文豪たちの悪口本

制作 : 彩図社文芸部 
  • 彩図社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801303720

感想・レビュー・書評

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  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000167481

  • 太宰治、中原中也、夏目漱石、志賀直哉…名だたる文豪たちが日記や手紙、随筆などに書いた〝悪口〟を集めた一冊。

    名作と言われる作品を残した人物とは思えないぐらい直截的な罵詈雑言。
    たまにニヤッとするものもあるけれど、子どもの喧嘩のようなものもある。

    中でも面白いのが、中原中也が初対面の太宰治に言ったという「青鯖が空に浮かんだような顔をしやがって」という言葉。こちらは詩人らしいウィットに富んだ言い回しとも思える。

    それに比べ、菊池寛vs今東光、永井荷風とのやり取りは、もう小学生の喧嘩みたいで笑うしかない。
    とは言え、文豪も人の子。腹が立つものは腹が立つだろうし、芸術家肌の人のほうが却って子供っぽいのかも知れない。

  • 文豪たちの悪口集という、面白い切り口の、パンチの利いた本。
    言葉のプロだけに、その刃はかなり鋭利です。

    文豪だからといって、品行方正な人間のお手本というわけではないんだなあと改めて感じます。

    作家伝などからは見られない、同業者同士の仁義なき口争いを見ると、作家も生の人間で、けんかっ早い人も多かったとわかります。

    作家同士の悪口の応酬も掲載されていますが、どうも太宰治の登場回数が多いです。
    そんなに周りを口撃する人だったのでしょうか。

    坂口安吾は『堕落論』を書いたので、堕落寄り(?)の人かと思っていましたが、文章を読むに至極まっとうな人だと感じました。
    敬遠していたきらいのある『堕落論』ですが、著者への興味を持ったのを機に、読んでみようと思います。

    芥川龍之介が夏目漱石を語る際に、
    「先生はロダンを山師だといい、モオパスサンを巾着切りみたいなやつだと言っていた。」そうです。漱石もなかなか口が悪い人のようですね。

    延々と長文にわたり、とうとうと悪口が書き連ねてあるものもあります。よくここまで続くものだなあと感心するほど。

    中原中也はフランス語ができる人でしたが、ニーチェの「ツアラツストラ」を仏語版で読んだそう。
    すごい語学力ですが、「なんと面白くない本田。やっぱり独逸人はバカだ。」と言っているので、インテリも台無しです。
    繊細な詩を残している中也ですが、とても口が悪く、ケンカっ早かったそうです。

    総じて、文学史に名を連ねるそうそうたる文豪の先生方が、舌鋒鋭く相手をけなし合っている様子に唖然としますし圧倒もされます。
    結局みんなとても人間らしく、だからこそ豊かな感情表現が作品の数々に現れているのかもしれない、などと思いました。

    面白い視点からまとめられたの本。ほかのジャンルの方々の悪口本も、出たら読んでみたいです。

  • 生徒から貸してもらった1冊。
    国語教師にはおなじみの作家がゴロゴロ。
    基本、弁が立つから、どの先生も鬱陶しい。
    絶対に友達にはなりたくない(笑)

    知らないこともたくさん知れたので、
    面白かったですねぇ。
    佐藤春夫がこんなにひどいヤツだとは・・・
    あと、中原中也。
    太宰がかわいそうすぎた・・・

  • 冒頭の太宰と川端康成の逸話は、有名で知っていました。他の作家のものは、なるほど、と思いつつ、ほぼ原文ママの文章に、苦戦しました。

  • 太宰治と中原中也がぶっちぎりで面白い。谷崎潤一郎と佐藤春夫の女性をめぐるトラブルの終わり方に思わず「なんだそれ!」と声に出してしまった。

  • Twitterで注目!
    文豪と呼ばれる大作家たちは、悪口を言うときどんな言葉を使ったのだろうか。 そんな疑問からできた一冊。

  • ①太宰の如是我聞における志賀直哉への文書が実に直情的で当時の人もこれ読んで?だったんじゃないかってレベル。現代で有名人同士がツイッターでバチバチやっているの見る感じなのかも? 

    ②菊池と永井の章で、永井が菊池と菊地を間違えたのをきっかけにとあるが、この本の中での断腸亭日常でも菊地表記が多い。原文で間違えているのか誤植なのか(p166,167の見開きでも「菊地」が3か所) 

    ③佐藤と谷崎の女性をめぐっての往復書簡。なんでこんなの残っているんだよ。結局仲良しかよ

  • 〆切本とかもそうだけど、文豪はマイナス感情を書くとき一段と情熱的になるんだろうか
    中原中也とかのっけからぶちまけてるし
    こんなん読んでどうすんだ、と思いつつおもしろかった

  • ふーんってな感じ~1太宰治の章・川端康成へ2中原中也の章・誰彼構わず3無頼派×志賀直哉の章・織田作之助・太宰治・坂口安吾4夏目漱石の章5菊池寛×文藝時代の章・今東光を中心に6永井荷風×菊池寛の章・断腸亭日乗による7宮武無骨の章8谷崎潤一郎×佐藤春夫の章・谷崎の妻・千代を巡って~腰巻きには「先生方!!お口は少々悪いようですね」「悪口から見る、文豪たちの魅力」とあるが、馬鹿馬鹿しい。谷崎と佐藤の喧嘩は、谷崎が千代を離縁し、それを佐藤が拾うことで解決したって、この部分が一番馬鹿馬鹿しい。悪口なんて誰だって考えるけど、「文豪」って「偉そう」って意味以外なら、悪口に文豪らしさは見られない。誰も彼も感情むき出しじゃん

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