オスマン帝国の世界秩序と外交

著者 :
  • 名古屋大学出版会
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815811174

作品紹介・あらすじ

イスラム的世界帝国の理念・現実・変容――。ナショナルな主権国家とは異なる秩序観に基づき、多様な人々を包摂した大帝国。そのダイナミックな「国際」関係や対外交渉行動を描くとともに、近代の西欧国際体系との関係を、外交使節や公館、革命や大戦への対応などから論じた、碩学の労作。原初から終焉までの600年余を文明史的視角から一望する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 外交態度が自国の立ち位置(強さ)によって変わる様を、オスマン帝国の全盛期から滅亡まで追うことによって眺める。他国(ヨーロッパ諸国)に駐在公館を許しながら、自らはそれをしないスタンスは、中華王朝に似た世界秩序感があるものの、それが転じたのが清朝よりは速かったのは、列強との距離的な近さによる危機意識の差だろう。外交感覚は情報を知っているか否かではなく分析能力が伴わなければならず、それが鋭敏だった欧州諸国がやがて世界制覇する様は、近世から近代への移り変わりそのものに見えた。

  • 227.4A/Su96o//K:東2法経図・6F開架

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1947年生
1982年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士
東京大学東洋文化研究所教授などを経て、
現 在 東京大学名誉教授

著書:
『オスマン帝国――イスラム世界の「柔らかい専制」』(講談社現代新書、1992年)
『オスマン帝国の権力とエリート』(東京大学出版会、1993年)
『オスマン帝国とイスラム世界』(東京大学出版会、1997年)
『世界の食文化(9) トルコ』(農村漁村文化協会、2003年)
『ナショナリズムとイスラム的共存』(千倉書房、2007年)
『文字と組織の世界史』(山川出版社、2018年)
『オスマン帝国の解体――文化世界と国民国家』(講談社学術文庫、2018年)
『文字世界で読む文明論――比較人類史七つの視点』(講談社現代新書、2020年)
『食はイスタンブルにあり――君府名物考』(講談社学術文庫、2020年)
『帝国の崩壊――歴史上の超大国はなぜ滅びたか』(編著、山川出版社、2022年)他

「2023年 『オスマン帝国の世界秩序と外交』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鈴木董の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×