先生、大蛇が図書館をうろついています! ―[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学
- 築地書館 (2020年4月2日発売)
本棚登録 : 132人
感想 : 22件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806715986
感想・レビュー・書評
-
小林朋道 『先生、大蛇が図書館をうろついています! [鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(築地書館、2020年)は動物行動学者のエッセイ。『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』『先生、アオダイショウがモモンガ家族に迫っています!』『先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!』など先生シリーズの一冊である。
著者は鳥取環境大学教授。動物をテーマにしたゼミ生の研究や動物との触れ合いを描く。鳥取環境大学は自然の中のキャンパスである。ゆったりした気持ちにさせられる。動物学者と言うと特定の種類の動物に特化したイメージがある。しかし、本書で取り上げる動物は爬虫類に鳥類、哺乳類と幅広い。動物行動学という学問の幅広さを感じた。
本書は「ヘビ好きの二人のゼミ学生の話」から始まる。ヘビは一般に好かれない動物である。私も読みながら気持ち悪さを感じてしまった。著者や本書の学生は信じ難い。一方で愛らしいモモンガは大学のノベルティになっている。著者は等しく動物愛を持っていると思われるが、動物に対する世の中の評価のギャップをどう思うのだろうか。本書には霊長類は本能的に蛇を怖がる習性があるとの指摘がある(42頁)。蛇を怖がることも動物の性と受け止めているのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示