妖怪旅日記 (ホラージャパネスク叢書)

著者 :
  • 同朋舎
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784810427288

感想・レビュー・書評

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  •  妖怪研究家の多田克己と村上健司の視点で書かれた、妖怪馬鹿たちによる珍道中エッセー。読んでいて、今昔続百鬼-雲 (講談社ノベルス)に登場するキャラがエッセーを書いたらまさしくこんな感じだろう、と思ってしまった。

     余談だが、この書籍に収録されている京極夏彦氏・作の漫画。実はこの本の発行以前に読んだことがあるのだ。
     私もオタクの端くれとして大手同人誌即売会であるコミックマーケットに参加した経験があるのだが、当時『妖怪愛好会隠れ里』という妖怪同好サークルがあり、そこの刊行物には多田克己氏や村上健司氏も寄稿していた。そして私も妖怪馬鹿の端くれとして、客として新刊が出ていれば購入していた。
     で、平成十一(1999)年冬に刊行された『物ノ怪書 第十二巻』に、京極氏が件の漫画を寄稿されていたのだ。ちなみに当時は京極堂シリーズを読んではいなかったので、後日、書店で著作を見かけたときは、漫画家ではなく小説家だったのか、と大層驚いたものだ。

     後生大事に、というわけではないが、今でもこのシリーズは所有している。

  • 多田さんと村上さん、そして京極さんの語る旅の様子や、登場する方々の人柄がわかるのが、読んでいてとても楽しい。
    本書では京都の「牛祭り」「葵祭」、広島の「稲生祭」、高知県の「いざなぎ流の大祭」など、各地のお祭りについても紹介されているが、現場で体験して空気感を味わってみたいと思わされた。
    お祭りのある時期は家族行事との兼ね合いでいつも見に行くのが難しいのだけれど、いつか行ってみたい。

    私自身もこれまで妖怪や各地の伝説などが伝わっている場所をいくつか訪れたことがあるけれど、遠野もそのうちの一つ。
    私の場合は辺鄙な所に行くのが分かり切っていたので一人旅だったけれど、こんなふうに大所帯で妖怪好きの仲間と一緒に行くのも楽しそうだなと少し羨ましく思ったりもした。
    まだまだ日本全国行きたい場所は山ほどあるので、この本から次の旅の目的地をいくつか拝借したい。

  •  この本、部屋の何処かに埋もれてしまったので、図書館から借りて読む。
     誤植が多い。「肝に命じた」「一同に会した」などは、村上健司や多田克己の原稿にあったのかもしれないが、七章に見える「輸(ゆ)入道」は「輪(わ)入道」の看過しがたい誤り。妖怪馬鹿なら間違えるはずはない。校正係が妖怪の名に疎かったのだろう。よって星3つ。
     京極夏彦によるマンガ『牛祭の三馬鹿』はお見事。天は二物も三物も与えるものだ。

  • 雑誌『怪』に掲載された妖怪探訪記を一冊にまとめたもの。水木しげるさん、荒俣宏さん、京極夏彦さんの最強トリオと、多田克己さん、村上健司さんの最悪コンビが繰り広げる妖怪珍道中。京極夏彦さん描き下ろし漫画付き。実に楽しい旅ですね、古くからの神社や寺はよい。「妖怪好きに悪い人はいない」こういった妖怪探索者たちの生の姿が伝わってきて、妖怪ファンにはたまらない内容になっている。

  • 水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、多田克己、村上健司。

  • 妖怪馬鹿の多田氏と村上氏を中心に時に京極氏や水木御大、荒俣氏も交えて日本の妖怪関連の場所を巡った文字通り旅日記。多田氏が書いた章は村上氏が、村上氏が書いた章は多田氏が注釈を書いているので、それぞれのツッコミや訂正が楽しいです。京極氏の漫画もあって得した気分になれる一冊。 草をかき分け探索はしたくないですが、解説してもらいながら行ってみたいところばかりでした。

  • 妖怪馬鹿みたいな内容かと思ったら、
    今昔続百鬼――雲の続編という感じ。
    センセイが思った以上にセンセイで困惑する。

  • 水木しげる・京極夏彦・荒俣宏という妖怪最強トリオを
    多田克己・村上健司とい妖怪最悪コンビが旅日記に!
    なじみの方々ですが、その行動の子供っぽさに愕然

  • 水木しげる、荒俣宏、京極夏彦の妖怪最強トリオと、多田克己、村上健司の妖怪最悪コンビが繰り広げる妖怪珍道中記。京極夏彦描き下ろしの水木しげるパロディ妖怪漫画付き。

  • これは良いです。実に良い。
    妖怪関係だけではなく下らないこともかなり書いてあって笑えます。
    「山賊焼き」にがっかりする京極さんを想像すると…ぶふっ。

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著者プロフィール

東京都出身。妖怪研究家。著書に、妖怪絵師が遺した画からその意味を解読する『百鬼解読』がある。京極夏彦との共著に『暁斎妖怪百景』『妖怪図巻』、京極夏彦・村上健司との共著に『妖怪馬鹿』『妖怪旅日記』など。カルチャーセンターにて妖怪学に関する講座の講師を務める。

「2022年 『ひどい民話を語る会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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