システム思考がモノ・コトづくりを変える デジタルトランスフォーメーションを成功に導く思考法
- 日経BP (2019年10月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822289768
作品紹介・あらすじ
デジタルトランスフォーメーションを実現するための「武器」を手に入れよう!
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し実現するために有効な思考法である「システム思考」を、ビジネスパーソンに向けてわかりやすく説明したのが本書です。
戦略を司る経営層、モノづくり・コトづくりを支える現場のリーダー層に読んでいただきたい1冊です。
ビジネスを変革・改善するには、 多様化・複雑化する課題に対して、
適切な解決策を見出す必要があります。
そのための考え方・手法が「システム思考」です。
複雑化する社会、言い換えれば、「複数の要素が密接につながり合い、協働し合う=システム化する」社会において、モノ(製品)づくり・コト(サービスや体験)づくりに不可欠な要素である顧客の要望や自社のコア技術などを俯瞰的に捉えて見える化し、適切に検討して創発することで、DXを成功に導く――。
この実現手法である「システム思考」を、わかりやすく、具体的に説明します。
第1章
新たなモノづくり/コトづくりに必要なもの
─AI + IoT のその先へ ─
第2章
良い「創発」を生み出す
─システム思考と工学的アプローチ─
第3章
システムをより深く理解する
─機能分解と設計項目のモデル化 ─
第4章
システムへの理解を「創発」につなげる
─コア技術と効果的・創造的な解決策 ─
第5章
想定外を想定し、最適解を得る
─システムの動的・定量的な分析 ─
補章
ケーススタディ
─システム思考を用いた新製品プロジェクトの分析 ─
感想・レビュー・書評
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世間ではシステム開発プロジェクトの失敗が相変わらず多い。DXと名前を変えても同じで、官民ともにDXへの取り組みが増えて尚更、品質やコストの問題が取り上げられるようになってきた。ベンダー丸投げ、発注サイドのデジタルスキル不足、多重下請け構造など、いろいろ要因はあるかも知れないが、上流工程すなわちコンセプトや要求分析をしっかりすれば防げることが多い。
特にDXでは、社会やビジネスの変革イニシアチブのため、影響範囲が広く複雑になる。しかし人間の認知能力は限界があり、複雑な関係性の中で最適な解決策を見つけるのは苦手である。
本書では、複雑さを扱う手法として、システム思考とシステムダイナミクスを取り上げ、簡単な例を使って手順を解説する。この手法は本来はデジタル変革やプロダクト開発で使うものではないが、大きな変革に伴う影響とリスクをシミュレーションできるため、意外に相性が良さそうである。
全体の流れは分かったが、残念ながら本書の記述だけでは説明不足の点も多く、かと言ってシステム思考の専門書は難解なため、きちんと取り入れるには専門のコンサルティングが必要だろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●一分野マスター読書「DX」21冊目。なぜ変えるのか、何を変える・変えないのかというのはシステム思考でも重要。ステークホルダー・バリュー・ネットワーク(SVN)から要求分析を始めるとのこと。
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新人研修でも必ずといっていいほど触れられる
システム思考。
今回書籍で改めて学習しようと思い手に取った。
前半はシステム思考のあり方について、
後半はタイトルにもあるように実際にシステム思考を活用したモノづくり・コトづくりについて書かれている。
気になった箇所をメモしておく。
実際のビジネスでもいわゆるMECEは活用される。
ただ、MECEをした後にそこから最適な道筋を見つけるのが意外と大変。
検討事項が7つを超えるとどんな賢人でも適切な判断が下せないという記述には驚いた。
どんなにシステムが高度化しても、
そのシステムを適切にモデル化し、適切な判断が下せるように設計するのは人間自身。
勘と経験は未知の事象に弱い
その通りすぎる。
顧客が何を求めているかが大切であって
どの機能を活用するかはあくまでも手段
目的と手段がごっちゃになってはいけない(戒め)
1・2章はどんな職業の人にも響く内容だと思うので
是非一度読んでみていただきたい。
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システム思考を表題にしているが、ある課題に対するアプローチの方法を記載した本だった。はじめの方の章が事例紹介で、まとまりのない印象を受けてしまった。機能非機能でわけたり、目的と手段を分けて考えるなどの基本的な事を記載された良い本ではあったが、表題とのギャップでこの評価とした。
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「自社がユーザーに提供する価値」をどのように捉えるか、見える化するか、変更するか、管理するかーー。それは、驚異となる競合が現れた時、新型コロナのような環境変化が起きた時、破壊的イノベーションが起こった時、売上が下がっている時、新商品を開発する時、リニューアルする時、不定期に訪れるこれらの難問にはいつも頭を抱える。本書は、この難問に対峙する時の手法を提示する。「UXデザイン」を「システム思考」でどのようにアプローチするかについての解説されている。現在はテクノロジー、それもデジタル化やAIの活用まで視野に入れたUXデザインを志向したいのでそういった意味ではDX領域にも活用できる。
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商品企画、サービス設計、IT企画の全てに通じる情報。
ふんわりとしたPJが世の中にあふれている中、言語化するためのFrameworkとして参考になると思う。 -
東2法経図・6F指定:336.17A/H54s/Y. Takahashi