奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり

著者 :
制作 : 日経デザイン 
  • 日経BP
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822264567

感想・レビュー・書評

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  • 私はビジネス書には厳しい。
    帯にも書いてあったけど、本当に「中小企業、地場産業、伝統工芸の経営とデザインにかかわる」人にしか向かない本だと感じた。
    当たり前だなぁと感じることのなかに、たまにとっても詳しいこととが書かれているんだけど、それが、百貨店に出店するにはとかいう必要な人にしか必要ない内容で、私はこの本から何をすいとればいいのかわからなかった。

  • 歴史を持った会社ならではの「伝統」を引き継いでいながらも、きちんと改めて「伝統とは」ということも考え、さらに、伝統を維持して画を通すわけではなく、現代に合った形で提案していこうという考え方が素晴らしいと思った。

  • 奈良にある老舗の織物屋におけるマーケティングの話。
    つい最近、おしゃれな雑貨屋さんで商品を見たばかりだったので、近所の本屋で立ち読みしてみた。

    古くからの伝統は、お客様からの信頼感を生む点で強みである。ただ、古くからいる社員は、変化を嫌うという体質があり、会社にとっては弱みともなると考えられた。

    中小企業のメーカーがお客様の認知を得るためには、ショップを立ち上げるのが効果的。ただ、ショップのデザインなど、従来にはない知識が必要となってくる。そのときは、素直にアウトソーシングすればよい。
    外部の専門家との仕事は、携わる人間を高みに成長させ、社内にも刺激を与えるメリットがある。

    私も、社外の専門家と1年半ほど仕事を一緒にしている。
    否応なしに、その専門家の土俵に上らされて仕事をしなければならない。

    この過程を通してアウトプットすることで、自分にとって経験がなく無理と思われることでも、きっと乗り越えられるという自信がつく。
    自分の成長が実感できる時だと思う。

  • タイトルの通り。著者の自伝的な本。中小企業の成功体験本。

    ・「よいもの」とは、商品を通じて会話が生まれる商品
    ・ビジョンを日常レベルのベクトルに落とし込む手段が必要。例えば、毎月のテーマをもうける、納会でワークショッップを行いチーム一体感を醸成する。

  • 20101207読了

  • ◎「小売をやる」ことで得られるものは何?
    ①小売・ショップがブランディングにおけるタッチポイントを数多く有している

    ②顧客の声というニーズを商品企画に継続的に繁栄することができる

    ③日々の売り上げを生み出す


    ◎今の時代、小売=売り場に求められるものは何?
    ①商品の背景

    ②価値観の時代
    消費者は自分で買いたいものを選択できなくなっている。誰かの目でセレクトされた「一定の価値観のフィルターを通した商品」を選ぶ傾向にある



    ■ものづくりの仕組みをデザインする

    ◎デザイナーを選ぶ
    中小企業の経営者にはそもそもデザイナーを選ぶという視点が欠けている。
    デザイナーは右脳的な分野に強い、経営者は左脳的な分野に強い。互いがそれぞれの立場と強みを尊重した上で、忌憚の無い意見交換をすることがよい取り組みにつながる。

    デザイナーも商品をデザインする際に、その背景にあるブランドの考え方はもちろん、会社の発展段階を周辺環境にまで興味を持ってほしい。
    ブランドと会社への理解が無いままにデザインされた商品は、ブランドとの整合性に欠ける可能性が高い。結果として、売れない商品になってしまう。

    デザイナーにも左脳的な要素を理解する力が、経営者にもう農的な要素を理解する力が、今の時代には求められている。


    ◎コアデザインは社内でやる
    メーカーにとって社外デザイナーと仕事をすることで得られることは、自社デザイナーの成長。
    一流のデザイナーの仕事に触れることが何よりの財産になる。

    中小企業がデザイン性の高い商品を出し続けるためには、自社で主力商品のデザインを開発しなければならない。であれば、自社のデザイナーの力をいかに引き上げるかが重要。

    デザイナーとして独立している人は、独自の哲学や専門知識、プライドやモラルがある。そういう要素を社内のデザイナーに肌で感じてほしい。

    グラフィックデザインは、誰に頼めばよいか?
    →外部の専門家に頼むべき。専門家が大勢いるから。

    メーカーは、プロ集団に頼むほうが、効率的で精度も高くなる


    ■組織をデザインする

    ◎ビジネススキルやフレームワークといったものは、仕事をするうえでのそろばんや方程式のようなもの。
    知らないと、遅い、間違う、できないという事態に陥る。だから本来は率先して自ら学ぶべきものではある。会社はそのきっかけを与えればよい。


