- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797674026
感想・レビュー・書評
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あの治安維持法でさえ拘禁するには裁判所の決定が必要で最長二年までだったにも関わらず、入管は独自の判断で無期限に拘禁している実態。拘禁されているのは、なんらかの理由で母国に帰ることを拒否している人たちだ。特に母国に帰れば殺害されてしまう危険がある人も相当数いるという。それでも入管は難民と認めない。
そんな入管(国家)と戦う児玉弁護士の活躍を軸に、著者が出会った関係者への取材が描かれている。この問題に関しては「怒り」しかない。ほんとに恥ずかしい国だ、日本は。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「入管」
ニュースで耳にしたことがある言葉
そして、入管について、ウィシュマさんの報道で「知らなくてはいけないことがある」と思っていはいたが、日々の生活とかけ離れていて、なかなか報道以上のことを知ることは、知ろうとすることはなかった。
この本を読み、ウィシュマさんは氷山の一角であることを知る。
これはすべてにおいて言えることだけど、やはり「知ることから始まる」。
読みやすく構成された本なので、中高生にも読めると思う。
おすすめ。 -
日本の難民入国についてのルポタージュ
自分の無知無関心について思い知らされる。
現代の日本で、信じられない位の酷いことが、今も本当に近くで起きていることについて愕然とさせられた。
酷い事実である事柄を、読み易すくわかりやすく、感情的にならない調子で書かれていて、また、希望のある部分についても同様に書かれていて、文章や構成の凄さにも感動。 -
入管でのウィシュマさん死亡事件、ひどい事件とは感じつつ、難民制度、難民と移民の違いについて無知だったことを思い知らされました。日本の難民制度の問題と、入管での人権を無視した対応とは全く別問題だと思っています。恥ずべきことだと思います。一方で鎌倉アルペなんみんセンターの取り組みを知り、希望を見た気もします。自分として何ができるか、考えたいです。
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とても読みたかったノンフィクション。
2024.2.16(金)0:17 読了
入管の酷さ、人権意識の低さ
日本人の差別、偏見意識の高さ…
一人一人の人生や苦悩に焦点を当てられたルポ
読んでいてずっと苦しかった
最終章の鎌倉の難民受け入れ施設には希望が見えた
単一民族、先進国としての驕りは、今の凋落してきている日本では通用しなくなってきているのに
現に、もう、来てくれなくなっているではないか
日本人が出稼ぎに行っている、優秀な研究者などは海外に行ってしまうような現状で
どこまで世界に取り残されるんだろう
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N049
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エンジェルフライト、エンドオブライフに続く本著者今年3冊目。期待して読むが、期待感が高いが故の落差を感じてしまう。
入国在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースが記憶に新しい。入管在留管理局、難民の問題を描く。
「今や外国人労働者なくして地方経済は回らない、彼らは今の日本人と比べ物にならない程よく働く
やすい労働者が欲しいが、純血を重んじる日本は、定住されては困るの思想から、外国人労働者受入の体制が出来ている」
そう思う、おもてなし日本も労働力不足でサービスが低下しているのも実感している。人が確保できなければロボで行く道を探るかみたいな話を先日友人ともした。
在留管理局の施設で亡くなった女性のニュースでは女性の方にも否が有るような書込みもyahooニュースでされており、また多くのいいねマーク付いている事に残念に思う。
現代にまだこんな酷い状況の問題があり、認知されていないことに憤る。そういった意味では本書はこの問題を多くの人に広めた素晴らしい本と言える。
けれども、前作を読み期待していた私としては残念感が先行してしまった。著者の熱量を感じない、話を進める主人公に熱を入れられていない様に感じる。