分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術

著者 :
  • ソシム
3.88
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本棚登録 : 959
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802612906

作品紹介・あらすじ

 本書は,データを分析して背後にあるメカニズムを解釈したり,データに基づいた意思決定や問題解決を行う際に,分析者が知っておかなければならない知識をわかりやすく網羅的に解説した教科書です。データ分析が上手くいくかどうかは,分析手法の技術だけでなく,データの質や扱い方,解釈の方法にも大きく影響を受けます。しかし,実践的にデータや分析の質を高く保ち,間違った解釈をしないための知識について,わかりやすくまとまった入門書はまだまだ少ないのが現状です。

 本書では,各種分析手法をただ網羅するだけでなく,データのばらつきやバイアスに関する基礎知識,データにさまざまな偏りを生じさせる行動心理学,サンプリングの方法と理論,データハンドリングのノウハウ,各種分析の考え方,データの解釈における認知バイアスや数理モデリングのポイント,システム運用時に発生する問題など,非常に幅広い視点でデータ分析者が知っておかなければならない知識を整理し,平易に解説することを目指しました。

 記述については,本質的な考え方の部分に特に重点を置き,数学に自信のない読者の方でも読み通せるように工夫しました。興味深い事例もふんだんに紹介することで,読み物としての面白さも追求しています。データサイエンティストを目指す方はもちろん,(任意の分野の)研究でデータを分析したい学生の方,データ分析について深く知りたいビジネスマンの方にも楽しんでいただけると思います。

感想・レビュー・書評

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  • なんだかんだで、このシリーズ揃えつつあります。分かり易い^_^

  • 『データ解釈学』
    網羅性★★★★★
    分析方法★★★★★
    解釈  ★★★★

    【購読動機】
    目的に沿うデータを取得、集計し、解釈をするシーンがあります。他社のIR資料を理解するもその一つです。こうした業務を重ねるなかで「解釈」という行為の幅の広さを再認識することになりました。
    ――――――――
    【本書の特徴】
    データを集計、分析する領域に関心ある人向けです。目的別にデータ集計、分析手法の紹介があります。また、そのメリット、デメリットの記述もあります。冒頭にあるとおり、網羅性が高い書籍です。
    一方で、わたくしのようにデータを分析する手法よりも、解釈のやり方に課題、関心があるひとには少し難易度が高いかもしれません。
    ――――――――
    【学べたこと】
    私が観察するデータ群には、大きく2つの種類にわかれます。サンプル点数が比較的多いものと少ないものです。
    データ群が多い場合には、分布図を観察することの有益性を認識することができました。
    また、異常値がある場合は、含めた場合と除去した場合の2種比較をすることの意義も学べました。
    <データ分析。主な目的とデザイン>
    1) データ記述・探索
    特徴の強さ・特筆性を明るくすること。
    2) 予測
    目的変数を設定→予測モデリングの構築をすること。
    3) 因果推論
    目的変数と説明変数の関係性の強弱を明るくすること。
    <因果関係を判定するための基準>
    1) 頑強性
    2) 一貫性
    3) 特異性
    4) 時間制
    5) 用量反応関係
    6) 妥当性
    7) 整合性
    8) 実験の有無
    9) 類似性
    <さいごに>
    例えば、1つの事象(不具合含む)を観察したときに、それが過去の事象と比較して、3)特異性なのか?9)類似性があることなのか?を区別することで、その後の解決に向けての解釈の展開が合理的になるすことを理解できます。
    また、事実を並列にするときに、推理小説のように4)時間別にプロットすることの有効性も理解できます。
    学生時代に統計学を避け、別の科目を取得したことを思い出しつつ、書を閉じました。。。

  • 統計手法の解説ではなく、統計をとる/読む上での注意点、どのような手法を取るべきか/避けるべきか、が書いてある本。
    統計の教科書は山ほどあるが、こういう当たり前と言えば当たり前のことをまとめて書いてある本は無かったと思う。例がわかりやすく、ほぼ数式なしで伝えたいことを伝える。著者頭良い。面白かった。統計の技法を学びたい人は、他の教科書を読むべし。

