先生、大蛇が図書館をうろついています! ―[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学

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  • 築地書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806715986

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  • 小林朋道 『先生、大蛇が図書館をうろついています!  [鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(築地書館、2020年)は動物行動学者のエッセイ。『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』『先生、アオダイショウがモモンガ家族に迫っています!』『先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!』など先生シリーズの一冊である。
    著者は鳥取環境大学教授。動物をテーマにしたゼミ生の研究や動物との触れ合いを描く。鳥取環境大学は自然の中のキャンパスである。ゆったりした気持ちにさせられる。動物学者と言うと特定の種類の動物に特化したイメージがある。しかし、本書で取り上げる動物は爬虫類に鳥類、哺乳類と幅広い。動物行動学という学問の幅広さを感じた。
    本書は「ヘビ好きの二人のゼミ学生の話」から始まる。ヘビは一般に好かれない動物である。私も読みながら気持ち悪さを感じてしまった。著者や本書の学生は信じ難い。一方で愛らしいモモンガは大学のノベルティになっている。著者は等しく動物愛を持っていると思われるが、動物に対する世の中の評価のギャップをどう思うのだろうか。本書には霊長類は本能的に蛇を怖がる習性があるとの指摘がある(42頁)。蛇を怖がることも動物の性と受け止めているのだろうか。

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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