安倍晋三が生きた日本史 (産経セレクト S 032)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819114271

感想・レビュー・書評

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  • 櫻井よしこによる安倍総理に行われたインタビューが主な内容、安部さんの業績は、特定秘密保護法、武器輸出三原則改正した防衛装備移転三原則、第一次内閣の時の防衛省設置(防衛庁から)、TPPを主導、とあるが、TPP以外はマスコミに極めて評判が悪い。ここではプライマリーバランスについて取り上げる。
     安部さんは、国家と家庭では借金については同じに扱ってはいけないという。家庭では、借金すると返さなければならないので、なるべく収入の範囲で暮らすのが当たり前だが、国家が借金をするときはお金は三つのルートで戻ってくるという。①国家が日銀にお金を借りると償還日が来る。国家は日銀に返済することになるが、返済するお金はどうするのと言えば、返済してまた借りるのである。つまりジャンプするわけである。個人が銀行にジャンプしてほしいと頼むと断られる時があるが、日銀は断らない。さらに利子を払わなければならないが、日銀は収益が上がったら国家に返納することになっている。(さらに市場用を通して借りているのであるが国家の債権を全部日銀が買い取るので、市場に流通する貨幣量は変わらず、影響は少ない)②ワクチンを例に出していたが、もしワクチンが国産だったらワクチン代が会社に入り税金として国家に戻ってくる。普通の状態ではこのように政府の使ったお金は戻ってくる。(今回は、国庫の税金はまたは日銀に借りた借金はアメリカの会社に入りアメリア国民のために使われる)③国家が借金をして使ったお金は資産として国家に蓄積される。無くなってしまうわけではないのである。例を挙げれば山手線の内側の土地がもらえるとしたら、更地にし荒野になった土地とビルがいっぱい立っている土地とどっちが価値があるかと言えば自明であろう。直接お金は帰ってこないが、個人でいえば銀行に預ける担保のようなものなのである。お金が必要な時には借りて使えばいいわけである。(外国で借金が返せず、99年間の港の使用権を中国の銀行に譲り渡した例もある)
    では、いくらでも日銀に借りていいの?ということになりますが例として、もしJRが廃線を決めた路線を国家が整備したとしますと(JRは賃料を払って運営を行う、線路は国家が所有する)賃料も入ってこないし国庫に税金も入ってこない。こんなことばかりしていると外国の資本家は日本の政府は無能な人ばっかりなのかと思い。日本に投資しても収益が上がらないなと考えて投資をやめます。(例を挙げると工場を作ったが道路整備がされていない、優秀な研究者がいない、前者のためには道路整備を、後者のためには大学を、さらには奨学金を充実させる、ような仕組みを作る。)そうなればいくら日銀で借りても不景気な状態が続きます。日本は借金はダントツに多いです。それで財務省はプライマリーバランス、プライマリーバランスと言って心配します。今のところ大丈夫ですがいつ、外国資本が引き上げるかはわかりません。アルゼンチンもギリシャもGDPに対しての借金の率がもっと少ないのに破綻しています。これをデフォルトいいます。まあ、破綻しても国がなくなるものではないので御安心を。 

  • 2022年に凶弾に斃れた安倍元首相への想いを桜井よしこ氏が述べたもの。幕末の勤王の獅子にも準えているように、日本の歴史にも名を残すレベルの首相であったと述べている。著者の意見を聞いて、日本にとっての大きな損失だっとのだとあらためて感じた。

