉えたロックは、ロックの勝ち?
・憲法と民主主義は何の関係もない?
・少年の人権なんて言葉はありえない?
・キリスト教(ルター、カルヴァンが広めた予定説。予定説では既に人間の運命は決まっている。)を信じるとどんどんお金持ちになった?
・予定説こそが、資本主義、民主主義の原点だ。
・キリスト教の神の前ではみんな平等という概念こそが、民主主義の原点。
・絶対的な神がいなく、身分制が色濃く残る明治初期の日本で民主主義の定着に成功したのは、天皇こそが現人神であるという天皇教を意図的に再構築したから?
・第一次世界大戦後の平和主義こそが、第二次世界大戦の大きな原因?平和のためには戦争さえ辞さない覚悟がでキューバ危機に挑んだケネディ大統領だからこそ、核戦争を回避できた?
・憲法第9条第1項は第一次世界大戦後の1928年にケロッグ(米)さんとブリアン(仏)さんで結んだ、ケロッグ・ブリアン協定(不戦条約)のコピー。ケロッグ(米)さんはアメリカの上院議会で明確に、「国際紛争解決の手段としての戦争の放棄」には自衛戦争は対象外と証言しているので、当然日本にも自衛戦争は放棄していないと解釈するのだ妥当だ? -
【メモ】
この本自体絶版だが、愛蔵版として刊行された次の本も同様。
『日本人のための憲法原論』(集英社インターナショナル、2006年)<http://www.shueisha-int.co.jp/archives/732> -
憲法って、おもしろいかも!
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了。
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「日本人のための憲法原論」に改題
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日本人が知っておくべき内容の宝庫
何回でも読み直したい -
憲法をルーツであるヨーロッパの歴史やキリスト教に遡り、分かりやすく講義してくれる本です。とにかく、活字が苦手な私にも読みやすい本でした。
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江口寿史のカバーがあまりに秀逸のため読む。が意外と骨太の主張本。
刑法が誰に向けて書かれているか?裁判官が判決するためだけの指針。今の日本国憲法は死んでいるそうな。