新装版 ジェネラル・ルージュの凱旋 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2016年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800249081
作品紹介・あらすじ
東城大学医学部付属病院に伝説の歌姫が緊急入院した頃、不定愁訴外来の田口公平の元には匿名の告発文書が届いていた。救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという。高階病院長の特命で疑惑の調査を始めた田口だったが、倫理問題審査委員会の介入や厚生労働省の変人役人の登場で、さらに複雑な事態に巻き込まれていく…。「バチスタ」シリーズ第3弾、待望の新装版!
感想・レビュー・書評
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バチスタシリーズ(田口・白鳥シリーズ)の第3弾です。
読み始めた時に「あれっこの物語以前に読んだことある」と思いながら読み進めていたら、前回読んだ「ナイチンゲールの沈黙」の物語の傍らでもう一つの物語が同時進行していることに気付きました。それも壮大な救命救急の舞台で。
救命救急の現場では命を救うのが最優先であり、そこには病院の利益とか予算管理とか考える暇もないはずですが、現実はそうではないことがひしひしと伝わってきます。すごく難しい問題ですね。
昼も夜もなく最前線で戦っている医療スタッフには心から敬意を表します。また、確実に休息できる時間が訪れますことを祈ります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「報道するヘリは一台で良くないか?」と切迫した事故などを中継するニュースを見る時、ふと感じることがあります。
理想と現実の狭間でもがきながらつぶれていく人が、現実には数多くいるのだと思うと虚しくなりました。 -
どこの世界でも弱い立場の人を主眼におくと、経済の論理に負けてしまうことがある。それでも理想を貫こうとする人はなんと意思が強く孤独なのかと想像する。こうやって戦っている人がきっと沢山いるはずだと思って読んでいたら涙が溢れてしまった。それぞれがそれぞれの立場で正義を抱えて一生懸命生きている世界が眩しいです。
前作と被るストーリーが随所で見られ、なるほど!ここでそう絡むのかーとワクワクさせられます。仕掛けたくさん、シリーズで読む醍醐味を感じさせてくれました。 -
チームバチスタシリーズの第三弾?
医療職の人間ですが、情景描写がリアルで、表現もわかりやすいです。病院あるあるも沢山あります。
チームバチスタ同様に良作だと思います。オススメ! -
(文庫版p308)
やっと牢獄から解放される。どれほど、ここに幽閉され続けたことか。ひとつの季節が終わりを告げようとしている。振り返ると、手の中には何も残っていない。
季節に喩えるのすっごい刺さる!!!
私も看護師辛すぎるけど喩えるなら冬になるのかな…辞める日にひとつの季節が終わる、って思うのエモい。
季節が変わる、新しい何かが始まるって感じがするのハオ!!
内容は台詞回しキザでいけすかない感じしちゃうな〜〜ちょっと癖あるからシンプルに好みの問題。
芝居がかった感じはキャラや展開に馴染まないとどうにもな、、
ルージュ関連はキザすぎて私は鳥肌だった! -
913.6||Ka21
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海堂先生大好きなので⭐︎5です。
本当に面白いと思う、人物の描写があーこういうひと居そうだなって思える。各々の感情も伝わる。タンクローリー事故からの火災対応シーン、速水先生活躍シーンは読んでて泣きそうになります。 -
医療モノがあまり好きではない私でも読める。
こっち系は、あっという間に古くなるなあ… -
速水先生が堺雅人にしか見えない。
読んでいても映画の映像が浮かんでくる。 -
部長の速水晃一率いる、救命救急センターが舞台。
医者と医療メーカーの癒着問題を暴くミステリーの要素を含みながらも、死後解剖の是非や病院経営の課題など社会的な問題に切り込む。
臨床で患者に向き合い倫理観を培った速水が、机上の論理を並べ立てる法律家たちを一蹴するシーンが印象的。
恐ろしい現場をくぐり抜けてきたであろう速水の、ある種の正義と高潔さが皆を飲み込んでしまうようだった。