蟻の菜園 ―アントガーデンー (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800244314

感想・レビュー・書評

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  • 『最後の証人』・『検事の本懐』の佐方貞人シリーズで柚月さが好きに。
    『あしたの君へ』では家裁調査官補の活躍がさわやかで、ますます柚月ファンに。
    その次に読んだ『孤狼の血』は警察小説で私にはハードすぎ…

    『蟻の菜園 -アントガーデンー」
    「連続婚活不審死事件」がテーマ。
    読み始めた時には、以前、実際にあった事件を思い出したりしたのだが…

    「連続婚活不審死事件」の容疑者として逮捕された円藤冬香。
    しかし、彼女には完璧なアリバイがある。
    フリーライターの今林由美は、事件を追う。
    調べていくうち、しっくりいかない何かが彼女のアンテナにひっかかり…
    この事件にはそんな背景があったのか…

    柚月さんのミステリーは面白い!
    未読の『検事の死命』も早く読みたい!

  • 初読み!第二章からテンポ良く読み進んでいけました。



    最後あんなことしなければ悠々自適に過ごせたんじゃないのかなぁ〜と思ったり^^; でも悲しい過去は消せないよな……
    「共依存=蟻の菜園」なるほどなぁと思いました。

  • 実際にこんな事件起こりそう。
    なぜ、それを知りたいと突き詰めていくところがいいんだろうな。

  • どこまでも悲しくて救われることがあるようでやっぱり待ち受けていたのは深い闇。読んでいてもただただ辛いだけなのに、読後感は妙な達成感があったのはとても不思議。読みきったことで見えてくる問題提起とわずかばかりに残されている未来の入口がこんなにも明かりとなるのだろうか。

    共依存の虚しさは計り知れないけれどそうせざるを得ない状況で生き抜いてきた姉妹の切なさがずしーんと。

  • 婚活サイトを利用した詐欺と連続不審死事件を追うライターがたどり着く姉妹の物語。
    木嶋死刑囚の首都圏連続不審死事件が下敷きにあるとは思うが、本質は救済の手が及ばない不幸な姉妹について考えさせられるお話だった。
    姉との再会の喜びの一方で転落に向かう妹の感情、「私」があなたを救うためにギャンブルを勧めるという契機には深く納得することはできず、やるせなさが大きかったが、刑を償った先の姉妹としての人生の予感に少し救われた。
    19-132

  • 現実に起きた事件を想起し、ドキュメント小説かのような導入部。しかし、佐方貞人シリーズをものする著者は、現実の事件をモデルに、良質のサスペンス小説に昇華させた。
    完璧なアリバイがある容疑者に、疑問を抱いたルポライターの女性主人公は、やがて何とも凄惨な過去を持つ姉妹にたどり着く。主人公はルポライターであるが、過酷な運命をたどる姉妹があくまで主役の物語。
    途中挿入される一人称の人物が誰か、読み進む中で読者にも次第に想像がついてくるが、それも著者の計算のうちか。その伏線と、謎解きが最後のページまで読者を惹きつける。題名の意味は、最後で納得できた。

  • 後半に向けてどんどん加速するストーリー。でも、自分の読みたい気持ちを乗せてくれて、こっちも加速。スピード感を感じながら読み切った。

  • 婚活サイトを利用した連続不審死事件に関与したとして、殺人容疑がかかる円藤冬香。

    しかし冬香には完璧なアリバイがあり、共犯者の影も見当たらなかった。
    並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯行動機に興味を抱いた週刊誌ライターの由美は、事件を追いはじめる。
    数奇な運命を辿る美女の過去を追って、由美は千葉・房総から福井・東尋坊へ。

    どこかで聞いたような話だけど、面白かった!
    「蟻の菜園」ね……読まないとわからないわな(^_^;)
    もっとわかりやすく興味を引くタイトルにすればいいものを……www

    ま、私は虫好きなんで(触ったりはしないけ
    ど!)このタイトルでよかったけど!w

  • どこかで起きているのでは

  • 主人公は雑誌の編集者。連続不審死事件を調べていくうちに、婚活サイトを利用した殺人容疑がかかる美人容疑者の壮絶な過去が明らかになっていく。児童虐待や子供の貧困など、児童福祉問題がテーマ。全体が重く悲しい内容で、後半は結末も予想できる流れだったが、タイトルは最後まで内容と結び付かない。それを知りたくて一気読みした。

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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