  • データ分析の実務の際に気をつけなければいけない点が抑えられており、一通り実務をやったあとに読むとあるあるがよくまとまっているなあと感じさせられます。
    他方で(そこが本丸でもないかと思いますが)統計学の教科書的な部分の記載は薄く、教科書は別で読み込んだ上での参考書としての位置づけとして使うのが適切な本かと思います。

  • データ分析の入門書として良かった。データの準備段階におけるサンプリングの話から一通りの基本的な分析手法の説明、よくある解釈間違いまで丁寧に説明されていて、学び直しとしては良かった。また、データ分析の専門家でなくても教養として知っておくとよい話ばかりだった。
    平均や中央値の説明までするのはさすがに入門すぎる気もするが。
    ただあくまで入門書レベルではあるので、中級編や実践編がほしいと思った。
    あとデータ解釈学というタイトルが適切かは謎。[データ分析者のための統計学とデータ処理入門]という感じ。

  • これからデータ分析やデータ利用を漠然と考えていて、かつ分析手法などを学ぶことに抵抗感がない人にオススメの本だと思います

    改めて、俯瞰して分析全体を見ることができたので自分が抜けている部分や理解していた部分を整理できたのは良かったです。

    ここを入り口に実際の統計分析やプログラミングなどを学ぶと、これからのデータ活用に役立つと思います

  • データ分析者が知るべきこと・持つべき視点・気をつけるべき落とし穴について、分野を限らず幅広く触れるデータ分析領域の教科書のような本。データ分析専門家の思考をトレースさせてくれ、必要な知見を広範に教えてくれ、本領域に関連する本の中では断トツで分かりやすく感じる。特に9.4手法の整理は、何をしたい時にどうすればいいか、「切り口と視点」が示され、考え方をインストールできる。下線が引かれていることへの低評価もあるが、著者・江崎さんのインテント・強調したい点を手っ取り早く把握することができ、個人的にはむしろ素晴らしい記述方法だと感じる。

  • データを見るときにやってはいけないこと、やるべきこと、大枠の流れと判断基準がわかって大変ためになる。道具一式になにがあるか、それぞれ何に向いていてどんな癖があるのか一覧できる感じ。

  • 統計学的なデータの解釈の仕方やデータに含まれるバイアスについてなど、データを扱う上で必要な視点や知識が丁寧に記載されてあり良かった。

    技術的な内容というよりはデータを扱うための教科書的なもので、一度これに目を通しておくとある程度質の高いデータの扱いができるようになりそうなので、特にデータをよく見る人にはお勧めしたい一冊。

  • データ取得から活用までの過程、および、各過程毎に注意すべき点が体系的に整理されている。

    これほど体系的にまとめられた書籍には初めて出会った様に思う。
    アナリストとして意思決定支援に携わってきた中で、本書記載の内容は経験則的にインプットしてきたことが多く、あまり有用な書籍はなかった。
    (分析手法にフォーカスした技術書は豊富だが)

    そういった意味でも、初学者にとってはこの上ない入門書ではないだろうか。

    個人的には、本書と「AIデータ分析プロジェクトの全て」の2冊を、データ分析初学者への入門書としてオススメしたい。

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著者プロフィール

江崎 貴裕(えざき たかひろ)
東京大学先端科学技術研究センター特任講師。
2011年、東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2015年、同大学院博士課程修了(特例適用により1年短縮)、博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、国立情報学研究所特任研究員、JST さきがけ研究員、スタンフォード大学客員研究員を経て、2020年より現職。東京大学総長賞、井上研究奨励賞など受賞。
数理的な解析技術を武器に、統計物理学、脳科学、行動経済学、生化学、交通工学、物流科学など幅広い分野の問題に取り組んでいる。著書に『データ分析のための数理モデル入門-本質をとらえた分析のために』(ソシム)。

「2020年 『分析者のためのデータ解釈学入門 データの本質をとらえる技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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