DX時代に考える シン・インターネット (インターナショナル新書)
- 集英社インターナショナル (2021年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797680805
作品紹介・あらすじ
じつは日本でデジタル化が進んでいないのはなぜか?
2021年秋に発足するデジタル庁がやるべきことは?
「日本のインターネットの父」と「天才プログラマー」が語るインターネットの未来。
日々、IT、DXによって世界が激しく進歩、変化するなか、インターネット文化の普及、インフラの充実に貢献し続ける村井純と日本のデジタルを支え続ける竹中直純が対談。
日本のインターネットを総括し、「この国のデジタルのかたち」について語り尽くす。
インターネットが日本で急速に定着した1995年頃から25年が経過し、2021年秋にはデジタル庁が創設。インターネットの未来はどっちだ!?
【目次から】
・デジタル庁がやるべきこと
・日本のデジタル化はなぜ進まなかったのか?
・インターネットは何のために作られたのか?
・デジタル社会の未来はどうなるのか?
・天才プログラマーと呼ばれた男
【著者略歴】
村井純(むらい じゅん)計算機科学者、工学博士。慶應義塾大学名誉教授。1955年、東京都生まれ。
「日本のインターネットの父」と呼ばれ、84年に日本初のコンピュータ間ネットワーク「JUNET」を設立。その後もインターネットの発展・普及に貢献。
2013年、インターネットの世界的な発展・進歩に貢献した人物が選ばれる「インターネットの殿堂」入りを果たす。著書に『インターネット』(岩波新書)、『インターネットの基礎』(角川学芸出版)など。
竹中直純(たけなか なおずみ)プログラマー。実業家。1968年、福井県生まれ。
インターネットの技術コンサルティング、サービス開発、アプリ開発、インターネット技術を用いたイベントの企画・運用などを行なうディジティ・ミニミ代表取締役。タワーレコード、ニワンゴ取締役などを歴任。
坂本龍一のインターネットライブ、村上龍のインターネット小説などの制作にも協力。
感想・レビュー・書評
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読んでてなるほどと思うところがほとんどやったと思います。
「教育」と「医療」をまず最優先で
学校はたしかにインフラの中心なんです。
詳しいことはよく知らないですが学校は地域で区役所の次に堅牢な建物なんです。
だから区役所は災害対策本部になるし学校は避難所になるんです。
そういう意味で校長に競わせて速度を出させると。
学校が基地局になったらかなりインフラとして強いと思います。
「医療」は本当は真っ先にできるはずなんですよね。
オンライン診療とかコロナで進みました。
これから加速度的に進むと思います。
DXが進まないのは役所への不信感とあります。
もちろん個人情報漏洩とか反省しないといけないと思います。
ただこう言う議論するときに必ず「役所がごまかす」とか言われますがどれだけの割合なんでしょうね。
そこってあげつらえばあげつらうほど進まないと思うんですけどね。
ただ「日本の役所は優しすぎる」ってどういうことやろと思いました。
もちろんメールすら使えない人がいるから郵便対応しているのは事実としてあります。
しかし郵便物を封も開けずにくる来庁者対応があるという事実をご存知なのかなと。
そういう人にネットの使い方教えてどうなるんやろと。
ATMすら使えないから現金受け取り希望する人もいるのに。
でも「できる人に合わせる」という思考を否定してるわけではありません。
マイナンバーカードと通帳を紐付けて給付と徴税に活かすという発想は大賛成です。
ただ「できる人にはほとんど時間かからない」ですが「できない人には時間がかかる」という事実を無視しないでほしいです。
人員積算で「できる人」に合わせると僕は部下に「できない人」に「できるようになってください」と指導するように言わざるを得ないので。
これは誰も取りこぼさないと言ってるSDG'sに反しますよね。
パソコンにもレガシーデバイスってありましたがここ10数年で通信環境もレガシーデバイスと併存になってしまってるんですよね。
早くWi-Fiを導入したところほど通信機器の更新が課題になっていると。
1番負荷がかかる時間に合わせて回線を太くしておく必要があります。
今やったらテレワークもありますし。
休日はサブスクでアニメ見たりしますしね。
実際この辺は次の改修を見越して導入しないといけない時代なんでしょうね。
10年一昔…
「これからはインターネットを使って良いことをして生きようよ」
本書を読んで感動したところです。
日本がリーダーシップを取れるんじゃないかと。
日本人の気質がインターネットに合うと。
著者の方々がインターネットで日本語を使えるようにしていただいて本当に感謝します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルに色々と盛り込まれていて、
・DX時代→デジタル庁など、今置かれている社会の構造を変えること
・シン・インターネット→既存のインターネットを改めて再定義すること
といった進めるべき論点を整理して俯瞰的に見ることができたことができました。
それも雑談のような軽妙な会話のやり取りが本当に側で聞いているかのように、読みやすく、いい本だなーと思います。
そして、常に前向きに課題に取り組む姿勢は貫かれていて、そこはなかなか断絶にも近い感じもあり、この前向きな気持ちがあまねく社会に広がっていくといいのに、と感じます。 -
インターネットがいかに技術的に進化し社会の変化をもたらしても忘れてはならない,OSI reference modelの物理層のさらに下のレイヤーに通底する「スピリット」が本書を貫いている.それは「インターネットは何のためにあるのか」ということで,村井さんはそこがぶれることがない.
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p47 データをDNAに書き込む技術は実用化が近い
1立方ミリメートルで1エクサバイトぐらいの容量が期待されている だけど、DNAに書き込む機械が高い
p93 細谷雄一 言語を大事にしていることが、文化が生き延びることのひとつの条件だ -
コロナの影響で日本のデジタル化は20年分は早まった。
だからこそ日本の仕組みをデジタル化出来るかどうかの行動は「今」を、おいてないんだと思う。
2021年9月1日に発足したデジタル庁のこれからの動向が楽しみです。 -
“日本のインターネットの父”村井純と“天才プログラマー”竹中直純の対談本。昨今よく言われる日本のデジタル化の遅れについてインフラとサービスの話をきちんと分けている点からして凡百の議論とは一線を画している。ここ数年荒れ続けるインターネット空間だが、村井先生の未来予想を読んで少し元気を貰えた。あと日本の漫画を推しているのも興味深い。
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国のデジタル戦略の話は少しだけど、日本が目指したい、誰も取りこぼさないという方針は理解した。その他、見えている今後の技術の話はこれからもっと着目してきたい。
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わりと発売を楽しみにしてたんだけど、竹中さん、かなりセーブして聞き手に徹してる感じ。