配色の設計 ―色の知覚と相互作用 Interaction of Color

制作 : 永原康史(監訳) 
  • ビー・エヌ・エヌ新社
3.23
  • (2)
  • (4)
  • (4)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 201
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802510240

作品紹介・あらすじ

バウハウス、ブラック・マウンテン・カレッジ、イェールで教鞭をとったジョセフ・アルバースの大成『インタラクション・オブ・カラー(原題)』。ディスプレイ時代の今だからこそ読み継がれるべき名著、遂に復刊!
※本書は、『Interaction of Color: 50th Anniversary Edition』(刊行50周年記念改訂版)の日本語版です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 配色についての、実践による体験を重視した教育書です。

    別々の色に囲まれることによって、同じ色なのに全然違う色であるように見える錯視があるように、物理的(光学的)な記述に認知的な評価が必ずしも一致しないわけであり(書中ではこれを「事実」と「実際」と表現しています)、なぜそのような乖離が生じるのか、どのような場合にそのような乖離が生じるのかを、カラーペーパーを生徒が実際に組み合わせて認知評価をすることで配色の能力を身につけていくアプローチが取られ、色相/明度/彩度といった色彩学においてはごく基本的な理論は実践の後に語られます。

    このような教育アプローチがあらゆる分野において普遍かどうかについては、アートと関連が深い色彩学だからこそ有用なのかもしれません。しかし、それは裏を返せば、世に多い実践に先立って理論を説明する教科書よりもこの本には先見があったと言えます。

    カラーペーパーは様々な雑誌をスクラップして用いることが推奨されています。オリジナルが書かれた1963年当時は、明度と彩度が同じで色相のみが異なる2色、ある2色の中間の明度の色を探すことが難しかったようですが、現代ではコンピュータのごく簡単なペイントソフトでも色相/明度/彩度を要素ごとに調整して色を作ることが出来ます。画面のまま用いる場合は投射色と反射色の違いに注意する必要がありますが、より身近に厳密に配色を試すことが出来る環境にあっては、むしろ美術の生徒のみならず一般に遊ぶように配色の実践研究をする機会が開かれたと言って良いでしょう。本書により、独学におけるその手ほどきが得られます。

  • 【請求記号】7500:209

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784802510240

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

20世紀でもっとも影響力のあったアーティスト兼教育者の1人。
1920年代、ドイツのバウハウスのメンバー。
1933年にアメリカへ渡り、その後16年にわたってブラック・マウンテン・カレッジで教鞭をとる。
1950年にはデザイン学部理事長としてイェール大学の教授陣に加わった。1958年に退職してからは
美術学部名誉教授の称号を与えられ、1976年に死去するまでその地位を保持した。
数多くの賞や名誉学位を授与されたアルバースは、1968年に全米芸術文化協会の会員に選ばれ、1971年にはニューヨークのメトロポリタン美術館が個人の回顧展を開いた、初の存命中のアーティストとなった。

「2016年 『配色の設計 色の知覚と相互作用』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョセフ・アルバースの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×