    ◎大切なのは本人が、向上心を持って主体的に学ぼう、成長しようと思うこと。
    学んだことをすぐに実践できる場(会社)がある。こんなに楽しいことは無い。


    ■経営とはデザインである

    ◎それぞれの部署で、k理論からの飛躍によって生み出された答えが整合性を保たなければならない。
    その整合性が会社という大きなレベルで求められるため、ブランドを作るには経営で取り組まねばならず、整合性をとる作業はロジックではなくデザインに近い感覚である。


    ◎ロジックで積み上げた後に飛躍できること。そしてそのひとつひとつの飛躍が全体として整合性がとれていることが重要である。

    ◎これからの時代、経営にはロジックとクリエイティビティの両方が求められる。その両立とバランスこそがデザインという言葉に集約されている。
    大手戦略系コンサルティング会社が、ある時期から美大や芸大といったクリエイティビティに優れているであろう学生を積極的に採用し始めたのは、会社としてのロジックとクリエイティビティのバランスを考えてのことだと思う。


    ◎デザイナーは、多くの問題解決を1つや2つの表現で解決しようとしている。つまり、事業やブランドにスパッと線を一本通すような作業です。これが、飛ぶこと。積み上げの家庭をクライアントと共有していないと、自信を持って飛べない。

  • ブランディングというと大手企業が注目されがちだが、奈良の300年老舗企業の若手経営者が自らの体験をもとに、明快な文章で伝統工芸のブランド立ち上げの苦労や発見について十三代目中川淳さんが執筆された非常にエキサイティングな一冊。

    ブランディングとは何か?という本質的な問いに始まり、流通、モノ作りの仕組み、コミュニケーション、そして組織の「デザイン」の取り組みについて解説。中川さんが考える経営とは「デザイン」なのであり、ブランディングとは経営そのものなのである。

    ブランドを作るときに必要なのは、こんなブランドにしたい!という熱い思い。営業部門、店舗スタッフの考え方が全く異なるようではブランドたりえないという。 (本当にその通り!!)

    お客様から見たタッチポイントの整合性や情報がクロスするほど人は何かを強く意識する、といったことなどポイントが非常に具体的で、マーケティング視点を磨くには実に素晴らしい内容だと思った。

  • 一緒に働きたいと思った人です

  • 奈良が好きで中川さんのお店も好きなものが多いので、どのように商品がうまれているのか知りたくて読みました。
    地方のメーカー(中小企業)の商品開発部門で働いているので、中小企業のブランド戦略が参考になりました。会社の偉い人にも読んでみてほしいです。

  • ●2009年8月読了
    私が就活のとき受けた会社のビジネス書。
    この会社の開発する和小物がかわいくてかわいくて、企業説明会のとき商品に目を輝かせて見入ってた。
    でも落ちちゃったので、きっとご縁がなかったのでしょう。笑
    社長がお若い方で、御自分の考えやビジョンをしっかり持っている人だと感じました。
    いつかここの商品を買いたい・・・・・・

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著者プロフィール

1974年生まれ。京都大学法学部卒業後、2000年富士通株式会社入社。2002年に株式会社中川政七商店に入社し、2008年に十三代社長に就任、2018年より会長を務める。業界初の工芸をベースにしたSPA業態を確立し、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、業界特化型の経営コンサルティング事業を開始。現在は学生経営×地方創生プロジェクト「アナザー・ジャパン」や志あるブランドを世の中に届ける共同体「PARaDE」を提唱。「カンブリア宮殿」「SWITCH」などテレビ出演のほか、経営者・デザイナー向けのセミナーや講演歴も多数。著書に『奈良の小さな会社が表参道ヒルズに店を出すまでの道のり。』『ブランドのはじめかた』『ブランドのそだてかた』『経営とデザインの幸せな関係』(日経BP)、『日本の工芸を元気にする!』(東洋経済新報社)。

「2023年 『中川政七商店が18人の学生と挑んだ「志」ある商売のはじめかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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