- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801003194
感想・レビュー・書評
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能力があり距離感がおかしいひとにロックオンされるスリラー。読後感は『座敷女』だった。スティーブン・キングの『ミザリー』が題辞に使われているので、まあまんまネタバレなのだけど、じゃあどうやってそこにもっていくのか、ハラハラしながら読み進められた。作中に出てくる文学論議にあまり惹かれなかったので(Lは頭がいいのにずいぶん素朴なことを言うなあと思った)、ひたすらLの追い込みのかけ方を追うという読み方。Lだけではなく全体的に気持ちが悪くて(ほんと、悪いのはLだけじゃないんですよ!)夜更かしして読んでしまった。
それにしてもデルフィーヌが妙に脆弱で。何冊も本を書いて、別れた男との間に生まれた双子をまっすぐに育て上げて、突如現れた人間にそんなにつけこまれるなんてことあるんだろうか?という疑問が頭から離れなかった。そのこと以外にもデルフィーヌのふるまいの数々にこころからは納得していないんだけれども、ひとつのストーリーとしては面白かった。繰り返しになるけれど、気持ち悪さが絶妙。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画「告白小説、その結末」2017ポランスキー監督の原作
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自分は怪物級に面白かったが皆さんは↓(ニマリ)(あんまり読んでる人いない)。こういう本がひっそり出版されて全然話題になってないって読んだ人だけの特権じゃん!内容は至って地味です。自分と似たような職業で見た目は小綺麗な友人に依存し支配されていく。でもそれって虚構なんですよね?え?違うの?どっちなの?と、ずーっと続く。これほど過去に読んだ本や見た映画を思い起こされる作品もなかった。フランス産。ありがとう水声社。読後のこの満足感は、○○が意外に気持ち良くてぼーっとしながらうっすら可笑しい感じに似てると思った。
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挿入されるスティーヴン・キングのフレーズが、怖さを予感させ、象徴する。『ミザリー』と対になるようだと何度も思う。
メタフィクションかどうかはさておいて(面白さこそが判定基準なので)、2/3くらいまでは2人の女性の友情が丁寧にただ淡々と語られ、ハイスミスかデュ・モーリアかという「何かある」感がうっすらと漂うだけなのだが、その後のそれらの回収ぶりが見事というかすごいというか。
いや〜、最後の一語、怖いわ。
『ユージュアル・サスペクツ』のネタバレはいいんでしょうかという老婆心。