- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813318194
作品紹介・あらすじ
親しみやすい現代語で世阿弥が語りかけてくる。「風姿花伝」をはじめ論書17部を収録。読みやすくなって復刊!原文・現代語訳・詳しい語注つき。
感想・レビュー・書評
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これを読み終えるには、相当の博識と硬骨が必要であり、実情から言えば積読であるが、積読のままにすると今後振り返ることもなくなりそうなので、とりあえず読み終えたことにした。
著者小西甚一は、高校時代の参考書「古文研究法」でお世話になった。理解した内容は忘れてしまったが、読み終えるとスカッと理解できる本だということを覚えている。この本のところどころで、小西は世阿弥の著書の内容を1、2、3やa,b,cなどの記号を使って構造的に書き記している。小学校以来、国語の授業では、こういった分析手法を叩き込まれてきたが、文学を対象とする場合には避けられていたように思う。文学はもっと深遠で、簡単には分析不可能である位置から読めということである。でも、小西先生はこれでいいんだあ。
中世のテーマに立ち向かうには、もう少し準備が入りそうだが、小西先生をはじめとして意外と親しみ溢れるのかもしれない。先日の中世の文学(唐木順三)とともに、いずれよむことを予約しよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
訳者のかたがあとがきに書いておられる通り、訳文がとてもわかりやすいです。世阿弥が自分の親しいものたちにあてた覚書として、外国人にもわかりやすいやさしい日本語をこころがけたそうです。
さて、世阿弥が晩年佐渡に配流されます。その理由は諸説あるみたいなのですが。この本で「金島書」や金春禅竹にあてた手紙などを読む限りでは、なにか達観した様子で、周囲の神社めぐりをしたり、日本という国全体の安寧を願って謡を作ったりなどしています。
私には当時70歳くらいだった世阿弥の心境は到底推し量ることはできないですが。どんなことを思っておられたのかなあと思います。 -
分かりやすい、お薦めの本です。