グラス片手にデータベース設計 販売管理システム編

著者 :
  • 翔泳社
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本棚登録 : 306
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798105666

作品紹介・あらすじ

本書は、販売管理システムの構築に必要な"業務知識"と"データベース設計"を基礎から学べる解説書である。受注、出荷/売上、請求、発注/仕入、在庫管理などの各業務について、設計時に考慮すべき事例をつぶさに挙げ、それに対応する最適なデータベースをER(Entity‐Relationship)図で示している。巻末には業務とシステム両方の用語集を掲載。付録CD‐ROMにER図作成ツールも収録。章末には筆者おすすめの「カクテル」を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 業務ノウハウ不滅の法則。教科書的でイマイチ

  • 難しい。

  • 本書は、販売管理システムの構築に必要な“業務知識”と“データベース設計”を基礎から学べる解説書である。受注、出荷/売上、請求、発注/仕入、在庫管理などの各業務について、設計時に考慮すべき事例をつぶさに挙げ、それに対応する最適なデータベースをER(Entity‐Relationship)図で示している。巻末には業務とシステム両方の用語集を掲載。

    【1】業務の裏には会計あり。業務データは必ず仕訳データに連携される。

    販売業務では、受注→出荷→売上→請求→入金のような業務フローがある。
    業務データの裏には、仕訳データと連動している。

    普通はお金のやり取りが発生したタイミングで仕訳が発生するから、
    売上処理で「売掛金//売上」、
    入金処理で「当座預金//売掛金」という仕訳が発生しているだろう。
    業務SEは、この流れを理解しているから、業務分析ができる

    仕訳の知識が必要な理由は、業務には例外処理や訂正処理が非常に多いから
    ERPでは、会計システム連動の機能は、普通は、自動仕訳と言う仕組みでIT化されているのが普通

    【2】赤黒伝票という訂正仕訳。逆仕訳。

    日本特有(?)の会計処理として、売上や入金などに関する仕訳データを修正する場合、赤黒処理を行う。
    つまり、直接データを修正するのではなく、黒伝票を赤伝票で相殺して、正しい仕訳を追加する方法を指す。

    簿記3級では、訂正仕訳とも呼ばれていて、「まず正しい仕訳をメモしておき、誤った仕訳の次に逆仕訳、その次に正しい仕訳を書く」(正誤逆正)

    【3】締め処理という考え方。支払いサイト、月次締めの違い。

    日本特有の請求処理として締め処理という概念がある。
    例えば「月末締め翌月末払い」とは、毎月末に売上や仕入の請求を締めて、翌月末に入金や出金を行うことを指す。
    つまり、掛取引を締め日と言うタイミングで一括処理するのが日本の商習慣。
    日本の会社は基本的に、5日、10日、20日、30日のように5の倍数の日に締め日を指定しているから、銀行は5の倍数の日は非常に忙しい。
    給与振込も普通は5の倍数の日が多いだろう。

    支払い方法は銀行振込以外にも日本特有の手形取引という手法もあり、手形の振出日から期日までの期間を支払いサイトという。
    「月末締め翌月末払い」の例では、支払いサイトは「月末の振出日から30日サイト」になる。
    「20日締め翌月末払い」の例は、支払いサイトは「振出日20日から40日サイト」になる。

    【4】残管理を業務システムがサポートする。

    受注残(受注したが未計上)、未請求残(売り上げたが未請求)、売掛残(請求したが未入金)などの例がある。
    つまり、残管理を徹底して、出荷漏れ、請求漏れの防止や未入金顧客への督促などを支援したいのだ。
    昨今のように会社倒産が多い場合、売掛残の管理がしっかりしていないと、せっかく売上があっても入金されないと言う悲しい事態が起きやすい。

    【5】株式会社が必要とする会計帳票。主要簿と補助簿。

    株式会社が必要とする会計帳票には簿記3級では主要簿と補助簿に分かれる。
    主要簿は仕訳帳と総勘定元帳。

    仕訳帳は日々の仕訳を日別に記録した帳簿。
    日次で出力する時が多いが、量が膨大なので本当にチェックしているのか、と思いたくもなる。

    総勘定元帳は、仕訳帳から勘定科目ごとに転記した帳簿。
    いわゆるT字形勘定に相当する。
    総勘定元帳は月次で出力する時が多い。
    総勘定元帳は、国税局や経営者へ提出する会計帳票の元ネタとなる帳簿であり、とても重要。

