IMPACT MAPPING: インパクトのあるソフトウェアを作る

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (77ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798135939

作品紹介・あらすじ

インパクトマップとは?スコープとその背景にある仮説を視覚化したマップである。技術側、ビジネス側、両方のエキスパートが協同で作る。なぜ(WHY)?誰が(WHO)?どのように(HOW)?何を(WHAT)?上記4つの質問に答えることで発想を広げていくマインドマップを作るのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 「アジャイルな見積りと計画づくり」のオニオンの一番外側、あるいは「アジャイルサムライ」のインセプションデッキの実装の1つとして、本書で紹介されているインパクトマッピングが使える、と直感的に。
    (「リーン・スタートアップ」は現時点で読んでないのでわからないけど、たぶん対応するものがあると思う)

    マップを最初に作る、そして作り続けていくこともさることながら、ステークホルダーを集めてファシリテーションするところも大変そうだなぁ、と思う。もちろん、それに見合う価値があるんだろうけれど。そのあたり、ヒントが欲しい由。

    本書はリファレンス的に使えるように敢えてエッセンスだけにして薄くしてある(ちなみに邦訳もわかりやすいと思う)、とのことなので本書で扱う範囲ではないんだろうけれど、ないものねだり。

  • ソフトウェアをアジャイルとマインドマップを合わせて作る方法のノウハウを書いている。

    シンプルで分かりやすいが、割とよくある事を書いているので、この世界に初めて入る人にはオススメですが、知ってる方には重複しているないようかなと。

  • 読み終わったー\(^o^)/
    マインドマップを使った要件管理手法。
    簡単な手法ですぐに試せそうなものでした。

  • ソフトウェア導入のゴールを明らかにし、ステークホルダー間で共有するための手法について。ゴール指向型で考えるための技法。ちなみに開発implimentationでなく導入deliveryと言うのもステークホルダーの価値について考えるため。ソフトウェア開発においてはゴールの共有が重要だ。何のために開発しているのかは見失われがち。ゴールを見失うと、声の大きなユーザに要件が引きずられたり、コストやスケジュールとのトレードオフでどこまで何を妥協すべきなのか分からなくなってしまう。本書はインパクトマッピングという名前の手法を用いて、どんなステークホルダーにどんな行動・インパクトを与えようとしているのかを明示しようとしている。つまり、「インパクトマッピングは、組織がソフトウェアを使ってインパクトをつくり出すための戦略プランニングの手法」(p.vii)だ。

    ただ、この本は意図的に短く書かれていて、クイックリファレンスの役割を果たそうとしている(p.ix)。ちょっと説明が不足していると思える点もある。また、インパクトマッピングの特徴や効能が先に書かれていて、実際にインパクトマッピングがどういうものなのかは後半で書かれている。最初の方は読んでいても実態が分からず、やや焦燥感を覚える。

    さてインパクトマッピングとは何なのか。それはマインドマップを使って書かれている(p.29-32)。中心にまずゴールを置く。その下の第一階層にステークホルダー(本書ではアクター)。第二階層に行動やインパクト、第三階層にソフトウェアの機能と成果物を書く。中心からWhy, Who, How, Whatと並ぶことになる。それぞれ、ソフトウェアをなぜ作るのかのゴール、そのゴールを(ソフトウェアを使って)誰が達成するのか、どういう行動でその人はそのゴールを達成するのか、何によって達成するのかとなる。例えば本書にある例では、ゴールを「ゲームのプレイヤー数100万人」とすると、ステークホルダーにプレイヤー、行動に「友達を招待する」、機能に「セミオートの招待システム」などとなる。この4つを組み合わせると、「プレイヤーがセミオートの招待システムを使って友達を招待することにより、プレイヤー数100万人を達成する」といったストーリー・仮説が作れることになる。

    たぶんインパクトマッピングのポイントは、ソフトウェアの機能ではなくて、それを使ったステークホルダーの行動にフォーカスしたところなのだろう。利用者を明確にすると、機能をどうすべきか理解しやすい。また、Why, Who, How, Whatと構造化することによって、ゴールの達成に寄与しない項目を防ぐことができるだろう。マインドマップを使うため、ホワイトボードなどで顧客と開発側で一緒に議論しやすい。

