先生、この「問題」教えられますか? (新書y)

  • 洋泉社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800316899

作品紹介・あらすじ

2020年度から本格的に実施される「教育改革」に向けて、
混乱が予想される教育現場における全国の中学・高校の現場教師に向けた、
アクティブ・ラーニング実践者・教育者の石川一郎氏と矢萩邦彦氏による
「教育大改革時代の、教師のための教科書」ついに登場!

感想・レビュー・書評

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  • 学習指導要領に従うではなく、沿うという感覚をもてば、遊びをもってカリキュラムができるのでは?

    教師は問う人。焦点化して問うことによって、子どもを気づきへ導く。
    例 アリの絵を描いてごらん。頭と胴体のみの胴体から脚が4本出ているものを描く。本物のアリを見ながら描いてみよう。それでも、見ずに描いたもののと同じようなものを描く。体は頭と胴体だけかなー?脚は何本かなー?脚はどこから出ているかなー?と問うことで、初めて見ることができる。 

    思考コードによる問題作成を。

    第3の教育を。
    第1の教育…自分以外の国や学校、保護者などが決定したことに従うタイプ。
    第2の教育…第1の教育に反発した人が権威に従わずに自由にやっていく教育。
    第3の教育…大人が管理するではなく、子どもに任せるでもない自立性をナビゲートする教育。

    自己肯定感と評価
    テスト前に全然勉強していないというのは、自己防衛である。低い評価を恐れているのである。しかし、従来型の評価でもモチベーションが上がる児童もいるので、実態に合わせた判断が必要。ただ従来型の自己肯定感を下げることにつながりうる評価は考えもので、自己肯定感をあげることにつながりうる評価にしたいものである。

    国語力の5つの分解
    読解力、文法力、語彙力、論理力、対話力

    これからは、AIやロボットと共に生きる時代を歩むことになる。その中では、スマホなどを当たり前に使いこなす必要がある。正しい使い方を伝え、機器に慣れることも必要である。

    教科書が面白ければ教師は必要ない。教科書を使って、如何にかねな面白い授業をするかが教師の役割の一つ。

  • 私が勉強不足何だと思いますが…。難しかったです。

  • 盛り込みすぎて論点がはっきりしない。カタカナ用語が多い。その注釈?がついているのはありがたいのか?

    国語はリテラシーだけでなく思考力を育む学習であるという主張に賛同。

    長期的な視点を欠くと行き当たりばったりで測ることが容易なものばかりに注目がいく。

  • 2020/2/1 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2020/2/16〜2/19

    答えが一つとは限らない時代の教育について、問題点の指摘と対策まで非常に突っ込んだ内容。ただ、問題があるとすれば、いくら良い制度を作っても、教育を受ける側がついてこないと上手く働かない。全員がついてくるようにすると、上位層は、という堂々巡り。答えの無い、あるいは複数ある問題を考えることhz素晴らしいけど、考えるためには知識が必要で、そのあたりのバランスが難しい。

  • 主体性と言う言葉が気持ち悪いほどに連呼されるなか、仏教哲学や、ハイデガーの学習者の応答性といった、主体性は受動から始まるのだという視座をしっかりと持っている本書は、信頼するに足る。
    現在、主体性が大事大事と連呼されていることがなぜ気持ち悪いのか?なぜなら、その言葉が投げかけられた被教育者は、いかなる主体性を発揮しようとも、その主体性のようなものは、もはやそれは発揮しろと言われた上で発揮された主体性であり、それは本当の意味での主体性ではなくなるという呪縛に陥っているからだ。つまり、主体性を発揮しろと言われた者は、いやそんなことはしないという形で応答した時にこそ、逆説的に主体性を発揮したことになるのだ。しかし、そのような形でしか発揮できない主体性もまた、主体性と言えるだろうか。
    いずれにしても、大人に主体性を発揮しろと言われる筋合いはないという子供たちであってほしい。大人は、あれこれ子どもを評価している暇があるなら、自分の領分で主体性を発揮している姿を子どもに見せていればいいのである。

  • <目次>
    序章   対談:戦後7回目の「2020年改革」、どう考えて取り組めばいい?
    第1章  新時代に向けて、生徒のどんな力を伸ばすべきか
    第2章  答えのない「問題」をどうやって教える?
    第3章  想像力を伸ばすための授業デザイン
    第4章  AI時代を「生きる力」とは?
    第5章  主体的で対話的な「職員室づくり」が急務!
    第6章  小中高12年間を連続的に考える
    第7章  生徒の未来のために「教師がやるべき12の改革」
    終章   対談:新時代の教育に向けて

    <内容>
    いよいよ始まる大きな教育改革(大学入試はとんだミソがついていますが…)。その中で「教える」にしぼって、教師の考えを見直すための本。
    AIが世の中で活用されるようになると、従来型の日本の教育は役に立たなくなるのはもう必至である。与えられた知識を使って、どのように自分で考えるのか、相手の立場に立てるか、行き詰まった(失敗した)時の対応…。その道しるべとなりそうな本である。むろん、古い頭の我々には理解のできない部分もある。でもここでやらないといけないのではないか?  

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著者プロフィール

「聖ドミニコ学園」カリキュラムマネージャー、経済産業省「未来の教室」教育コーチ(2019年度)、知窓学舎カリキュラムマネージャー、「アサンプション国際小・中・高等学校」教育監修顧問。「21世紀型教育機構」理事。1962年東京都出身、暁星学園に小学校4年生から9年間学び、85年早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。「21世紀型教育」を研究、教師の研究組織「21世紀型教育を創る会」を立ち上げ幹事を務めた。著書に『2020年の大学入試問題』(講談社)、『2020年からの新しい学力』(SBクリエイティブ)などがある。

「2021年 『いま知らないと後悔する2024年の大学入試改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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