活学新書 勝海舟修養訓 (活学新書 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800911070

作品紹介・あらすじ

幕末の英傑勝海舟が説いた人間を磨く50訓。

感想・レビュー・書評

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  • ・人はギリギリまで追い詰められた時に、思いがけず閃くもの。実地に生かすことを可能にしたのが、ありとあらゆる困苦艱難。困苦艱難があってこそ、学んだことが生かされた。つまり、困苦艱難があってこそ、学んだことが生かされる。活学問になり得ない、単なる知識でしかない学問は、下手をすると奢りのもととなる。

    ・相場が下がったときに何を積み重ねていくか。力が貯えられ、人間に磨きがかかるのは、むしろこのとき。

    ・「捨ててかかる」「勝敗の念を度外に置く」「虚心坦懐」つまりすべてのこだわりを捨てて無心になり、かつ、大らかな心で挑むということ。現代に生きる私たちは多くのことにこだわりすぎている。守るべき信念へのこだわりは別として、たいていのことはそれこそいざとなれば捨てられるものではないか。こだわる心はストレスをも生む。やはり捨ててかかることは大切。

    ・「世のため人のため」とはよく言われることであり、また、人はそうあるべきだが、言葉だけが一人歩きしないよう努める必要がある。言葉にせずとも黙々と行い続けていれば必ずわかってもらえるときが来る。いえ、そのときが来なくても行ったということが大切。〜〜のためという思いがうぬぼれにならないためには、当然のことをしているのみだと自分を戒めることだろう。

    ・正心誠意とは、その意を誠にして心を正しくするという意味であるところから、私利私欲を度外視し、一点の曇りもない心で事に取り組むことと言える。常にこのようにあろうとするのは非常に難しい。自分の行動を少し離れたところから観察し、私心が見え隠れしていないか厳しく内省する必要がある。その努力なくして知行合一はあり得ない。行わないなら知らないのと同じ。結果どうこうより、それに向かって行動しているかどうかを断じている。

  • 関係性が近い人間よりも第三者の言葉の方が受け入れやすいことがあるが、それを感じさせる書。自身になることも多いが、耳が痛いことがとても多い。書の言葉を素直に受け入れてしまう大きな理由のひとつは、海舟の粋な考え方にあるのだろう。「言わせておけ」的な克己心がありながら、万人の言葉を素直に取り入れるあたりは、見習うべき姿勢です。

  • 結構前から気になっていた勝海舟。その言葉をまとめた抄訳本。

    小手先の技術に頼らない、些細な事でもやり抜くことなど自分が常々だめだなと思っていたことがはっきり言葉にされていてぐさりときた。

    どんな人でも招き入れて話を聞いたり、刀を抜かずに敵を追い払うなどのエピソードも多くあり、勝海舟のことを知る入り口になった。

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著者プロフィール

1966年、東京都に生まれる。文化女子大学服飾学科を中退後、インポートアパレル会社に勤務。同業界で数回転職を繰り返したのち25歳でコピーライターに転身、大手出版社の編集プロダクションに勤務。1年弱で独立、以降フリーランスとなり現在に至る。広告企画&コピーライティング、女性誌の特集記事の取材執筆、書籍の出版プロデュースおよび編集・執筆、WEBサイトのディレクション&コピーワークなど、幅広い分野でプランナー&ライターとして活躍している。著書に、ADHDと診断されるまでの半生を綴った『ADHDとして生きる——おりこうでない私の半生』(診断と治療社、2005年)がある。妻であり一男一女の母でもある。

「2006年 『ADHD・アスペルガー症候群のある子と親のためのポジティブライフガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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