    補助簿は、買掛金元帳、売掛金元帳、商品有高帳は既に上げたが、他に重要な帳簿として、現金出納帳や当座預金出納帳がある。

    【6】業務の裏に法律あり。

    最近は、J-SOX、個人情報保護法、コンプライアンス、CSRなど会社を縛る色んな法律や概念がある。
    業務システムの仕様が複雑になるのは、それらの法律を反映させる必要があるからだ。


    ■目次

    1 業務システムの概要とマスタの設計(販売管理システムの全体像
    基幹業務システム構築のポイント
    部門/社員/商品マスタの設計 ほか)

    2 販売システムのDB設計(受注業務のDB設計
    出荷/売上業務のDB設計
    請求業務のDB設計 ほか)

    3 仕入/在庫システムのDB設計(発注/仕入業務のDB設計
    入庫/倉庫移動業務のDB設計
    在庫管理業務のDB設計 ほか)

  • ER図について理解するため
    -----

    古い本なのですが、オブジェクト設計(データベースのモデリング)を学べる参考図書を2つ紹介させて頂きます。

    「データモデリング基礎講座」
    http://goo.gl/gqB4BO
    →リレーショナルデータベースのモデリング基礎を解説しています。様々な業務要件を題材にオブジェクトの抽出、必要な項目の定義、リレーション関係の繋げ方を学ぶ事が出来る内容です。Salesforceのオブジェクト設計にも応用できると思います。


    「グラス片手にDB設計(販売管理システム編)」
    http://goo.gl/m0w2m
    →上記に似ていますがこちらは販売管理システムに特化していて一般的な販売管理の業務の流れを学びながらそれに沿ってオブジェクト設計をしていく内容となっています。一口に販売管理と言っても実現のLvは様々です。あるLvを超えるとSalesforceの制約下では実現が厳しい構成もあり、よく「Salesforceは販売管理には向いてない・リスクが高い(※業種にもよる)」と言われる所以がなんとなくわかると思います。
    とはいえESMBでもSFA/CRMだけでなく販売管理まで展開したいという話は多くなってきております。顧客要件をヒアリングした上で正しく見極めを行う為の前提知識として知っておいて損は無い内容がこの本には詰まっています。

  • プロはどのようにシステム設計しているのか、参考のために購入しました。
    わが社の場合、営業活動の成果がほぼ店舗での現金収入です。自社物流センターに仕入を集約しているので店舗の発注先は物流センター、自社工場の売り先はほぼ外部にはなく、あくまで内製のためにあります。
    既存の取引先とはちと事情が違うため、外部との取引のなかで、こちらからは見えない売り手側の事情を理解するよいきっかけとなりました。まだ物流センターもなく会社の規模が小さかった頃は私自身も店舗の営業で、思えば出入りの業者さんには無理ばかりいったなあ。本書を読み終えて、すいませんでしたって感じになりました。

  • 販売管理を考える上で、一般的にはどのような仕組みなのか、とても参考になりました。
    システム設計に関係ない人でも、販売管理をする方は、自社の手順を見直す上でも参考になると思います。

  • データベース設計の部分よりも業務が簡潔に纏められていて、
    データモデルからイメージしやすく、私の中では非常に良本。
    新人時代に読んでおきたかった本。

  • はじめて業務システムの設計に携わった時に、先輩に勧められて買った本。
    内容は、販売管理システムの基本的な流れと、それを実現するために、どのように、テーブルを作成きていくべきかをわかりやすく解説している。
    販売管理は、受注して出荷して売り上げるだけだけど、その中にはいろいろ考えるべきことがあることがわかった。
    前提知識がない私でスラスラ読めたので、入門書としてはオススメ。

  • 会社入ってから上司から最初渡された本。(`_´)ゞ

  • 会計知識の方を先に読んだのですが、こちらもお勧めされたのでよみました。
    業務知識とデータベース設計のバランスの良さ、カクテルの解説、全て同様に
    ためになります。

    生産管理業務についている方は、例えデータベースに関わっていなくても是非一読を。
    生産管理業務をわかりやすく解説している本は少ないため、業務知識が得られるという
    だけでも読む価値があります。

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著者プロフィール



「2016年 『グラス片手にデータベース設計 販売管理システム編 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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