がんばらない生き方

著者 :
  • 中経出版
3.35
  • (3)
  • (11)
  • (19)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 121
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806132844

作品紹介・あらすじ

「だましだまし」、「ほどほど」、「いいかげん」、「肩肘はらず」に楽しく生きる52の提言。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ビジネスを効率よく行う方法や、時間管理や情報管理の仕方等を解説している本を普通はよく読むのですが、最近図書館に立ち寄った時に、ふと目についたのでこの本を手に取ってみました。

    社会人生活もあと10年と少しなので、「がんばる」と「がんばらない」を使い分けて過ごすことにもトライし始めるよい「きっかけ」をこの本から得たような気がしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・この本で読者に提案したいのは「考え方の変更」、ものごとを見る「視点のシフト」「価値観の転換」である(p5)

    ・自分の落ち度で職を失うことは簡単には怒り得ない、また、そんなこととは無関係に、クビになる時はクビになる(p16)

    ・極端はよくない、両タイプの中間ぐらいにいる人が、現実の人間関係を上手に対応できる(p23)

    ・本当の意味での「マニュアル」は、自分にしか使えないもので、教えられて身につくものではない(p25)

    ・努力と成果は必ずしも比例するとは限らないので、日々の仕事で常になるべき仕事の優先順位をつけて、そこそこの成果を上げる働き方を会得すべき(p29)

    ・仕事が楽しくなくても問題がないのは、その仕事をやる上で不可欠な技術があるから、仕事は「情熱」でやるものではない(p31)

    ・時間に余裕がある若いうちは「無駄」をも大切にすべき(p35)

    ・人の美しさには、もって生まれたものとは別に、その人の表情の動きなどに由来する「動的なもの」もあり、これは当人の持ちようで、いかようにもなる(p45)

    ・自分自身の「欲望の解放」を簡単に行ってしまえばしまうほど、得られる「快感」は減る(p50)

    ・凄い刺激を得るには、往々にしておカネがかかりますが、「微妙な変化」を楽しむことができれば、その人のものの見方一つで、日常のいろんなシーンに喜びを感じることができる(p53)

    ・自営業者の場合、所得計算上、「貧乏」を装うことが可能であり、自力で学費が払えるにもかかわらず奨学金をもらうというモラルハザードが発生している(p58)

    ・過去を引きずると判断を誤る、過去の経験が通用するケースって、長い人生において多くない(p62)

    ・大きな借金さえしなければ問題ない、今の収入が続かなかった場合には、収入に見合った暮らしを暮らしをすれば良い(p65)

    ・大学院の学生定員がこれほど増加したのは、大学の生き残り戦略である(p74)

    ・子育てが「楽しい」のは、多くの場合、子供を「愛玩動物的」に扱える5歳までである(p84)

    ・会社以外のところにも自分が評価される場所を確保しておくことは、長い人生を楽しむうえで大切なこと(p89)

    ・江戸の町人は、それほど働きものではなかった、家督は三十歳台の半ばまでに倅に譲って、自分は隠居するというのが「粋な人生」のありようであった、一生懸命に働いた後の残りの人生は趣味に生きる(p95)

    ・働きモノのアリばかりの集団と、働き者と遊び人アリと混在する集団は、危機のときには、後者の集団が生き残る(p100)

    ・上手な喧嘩術とは、負けた相手に「逃げ道」を残してやること(p104)

    ・家族や地域、PTAという共同体が昔のように機能していれば、そこに自分の不満をぶつけることで、ガス抜き効果をも得られ、ことを大きくしないで解決できる方法も見つかった(p114)

    ・何か国語もネイティブ並みに喋れる人は、一つの言語でもものごとを深く考えることが不得意になる。大文学者や大哲学者の中にバイリンガルを探すのは結構難しい(p118)

    ・あまりに勉強を押し込んでしまうと、生きていくうえで必要な人間関係の築き方や、コミュニケーションの取り方を軽視がちになる(p122)