    ただ、各階層に書くものが決まっているのでマインドマップよりは、エクセルで表を作ったり、ロジックツリーのようにした方が見やすいだろう。マインドマップでは左右にマッピングが広がった時、各階層に何があるのかほとんど確認できない。各ノードが何階層目にあるのかもマップが大きくなるほど分かりにくい。マインドマップがビジュアルで分かりやすいとは、実務で大きく広げていったときにはちょっと共感できない(p.34)。インパクトマッピングのポイントは、マインドマップで書くことには依存しないだろう。

    一番気になったのは、ゴールとして設定されているものの例がビジネスゴールとしてはちょっと低いと思われる点だ(p.5, 14f)。「プレイヤー数100万人」や「処理コストを10%削減する」といった例は、もう一段上の経営目標のレベルから考えるべきだろう。プレイヤー数100万人といってもなぜその目標なのかによって、トレードオフが発生した際に判断は変わる。例えば、コストを気にするよりもとりあえず拡散させ認知させる段階なのか、成熟期でROIを気にしつつもう一段上の成長を目指す段階なのか。それによってトレードオフの時に優先度を下げるべきインパクトは変わってくる。本書に書かれているゴールはシステム情報部長あたりが持つゴールのレベルだが、より上のレベルを見るべきだろう。

    また、非機能要件や運用上のメインテナンスの容易さ、今後の拡張性、セキュリティといった話題はインパクトマッピングでは見えてこないだろう。こういった論点は機器調達やアーキテクチャの選択に関わる重要な論点だ。インパクトマッピングは、ステークホルダーが行う新しい行動にフォーカスしていて、非機能要件など新規ではなく「守り」の要件については弱いと思われる。

    インパクトマッピングは戦略的プラニングの手法というよりは、ソフトウェアが達成すべきゴールの整理に使うフレームワークだと感じた。マーケティングを4Pで、業界構造をファイブ・フォーシズで、地域市場特性をPESTで整理するなどのように使えるだろう。

  • IMPACT MAPPING というマインドマップを用いた戦略的計画技法を紹介した書籍。

    多くのステークホルダーが関わる製品開発において、
    マインドマップに Why / Who / How / What のツリー形式で
    記述を行うことによって、

    ゴール・アクター・インパクト・成果物

    をステークホルダー間で共有します。
    これによって、従来の手法で目的の共有不足によって起こっていた
    損失を防ぐことができる、としています。
    そして、仮定をもとに実証計測してサービスを良くしていきます。

    上記のような内容の各要素を細かく説明し、
    また、対比として従来の手法の問題点を挙げています。

    IMPACT MAPPING の公式サイトにもある程度の文書があります。
    書籍版は多くの挿絵をふんだんにつかってまとめてあるため、
    より理解を深めたい方向け。
    また訳書ということもあり、日本語で読みたい方向け。
    といったところかと思います。

    マインドマップを利用して、経験から似たような使い方をしていた方も
    いらっしゃるかもしれませんが、手法に名前がついて定型化されることは
    コミュニケーションを行う上でも価値のあることかな、と思います。

  • まずは、書かれていることを信じて実践してみよう

  • ゴール→アクター→インパクト→成果物、という階層でマインドマップ=IMPACT MAPPINGを作成し、それをチームで共有すべきビジョンやマイルストン、優先付けに活用していく。実際にこのIMPACT MAPPINGによって成功させている著者だけあって、効果的な使用法や留意点がとても現場的。利害関係者に加えて邪魔する人もアクターに書き出したり、仮説の設定・検証が面白かった。アクターに起こる変化を“インパクト”と呼称するのはとても良い命名。「意思決定者を参加させること」を何度も強調しているのは生々しい。
    薄いし絵も多いが、情報量はとても多く、読み応えがあった。

  • 読みやすいし、マインドマップの書き方ルールとして役に立ったかな。
    狙っているところは、すごくよく分かるだけに、同じ内容で、10倍ぐらいの内容の本が読みたかったな。関連資料を読めってか。
    というか、もう自分でやれって話だな。

  • why/who/how/whatを絵にする。インパクトある本。挿絵が好き。

  • ■「Impact Mapping」訳者平鍋さんからの紹介記事 bit.ly/1erUCQb >マインドマップを使ってビジネス意図を表現することを提案

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