    「安政の大獄で死罪に処せられたのは、松蔭29歳の時であった。それより前、松蔭の松下村塾には約60人の門人が学んだ。時代の大変革の中、松下村塾は2年3ヶ月続いた」p18
    「プライマリバランスについていえば、それはできる限りコントロールしなければいけませんが、ある程度のマイナスであったとしても、成長率がしっかりと金利を上回っていれば、債務残高のGDP比はだんだん縮小に向かっていくことになります。これは間違いないです。ドーマー条件というのですが、基本的には、成長率が金利よりも上回っているという状況を作っていくことの方が大切なんですね。そうであれば、プライマリーバランスがどうであれ、どこかの時点で必ず収束するんですね」p203
    「私たちが作ってきた国際社会、いわば秩序を打ち破ろうという動きが出てきている」p222
    「国のために何かをするといふことは、自己一身の生活の上からいって、必ずしも幸福になるとは限りません。むしろそれは、深刻な悲劇に負わなければならぬことが多いでせう。しかし、国のためといふときには、個人はその悲劇を乗り越えていかねばならないのです(夜久正雄著『古事記のいのち』)」p286
    「国家の形成を考古学や経済史で見て、弥生式土器の時代から鉄器文明の古墳時代に入った、といふことだけでは、国家形成の内的動因を感得することはできないでせう。人間をぬきにして歴史があるはずはないからです(夜久正雄)」p287
    「日本書紀によれば、倭建命が房総半島の方を望まれて「これは小さな海だ。立ち走っても渡ることができよう」と言い、海の神の怒りに触れたため暴風が起こり、船は沈みかけたとある。このとき、倭建命の妻、弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)が仰った。私があなたの身代わりとなって海に沈みましょう。あなたは天皇から遣わされた目的を遂げて、その実績を奏上なさいませ、と言って入水したのである。海の神の怒りは鎮まり、御船は無事進むことができた。そのとき、弟橘比売命が歌を詠んでいる。「さねさし 相武の小野に 燃ゆる火の 火中に立ちて 問ひし君はも」これは日本人の辞世のはじめとされるが、渡部昇一氏は『古事記の読み方』で、日本初の辞世の句が女性によって詠まれ、しかもそれが愛の歌であることが目ざましいと激賞している。古代からわが国は女性をきちんと認めていたということであろう」p292

  • 安倍さんへの同調が強すぎる感はあるけど、安倍さんは本当に日本国の事を思い、良き国にする為に尽力されてきた偉大な政治家だったのだと改めて感じました。

  • 防衛費や憲法改正、その他の政治や経済、今まで難しくてなかなか理解が追いつかなかったことが、この本でようやく理解ができました。

    テレビで見る政治家の安倍晋三さんの部分だけではなく、櫻井さんとのオフの会話で伺えるチャーミングな一面も知ることができて、身近な存在に感じました。

    こんなに日本のことを考えて日本のために力を尽くしてくれていたということを、私のように安倍さんが亡くなってから知る人も多いと思う。

    主人は安倍さんが生きているころから、日本のために多くのことを成し遂げている政治家だと言っていたので、それを知ろうとしなかった無知な自分を反省しました。

    それでも、今、こうしてこの本で知ることができたのはとても有難いです。

    日本の歴史も学べて、教科書では苦痛だった日本史も、こうやって人の想いや志を知ると興味深く学べることを知りました。

    こんな本を書いてくださった櫻井さんに感謝いたします。

    安倍さんを知ることができたこと、そして日本史を知ってもっと日本を好きになりたいし、もっと日本を誇りに思えるようになりたい、そんな風に思わせてもらえました。

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著者プロフィール

ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、日本テレビ・ニュースキャスター等を経て、フリー・ジャーナリストとして活躍。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『日本の危機』(新潮文庫)を軸とする言論活動で菊池寛賞を受賞。2007年に国家基本問題研究所(国基研)を設立し理事長に就任。2010年、日本再生に向けた精力的な言論活動が高く評価され、正論大賞を受賞した。著書に『何があっても大丈夫』『日本の覚悟』『日本の試練』『日本の決断』『日本の敵』『日本の未来』『一刀両断』『問答無用』『言語道断』(新潮社)『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)『親中派の嘘』『赤い日本』(産経新聞出版)などがある。

「2022年 『わが国に迫る地政学的危機 憲法を今すぐ改正せよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

櫻井よしこの作品

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