    ・死ぬ時期が決定して一番いい点は、家族や親せき、親友を集めて「別れの儀式」を行うことができる(p136)

    ・産業界は将来のエリート社員たるべき新卒者に「即戦力」など要求しない(p148)

    ・子供に対しては、お子さんの意思を尊重すべき、「お父さんやお母さんは、何があってもオマエを見捨てない」というメッセージを発することが大事(p155)

    2012年9月2日作成

  • 著者の他の著作にみられるかっとんだ主張に較べると、この著作の中でおっしゃっていることは穏当なことが多い。10年前だとこれらはどのように受け止められたのだろうか。

  • 池田さんの本は本当に読むの楽しいし少しだけ気持ちが楽になった気がします。マツキヨでもマツコさんとの対談が楽しかったけど、この方の考え方がすきだなあと思います。ほどほどに生きてゆきたい…

  • 【492】

    働きすぎたんだなぁとしみじみ感じながら読んだ。
    たしかに仕事を第一にする必要はないけど、組織の中で頑張ってますよーって嘘つくのに疲れたのがでかいなぁと思った。
    ゆとりを持って生きるんだー。

  • 頑張らない方が楽なのはわかってるけど、世間の目にどう抗うかが唯一にして最大の問題である。

  • やや一方的な言い方だが、がんばらないという考え方は自分に必要だと思った。いろんな趣味に挑戦してみたい。
    アウトドア、トレッキング、スキー、スノボ、釣り、バーベキュー、ゴルフ、麻雀などなど。

  • これまでの右肩自動的あがり経済主義はもうおわりました。

    頑張れば、努力すれば、報われる時代はおわりました。

    これまでの教育は「やればできる」主義で育ってきました。

    その結果、社会や人はモノやカネには恵まれたが、、、

    いつまでたっても幸せは満たされないことを知った。

    自分の肩の荷をおろして、自分らしさをあらわして、

    自分なりの成長を淡々と歩んでいるだけでいい。

    他人の評価や価値観に比較合わせる必要はない。

    ということを教えられた。

  • そんなにがんばらなくてもいいなら楽だと思う。でも現実は頑張らないと仕事を失うとか、叱られるとか、そういう辛い思いをすることもある。それすらも受け入れて「がんばらない」生き方をしよう、とまでは行き着いていなくて、ただ仕事のほかに生きがいを見つけて、ほどほどにやっていきましょう、と。ある意味、立場が安定しているからこそ言える内容な気がしないでもない。■ま、精神的にがんばることが辛い人には、ちょっとゆるめの文章が心地良く感じられそう。それにしても、ところどころ文体が統一されていないところがあり、それがすごく読みづらかった。

  • ● 「人はみな平等である」という言葉の真の意味はすべての人間の能力や生まれが平等ということではなく、「行動によって生まれた結果」が平等に扱われるということです。

    ● ともあれ、子供と親はそれぞれ別の人間である以上、親は子供に自分の願望をくっ付けてはいけません。「あなたのためを思ってやっている」と称して子供を叱咤激励する親の行動の裏には、実は自分の「願望」が叶いそうにないことへのイラ立ちが隠されているように思います。

    ● なお、人々の時間を大切にすべきだという観点からも、ゴミの分別収集は愚行でしょう。だって、あんなに分類が細かくて、出す曜日や時間までうるさくなってくると、そのために相当な時間とエネルギーを使うからです。国や自治体は主婦や高齢者の時間はタダだと思っているに違いありません。

    ● いずれにせよ、人生はままならないわけで、そうなると、ままならないからこそ、人生は楽しいと思った方が勝ちです。

  • 政治や社会のシステムを棚に上げて自己責任をおしつけるのはおかしい。自己実現で仕事と人生を重ねあわせるのはへん。大学教育に実学を求めるな。子供の成功を本当に喜べるのは親だけ。老いも介護もほどほどに。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池田清彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×